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短編小説

仲直りの手紙

作者: 美汐

 私は渡瀬鏡子わたせきょうこの顔をまじまじと見、その心の中を読み取ろうとした。

 しかし、そんなことができるはずもなく、はあとため息をついた。

 彼女の噂を聞いたのは、つい先週のことだ。






「隣町に、すんごい霊能力者が引っ越してきたらしいよ!」


 そう言ったのは、友人の真知まち。昼休みに教室で一緒に弁当を食べていたときのことだった。


「霊能力者? それって、幽霊がみえるってこと?」


「うん。なんか、全然他人が知るはずのない死んだその人の秘密とかいろいろ言い当てちゃうって噂。超怖くない?」


「うん……。ちょっと怖いね」


 そう言いながら、私は内心その人のことにものすごく興味が沸いていた。

 もしかしたら。

 その人なら。

 そんな思いが、私の胸に沸々とわき起こってきたのだった。






 そして、今日このときを迎えていた。


「あなたが渡瀬鏡子さん……ですか?」


「ええ。あなたは石野いしのあかりさん?」


 渡瀬鏡子は、ミステリアスな瞳をこちらに向けてきた。

 駅の構内の雑踏のなかで、その声は別次元のもののように、はっきりと耳に響いた。


「はい。あなたに頼みがあって、来たんです。その、あなたの力を頼りたくて……」


「ええ。メールでその依頼は承知しているわ」


「あ、承知、ということは依頼受けてもらえるってことですね? あなたのホームページで、用のある人は日曜八時に駅前に集合って書き込み見て来たんです。メールの返事がなかったので、やっぱり依頼は無理だったのかなと。でもその書き込み見て、もしかしてって思って……」


「ああ、そういえば、メールにはちゃんとした返事はしてなかったかもしれないわね。ごめんなさい。ちょっと忙しかったものだから」


「そうなんですか……」


 しかし、本当に会えるとは思わなかった。

 私はそこで、周囲に集まっていた面々に視線を走らせた。

 そこには、私と渡瀬鏡子の他に、煙草をくわえたあんまり柄のよくなさそうな男に、熟年の美女がいた。

 つまり、今の渡瀬鏡子の説明だと、ここにいる二人は、たぶん私と同じような考えで集まってきた人たちに違いない。

 そう思っていると、その二人が我慢できなくなったように順番に口を開いた。


「ったく、俺もあの書き込み見てここに来たくちだけど、その子の言うように、あんたメールに返信しないんだな。それはまあ、あんたの都合ってもんがあるんだろうけどよ。せめて最低限の情報は欲しかったよな。あんたの容姿とか年齢を訊いてなかったせいで、この人たちにも間違って声かけちまった」


