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114/141

114★話しに混ざりたいんですが、タイミングが掴めません



 〔アルの様子からして、無重力を作り出す

 魔法は存在しないとみたわ

 なら、新しい魔法として作れば良いかな……


 とはいえ、魔法の理論とか知らないから

 新しい魔法をすぐに作る方が難しいわね


 とりあえずってことで、水魔法で

 クッションになるモノを作ってみれば

 イイのかしら?〕 


 思い立ったら吉日を地でいくエリカは、すかさず思いついた魔法を使う。


 「ウオータボール、ヒート」


 すると、エリカの目の前に、水がプカリと浮かんでいる。

 その中に手を入れて、温度の確認をする。

 程よい暖かさを感じたエリカは、その状態を維持する為に、もう1つ魔法を使う。


 「温水をそのままに《結界》」


 〔これで、ウオーターベットならぬ

 ウオータークッションが出来たはず


 でも…馬車に来る衝撃を吸収させる為には

 これだと水の量が足りないわね


 ふむ、だったら、水に圧縮を掛ける?

 ううん…アルの何でも入る【魔倉庫】の

 マネをすればイイんじゃないかしら?


 そうだ《結界》の中の水の質量を

 増やしてみればイイかも?〕


 小首を傾げながら、エリカは思いついたことを次々と実戦して行く。

 普通は、そんなに連続で属性の違うモノを使うと、疲労困憊になったあげくに《魔力》枯渇を起こすのだが…………。

 そこは、無自覚の聖女様なので、ほぼ無制限だったりする。


 初日に魔法の使いすぎで倒れたのは、使ったことのない能力を最大限まで使ったセイだったりする。

 いわゆる、運動不足の引き籠もりが、運動会で全力疾走したようなモノだったのだ。

 閑話休題


 エリカは、馬車での衝撃を緩和をする為の有効手段をなんとか確保しようと、思いついたことをしているのだ。

 勿論、周りの者達が止めないので、エリカはそのまま魔法を行使するのだった。


 「ウオーターボールの《結界》を維持

 そして、中の水を無限大-α」


 エリカの言葉に従って、ウオーターボールは淡く金色に光った。

 温水の中に手を入れると本来なら、くっきりとエリカの手が見えたのだか、水を濃縮状態にしたその中に入った手は、見えなかった。

 それは、ウオーターボールの中が、見かけよりも確実に体積があるという証だった。


 エリカの魔法を、黙って見ていたアルファード達は呆れてしまう。

 どうやら、エリカは《結界》を使って【魔倉庫】を再現した為に…………。

 なぜなら、それを袋などに付与すれば、簡単に【魔倉庫】を作れてしまうからだ。


 そう、エリカは、新しい【魔倉庫】を作る方法を編み出したのだった。

 とうのエリカは、ウオーターボールを床に降ろして、アルファードの腕の中から抜け出し、作った温水球クッションに座っていた。

 どうやら、自分の作ったモノの確認作業をしているらしい。

 

 〔うふふ……適度な弾力と安定感が

 たまらないわねぇ~…………


 お尻を揺らしても、まわりに振動が

 伝わっていないから…………


 後は、実際に馬車に持ち込んで、走らせた

 馬車の中で座ってみれば良いわ…………


 って、あっ…また、やっちゃった……

 エリカってば、1つのことに一心になると

 周りが見えなくなるから……

 お兄ちゃんやパパら、注意されていたのに……


 じゃなくて……ここは、撫子さん達の会話に

 入らなくっちゃ…ボッチは嫌よ〕


 エリカの意識は、馬車に乗った時の衝撃を吸収する、温水球のクッションを作り上げたところで、他の聖女候補達の会話へと向けられたのだった。

 そんなエリカの視線の先では、再び撫子が持論を展開していた。


 「……確かに、周りが結婚しているのに

 独身じゃきっと肩身が狭いって状態に

 なると思うんだよねぇ…………」


 それに、桔梗が大きく頷いて言う。


 「かなり痛い話しね」


 話しの内容を理解したエリカは、内心でちょっとホッとしていた。


 〔うっ確かに未婚は痛いわね……

 エリカってば、さっさと動いて良かったわ


 それも、ちっちゃい女が好みのアルを

 捕まえられて…………


 もしも、みんなと同じスタートラインに

 立っていたら……たら……


 うん…売れ残り確実になるもんね

 はぁ~悪趣味なアルと出会えて良かった〕


 そう、ほっとしている視線の先では、牡丹が握りこぶしで言い放つ。


 「これは、真面目に聖女の修行して

 試練の森で守護獣と《感合》したら

 婚活するきゃっないわね」


 〔聖女の修行って言っても私の場合は

 後は、試練の森で守護獣を手に入れれば

 お仕舞いって言われているから…………


 馬車に乗って塩水湖に行って、塩の問題を

 片付け終わったら、直ぐにでも行けるから…

 うん…大丈夫…婚活は必要無いわね〕


 焦る聖女候補達のセリフに、一時焦ったエリカだが、自分はアルファードを確保しているので、ホッとしていた。

 その視線の先で、蘭が肩を落として言う。


 「ふっ…こんな所に来て、婚活って切ない」


 そのセリフに、ラノベ愛読の百合が言う。

 

 「だって、ラノベとか乙ゲーに書かれている

 社交界デビューって、15才から

 18才だったじゃない?


 まだ、異世界に《召還》されたっていう

 現実感がどこか薄いけど…………

 これは紛れもない事実よ」


 〔確かに社交界デビューって私達の年齢だよね

 でも、エリカは壁の花になる自信があるよ


 って言うか、男の人達にスルーされるわ

 だって、デブ…ううんエリカはぽっちゃりよ……


 じゃなくて…ぽっちゃりでブスで地味だから……

 自分であげてて滅入るわね……はぁ~……


 どうせ、エリカがこの辺あたりが妥当かな?

 って思って、告白したとしても迷惑って

 思われる程のブスだから……〕








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