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117★アメとムチ?



 婚活話しで盛り上がる?聖女候補達に、オスカーは淡々と説明を続ける。


 「聖女候補の皆さんを警護する騎士達は

 1日を三分割して警護を行いますので

 9名~15名になります


 騎士達の休日の都合もありますので

 聖女候補1人に付き、18名から45名

 というところですね」


 聖女候補達への説明に、エリカ小首を傾げて聞く。


 「オスカーさんそこまで警護する程

 この国の治安は悪いんですか?」


 エリカの質問に、オスカーは首を振る。


 「治安というよりは、次々と湧き出る

 瘴気と魔物への対抗措置です」


 そう言われて、魔物討伐に借り出されていたアルファード達への補給や援護の為に駆けつけたエリカは頷く。


 「あっ…魔物がいましたね

 そうすると…宿泊する建物の警備も

 必要になりますね…」


 エリカの言葉に、オスカーは良く気が付きましたねという表情で頷いて言う。


 「そうですよ

 不寝番も必ず必要になりますので……」


 オスカーと喋るエリカに話しかけたくて、マクルーファも口を挟む。


 「それに、馬車に大勢の騎士付きでの

 移動となりますので……


 街道沿いの街や村などから魔物討伐を

 頼まれる可能性が多々ありますから……

 人数の余裕は必要なんですよ」


 その説明を聞いて、エリカは一生懸命に、何が必要か、どういう行程になるかを考えて言う。


 「食料や野営用の品々とかは

 【魔倉庫】に入れて行くんですよね?」


 エリカの確認に、オスカーが答える。


 「ええそうなります

 つきましては、姫君に是非協力して

 欲しいコトがあります


 出来なかったり、したくないことは

 しなくて良いですけど……」


 そう付け加えるオスカーに、エリカは小首を傾げる。


 「何をすれば良いのですか?」


 その言葉に、ちょっとだけ躊躇いつつも、これは必要なことと口中で唱えてから、エリカに言う。


 「先ほどのウオーターボールの

 【魔倉庫】もどきを、きちんとした

 【魔倉庫】にして欲しいんです


 聖女候補の皆さんに、もしも

 騎士達とはぐれたときの為に


 食料品や衣料品や医療品や寝具や

 野営用の簡易天幕などを、自分で

 持っていて欲しいと思いますので……

 姫君…お願いしても宜しいですか?」


 万が一を考えて、万全を期しても、何があるかわからない世界なので、エリカはこころよく頷く。


 「確かに、その方が安心出来ますね

 頑張って作ってみます


 ついでに、聖女候補の私達を守る

 騎士様達にも、作りたいと思います


 塩水湖に行く用事がすんだら

 特別ボーナスとしてあげたいと

 思いますので……」


 つい、パパが隣国の迷惑な密漁船などと出くわした後に、部下達に慰労をかねて、色々なモノをくれ散らかしていたことを思い出し、そう言ったのた。

 か、エリカに嫌われたくないアルファードは、無理をしていないか?という心配そうな表情で言う。


 「良いのか? エリカ」


 アルファードの問い掛けに、にっこりと笑ってエリカは言う。


 「だって、余計な仕事なんだもん

 それに持っていると便利なアイテムを

 あげて恩を売るのもイイと思うの


 アメとムチって感じにね


 だって、これからガンガン訓練をして

 痛めつける予定なんでしょ?」


 エリカの確認の言葉に、アルファードは魔法騎士団の団長として、全騎士団の頂点に立つ者として、大きく頷く。


 「ああその予定だ」


 そんなアルファードに、エリカはちょっと人の悪い微笑みを浮かべて言う。


 「それじゃ訓練がムチで、貰えるアイテム

 【魔倉庫】がアメってコトでイイかな?」


 優しい気遣いをしてくれるエリカに、アルファードは幸せを噛み締めつつお礼を言う。


 「ありがとうエリカ」


 その優しい微笑みとねぎらいの言葉に、エリカは自分が必要とされる幸せを感じるのだった。










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