「そうよ。少しは待ち合わせに必要な最低限の情報は書いておいて欲しかったわ。お陰でこんな柄の悪い男に声かけられたりして、迷惑だわ」


「なに?」


 煙草男はじろりと隣の熟年美女を睨む。しかし、美女はまるきりそんな視線には動じる気配はなかった。

 男と美女が少し険悪な雰囲気を醸し出そうとしたそのとき、渡瀬鏡子が口を開いた。


「そのことは悪かったわ。だけど、だいたい私に会う人ってみんな私のことをひと目で見て、渡瀬鏡子ってわかるのよ。だから大丈夫だと思って」


「だけど、いきなり集合場所と時間だけ指定って、そんなので俺たちが来るって思うか? 普通」


「だけど、現にこうして集まってるじゃない。あなたたち」


「まあ、……それはそうだけどよ」


 男は言葉に詰まる。どうも渡瀬鏡子のが格が上のようだ。


「けど、一度にみんな集めるっていうのはどうなの? そんなやり方で大丈夫なの?」


 今度は熟年美女がそう問う。これにも渡瀬鏡子の返答は淀みがなかった。


「今までこのやり方で私のほうは特に問題なかったわ。これでも私も忙しいの。同じ町に住んでいるあなたたちの依頼をまとめて片付けるのは、理にかなってるでしょう?」


 そうなんでもないことのように言ってのける彼女に、私たちはみな怪訝な視線を投げかけた。


「本当に大丈夫……なんですか?」


 代表するようにそう問いを発した私に、彼女はにこりと笑みを浮かべてうなずいた。


「ええ。それぞれの依頼、今日まとめて私が解決していくわ」


 私はその言葉に、目をぱちくりと瞬かせた。






 というわけで、なぜか私たちは彼女に連れられて、それぞれの依頼の件につきあうことになった。

 他の二人の件についてはまたいろいろあるが、ここでは割愛することにする。

 とにかく、私の依頼になぜか渡瀬鏡子以外に、他の二人も付き添う形となっていた。これはいいのか悪いのか微妙なところだ。

 とにかく私は依頼した件に関わる場所に、みなを連れてきていた。陽は先程より少し高い位置に昇り、私たちを照りつけていた。


「あなたの依頼は、交通事故で亡くなった小学校時代の友人ともう一度話がしたいってことだったわよね」


 私たちがいるのは、駅からしばらく歩いたところにある、私の母校である小学校にほど近い、片側二車線の道路脇の歩道だった。

 その道路は、この辺りではかなり交通量の多い場所であり、今も多くの車が行き交っている。

 ここで五年前、私の友人だった久美くみちゃんが死んだ。

 持っていた手紙が風に吹かれ、道路に飛んでいってしまった。それを追っていった久美ちゃんは来ていた車に気づかず、そのままその車にはねられて死んでしまったのだ。

 私たちは、まずその場で手を合わせて黙祷を捧げた。それから、依頼の話へと移っていった。

 先程の渡瀬鏡子の言葉に、私はこう答えていた。


「はい。あの日の前日、私は久美ちゃんと喧嘩してしまったんです。そして、その仲直りがしたくて、手紙を書いて渡しました。でも、その手紙のせいで、久美ちゃんは死んでしまった。きっと、久美ちゃんはずっと怒ってるって思うんです。私があんな手紙なんか渡したりしなければ、死なずに済んだはずだって……」


 私は話しながら、胸が潰れそうな思いだった。

 ずっと仲良しだった久美ちゃん。なのに、どうして喧嘩なんてしてしまったのだろう。そもそも喧嘩なんかしなければ、手紙を渡す必要もなかった。久美ちゃんが死ぬことはなかったのだ。

 渡瀬鏡子は、ミステリアスな瞳を私に向けていた。他の二人は、どこか心配そうにわたしを見つめている。


「とりあえず、依頼のとおり、久美ちゃんを呼び出すことにしましょう」


 渡瀬鏡子はそう言うと、突然その場に跪き、アスファルトに両手をついた。

 私は息を呑んで、その光景を見つめる。


 霊能者、渡瀬鏡子は、不思議な力を持っていた。

 それは、霊をその身に呼び寄せるという能力である。

 霊媒師とか、イタコ、口寄せとかシャーマンなんて言い方をすることもあるらしいが、いずれにしても、それは霊をトランス状態になった術者が呼び寄せ、その身に宿らせるというものであるらしい。


 私たちが固唾を呑んで見守っていると、渡瀬鏡子は俯けていた顔をあげ、目を閉じたまますうっと息を吸った。長い黒髪が揺れる。

 と、突然その目が開き、ゆらりと彼女は立ちあがった。

 そして、ゆっくりとこちらを振り返った。


「渡瀬……さん?」


 私は目をぱちくりとさせる。なにやら彼女の雰囲気が先程とは違う。

 どこか驚きに満ちたようなまなざしを、こちらに向けている。


「あかりちゃん……? 」


 その声色も、先程までの渡瀬鏡子のものとはまるきり違っていた。雰囲気も先程は大人びた印象だったのに、今はどこか幼いような、あどけなさを感じた。

 まさか、これが例の霊媒……?

