魔法設定について
【魔法】
作品内で使われる『魔力』とは、つまり魔法を使う上での身体エネルギーと、自然界に充満する自然エネルギーである。
魔力を持つ生き物は、その魔力を体内から体外へ何らかの形で発することを『魔法』と言う。厳密に言えばこの世界の人間が決めた魔法の定義は曖昧で、魔力を用いた行為ならば魔法と称される(魔力を纏うことを【強化魔法】と呼ぶが、体外に出たあと再び体内へ魔力が戻ってしまうために上記の定義だと魔法にならないから)。
そのため、魔力を貯蔵することの出来る『魔晶石』から起こる何らかの現象も、魔法となることが多い。
一般的に魔法として魔力を動かす場合、魔力を動かしやすくするために『詠唱』と呼ばれるものをしなければならない。
詠唱は、魔力自身に刷り込まれた起動因子のようなもので、それがなければ本来魔法として使うことはできない。コンピュータのプログラムにも似たものだが、それとは大きく異なる点もある。それが『詠唱破棄』である。詠唱を破棄することで、魔法発動までの時間短縮を見込めるが、命令が短縮された分不安定な発動になる。そのため詠唱破棄の魔法は使う魔力量や本来との規模が変わってくる。
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【造魔器官と魔祖と魔力】
魔力とは前述の通り二種類ある。体内で作られるものと、空気中に充満しているものである。
体内では魔力を作る臓器が生成、貯蓄している。それが『造魔器官』である。魔力を持つ人間と持たない人間の割合が3:7であることも、この造魔器官が関係する。造魔器官は人間に必要な臓器ではなく、無くても何ら問題はない。それによって生じる差別なども問題視されている。
造魔器官は魔力を作る臓器だが、その仕組みは血液を作るときと酷似している。造魔器官が魔力の元となる『魔祖』を生み出し、体内に貯蓄されたその魔祖が属性を帯びることで魔力となる。
造魔器官はその特性上、造魔貯蓄器官とも呼ばれる。作り出された魔祖が魔力となってからそこに貯蓄され、魔法を使う際にそこから引かれるためである。魔力を使うと造魔器官内に貯蓄された魔力が減っていくが、直後から一定速度で魔力は生成されるため、時間経過と共に魔力は回復する。
魔力の最大量は特に年齢と関わりが深く、例外こそあれど基本的には一般的な体力年齢と同じようになる。若くから上昇し、ある点から年を経る毎に下降していく。
自然界に充満する魔力は、魔力を貯めることのできる石『魔晶石』によって生み出されているものである。造魔器官と似たような魔力を生み出せるものがあるために、そのような現象が起こる。
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【属性】
魔力はその生き物や鉱物に応じて『属性』を持つ。それらは魔法として発動するときに特に大きく発揮されるものの一つである。
大きく分けて属性は2つ存在する。前述のように様々な特性や魔法としてバリエーションを持つものが『有属性』であり、属性を持たない属性が『無属性』である。
有属性には更に細かく分けていくつかあり、基本属性と呼ばれるものが『火』『水』『土』『雷』『風』の五つであり、それらには複雑な優劣関係が存在する。それぞれ自然界に実在するものを象徴している属性のため名付けられたが、詳しい因果関係は解明されていない。
そして、それらとは異なるものが『光』と『闇』の2つである。それらは特殊属性と呼ばれ互いが互いを打ち消す関係にある。
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【魔法のランク】
魔法には使用魔力量、効果範囲、使用者への副作用、効果威力の四つを基準とした『ランク』が存在する。
魔法の初歩とされるものを『下級』とし、これは小さな属性魔法や、日常での多用する魔法(掃除魔法や、物体浮遊など)に分類される。戦闘で使う場合、主に詠唱を飛ばすことの出来る魔法として重宝され、下級魔法使用率は六割を超える。
魔法教練を受けたものが扱え、一番安定した作用を起こす魔法を『中級』とする。中級は特に副作用の少ない魔法だが、威力で見れば下級と変わらないものが多い。但し詠唱の難易度は大きく違い、魔法教練を怠ったものが使うには少し難がある。
効果範囲や副作用と言った全体に影響の出るものに何かしらの制御不能要素のある魔法を『上級』とする。上級魔法は特に四項目の難易度が高く、中にはそれを使えない魔導師もいる。前提条件として詠唱破棄は存在しない。
最大限の威力、及び副作用をあわせ持つものを『最上級』とする。最上級魔法は、四項目全てにおいて使用禁止レベルの数値が出る魔法で、特に天変地異を起こしてしまうような魔法に多い。
そのどれにも属さず、魔法というものを極めた者のみが扱うことの出来るものを『天上級』とする。天上級魔法は一部の者しか扱えず、本当に魔法を極めた者しか扱えないため、魔導書などに載ることもない。一国家を破壊する威力を持つものや、世界に影響を与えてしまうようなものと言った、基本的には未知数の威力を誇る。
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【覚醒特異】
基本属性五種類を持つものが、何らかの形でその五属性を覚醒させること。原因は全くの不明で、覚醒確率が百万人に一人という割合。
覚醒すると基本属性が特異し、派生属性を持つことになる。水の性質変化を起こす『氷属性』などが、主なものとなる。
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2016/02/12現在