究極の孤独
掲載日:2025/12/12
人は、沈黙を不安と結びつける。
話さない時間は、距離だと思われる。
反応がないことは、拒絶だと解釈される。
けれど私にとって、
沈黙は崩れないための余白だ。
言葉を足さなくても、
確認を繰り返さなくても、
感情を共有しなくても、
壊れない関係がある。
それは、
互いの世界を管理しないことから始まる。
何をしているかを把握しなくていい。
今どう感じているかを、
逐一報告しなくていい。
ただ、
同じ空間に存在しているという事実が、
静かに続いていればいい。
それを孤独だと言う人がいる。
冷たいと感じる人もいる。
愛が足りないのだと、測ろうとする人もいる。
でも私は、
沈黙の中にこそ、
信頼があると知っている。
話さなくても、
触れなくても、
進めなくても、
疑われない距離。
それは、
依存しない強さがなければ成り立たない。
究極の孤独とは、
誰もいない状態ではない。
誰かに寄りかからず、
誰かを支えにせず、
それでも並んでいられることだ。
沈黙は、空白ではない。
信頼が、音を立てずにそこに在る証拠だ。
私は今日も、
その静かな場所に立っている。