 そうだとすると、今、彼女の中にいるのは……。


「久美……ちゃん……?」


 私がそう言うと、彼女はにこりと微笑んだ。


「久しぶり、だね! よかった。元気そうで」


「え? え? ホントに? ホントに久美ちゃんなの?」


 私は驚き、どうしていいかわからずに戸惑っていた。


「え? おい。マジかよ! 霊媒に成功したのか?」


「嘘。演技じゃないの? あなた、渡瀬さんじゃないの?」


 煙草男と美人のお姉さんも驚いたようにそう言う。

 すると、彼女は言った。


「渡瀬さん……って、この体の人? 今は少しの間体をあたしに貸してくれてるみたい。あたしは久美。田辺たなべ久美っていうの」


 間違いない。この口調。雰囲気。


「間違いないみたいです。渡瀬さんには久美ちゃんの名字を教えてなかったはずなのに、今彼女が言った名前は間違いなく久美ちゃんの本名。今ここにいるのは、五年前に死んでしまった私の親友、田辺久美ちゃんです」


 そう口にし、あらためて渡瀬鏡子のほうに目を向けると、彼女はにっこりと私に向かって微笑んでいた。


「あかりちゃん。大きくなったんだね! もう小学生じゃないんだ~。すごいなぁ」


 その口調も昔の久美ちゃんそのもので、私は驚きや戸惑いを感じつつも、そこに懐かしさを覚えていた。


「本当に久美ちゃんなんだよね? あの、ピアノが上手だった久美ちゃんなんだよね?」


「うん。そうだよ。あかりちゃん、あたしのピアノ発表会にも来てくれたよね。でも、せっかく来てくれたのに、あのときは緊張して少し失敗しちゃった。いいとこ見せられなかったのは、残念だったな~」


 私はそんなふうに話す彼女を見て、それを確信した。

 間違いない。彼女は田辺久美。

 明るくてピアノが上手で、みんなの人気者だった。

 私はそれを理解すると、その場でぺたりとひざをついて、彼女に向かって頭をさげた。


「ごめんなさい! 久美ちゃん! 本当に本当にごめんなさい!」


 久美ちゃんは私の書いた手紙を拾おうとして、車道に飛び出してしまった。

 そして車に轢かれて死んでしまった。


 私のせいだ。

 私が久美ちゃんを死なせた。

 私が久美ちゃんを殺してしまったようなものだ。


 涙がはたはたとアスファルトに染みを作る。

 償っても償いきれない。私はずっとそんな罪の意識を抱えながら、今日まで生きてきた。もう一度彼女に会って謝りたい。きっと私のことを恨んでいるだろう彼女に、許してもらいたい。

 そう思って今日まで生きてきたのだ。

 生きている私と死んでしまった久美ちゃん。どれだけ考えても、生きている側が罪深い。


 私の脳裏に、あの日の彼女のランドセルの赤い背中が浮かぶ。

 その鮮やかな赤い色。

 それは、ランドセルの赤か。それとも――。


「あかりちゃん」


 ふいにそんな言葉が頭上から響いた。

 私がそうっと顔をあげると、その場にしゃがみこみ、小首を傾げて、心配そうに私を見つめる渡瀬さんがいた。


「もう泣かないで。それに、もういいよ。そんなに謝らなくても」


 優しげにそう言う。悲しそうに。


「だ、だって、久美ちゃんはあの日、私のせいで……!」


 渡瀬さん――久美ちゃんはゆっくりと首を振った。


「違う。あれは、あかりちゃんのせいなんかじゃない。全部あたしの不注意のせい。あたしがちゃんと車が来てるのを確認せずに飛び出したから……」


「で、でも、もし私があのとき手紙なんか渡さなかったら。前日に喧嘩なんかしてなかったら……っ」


「それを言うなら、もともとあたしが勝手にへそを曲げたせいだよ。ピアノの発表会で失敗したのが悔しくて、あかりちゃんに当たってしまった。ピアノとあかりちゃんは関係ないのに。それに……」


 久美ちゃんはじっと私の顔を見つめてきた。

 その瞳の中に、本当に久美ちゃんがいるような気がして、私は、はっとした。


「嬉しかったの」


 その言葉に、どくんと胸が鳴った。


「あたし、あのときあかりちゃんが仲直りのしるしに手紙を書いてきてくれたことがとっても嬉しくて、だからどうしても風で吹いていってしまった手紙を取り戻したくて、思わず車道に飛び出してしまった。それはただ単に、あたしが不注意だっただけ。だから、あかりちゃんはなんにも悪くない。もうそんなに自分を責めたりしないで」


 久美ちゃんはそう言って、私の頭を撫でてくれた。

 私はほろほろと崩れ落ちる、やわらかいスフレチーズケーキみたいな気持ちになった。

 止まらない涙で前が見えなくて、ポケットのハンカチを慌てて取り出す。


「久美ちゃん……。久美ちゃん、ごめんね……ありがとう」


「うん。けど、今日はあかりちゃんと久しぶりに会えてよかった。もうあたしは大きくはなれないけど、あかりちゃんは頑張って生きて。あたしのぶんまで」


 久美ちゃんのぶんまで。

 私はその言葉に目を見開く。


「さあ、そろそろあたしは帰らなきゃ。この渡瀬さんって人にさっきからそろそろ変わるようにせっつかれてるの」


 久美ちゃんは、渡瀬さんの体で居心地が悪そうに困った表情を浮かべた。なんだか、よくわからないけれど、そろそろお別れの時間が迫っているらしい。

 それを聞いて、私は慌ててこう質問した。


「久美ちゃん。ひとつだけ、最後に確認していい?」


「うん?」


 不思議そうな顔をする彼女に、私はずっと訊ねてみたかった質問をしてみた。


「久美ちゃんは、あのとき、私の手紙の内容を読んでみた?」


 そう。私はそのことがずっと気がかりだった。

 久美ちゃんはあのとき手紙を読んだのか。それとも読む前に手紙は風に飛ばされてしまったのか。

 すると久美ちゃんは、笑顔でこう答えた。


「もちろん読んだよ」


 そして、彼女は立ちあがり、天に顔を向けた。

 その姿は、どこか神々しく、どこか神聖なものに思えた。






「ありがとうございました」


「サンキュー」


「ありがとう。助かったわ」


 夕方、私たちは再び雑踏に包まれた駅前に集まっていた。そこで各自解散ということになっていた。


「どういたしまして。とりあえず、あなたたちの手助けになれたみたいでよかったわ」


 三者三様の依頼をこなした渡瀬鏡子は、今は少々疲れた様子ながらも、すがすがしい表情をしていた。きっと、ひと仕事終えたといった心境なのだろう。

 そうして本当に解散となり、それぞれ別方向へと散らばっていった。


 私もとぼとぼと歩き出す。

 確かに彼女はすごい霊能力者だった。

 まさか、本当に久美ちゃんを呼び出すとは思わなかった。

 そう思い、最後の久美ちゃんの言葉を思い出した。

 そして、ふと疑問を感じた。


 私は、くるりと先程みなのいた場所に目を向けた。そして少し移動した駅の改札口手前のところで渡瀬鏡子の後ろ姿を見つけ、矢も盾もたまらず走った。


「すみません!」


 そう呼び止めると、彼女は足をぴたりと止め、くるりとこちらを振り返った。

 ミステリアスな、どこか魅惑的なその表情。


「どうかしたの? 石野あかりさん」


 息を切らせながら、私はどうしても訊かねばならないことを訊ねた。


「あなたが呼び出したのは、本当に久美ちゃんだったんですか?」


 その言葉に、彼女は目を少し見開いて見せる。


「なぜそんなことを?」


「だって、彼女は私の手紙を読んだと言ってました。なのに、私を許すなんて……」


 そんなはずはないのだ。

 もし彼女があれを最後まで読んだのだとしたら。

 読んでしまっていたのだとしたら……。


「それは、あなたが彼女に仲直りをしようと思って書いた手紙でしょう? それを読んであなたを許すのは、なにか間違ったことなのかしら?」


 私はどうしていいかわからず、闇雲に首を横に振る。

 わからない。だけど、私は許されていいはずがない。

 もし彼女が人生の最期に見たものが、あの手紙の最後に書かれてあったことなら。

 もしそうなのだとしたら……。


「ねえ、石野あかりさん」


 俯く私に、渡瀬鏡子は優しく言葉をかけてきた。


「霊能力なんて、信じる人も信じない人もいる。今日あなたが見たことは、もしかしたら夢かまぼろしだったのかもしれない。今日あそこに本当に田辺久美さんが現れたのかどうかという証拠はなにもない」


 視線をあげ、私は彼女の目を見つめた。


「だけど、信じるしかないと思わない? あなたたち生者がこれからも生きていくためには、死者の思いにとらわれていてはいけないことだと」


 静かに神秘的に、彼女の声が耳に響く。

 そこだけ世界が違ってでもいるかのように。


「あなたは許されたのよ。あなたの意志はどうあれ、ね」


 私の目に、再び涙が盛り上がった。

 過去の自分の過ちを、私は恥じた。

 そして、それをきっと許してくれた久美ちゃんに、感謝の思いを抱く。


「今日は、本当に……、ありがとうございました……!」


 今度こそ改札に入っていく渡瀬鏡子の背中を、私はいつまでも見守っていた。




          *




「久美ちゃん。昨日はごめんね。これ、仲直りの手紙。読んで」


 ランドセルを背負う、私と久美ちゃん。

 手渡した手紙を、久美ちゃんは少し意外そうな顔をしながら、受け取った。


「今読んでいい?」


「うん」


 私はうなずく。なんの迷いもなく。

 久美ちゃんは渡した手紙の封筒を開け、中身の便せんを開いた。そこの文字に彼女が目を落とした瞬間、ざっ、と大きく風が吹いた。

 そして手紙が久美ちゃんの手から離れ、宙を舞った。


「あ」


 久美ちゃんは、止める間もなくそれを追って、車道へと飛び出した。

 そしてその後すぐに、目の前を車が通り、ドンッという音とともに、キキキキキーッという甲高い音を鳴らしていた。

 久美ちゃんの体は、宙を飛んでいた。

 まるで、おもちゃの人形みたいに見えた。


 ああ、これはきっと私のせいだ。

 あの手紙のせいだ。

 あんなこと、書かなければよかった。


 ――ごめんね。久美ちゃん。


 私は、救急車のサイレンの音と騒ぐ大人たちの声を聞きながら、足元に落ちてきた便せんを拾った。

 そしてそこに書いた自分の文字を見る。

 そこには、喧嘩のことを謝り、仲直りがしたいという自分の文章が綴ってあった。しかし、その一番最後の行に、私は自分の正直な気持ちを書いていた。


『でももう、久美ちゃんと一緒にいたくないって思います』


 どうしてこんなことを書いてしまったのだろう。

 私はそのことを、これからずっと考えて生きていくんだろう。


 そんなことを、そのとき私は思っていたのだった。




<END>


ELEMENTさんに、この話とリンクした別の方の作品が掲載されています。

春号にはコーラスとして、みなが駅前に集まるお話。

夏号にはソロとして、この作品の女子高生以外に、煙草男、40女の別のお話が載っています。

興味を持たれたかたは、バナーから飛べるようになっていますので、よろしければどうぞ!

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[一言]   遅くなりましたが、拝読しました! というか、活報をチェックしていたにも拘わらず、こちらの作品が投稿されていたことに気づいていませんでした。失礼いたしました。 「人形の輪舞曲」と同じく、…
[一言]  お邪魔します(^^)  子供の頃のこうした仲違いは日常的にあるもの。  簡単に喧嘩をして、気づけば仲直りして。  でも、その相手が死んでしまったら?  これは一生引きずってしまいますよね…
[一言] ホラーというよりは、せつない物語でしたね。 以下ネタバレ注意。 久美ちゃん、本当はどうだったのか私にはわかりませんが、彼女はきっと、最後の一文を読んでいなかったのでは? その前の文章だけ…
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