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創作関係エッセイ

なぜ小説を書く時に一人称が「僕」になるのか

作者: 秋桜星華

 こんにちは、もしくは初めまして。


 秋桜星華と申します。



 私は普段、この文章からもわかるように、一人称は「私」を用いています。


 ちなみに読み方は「わたし」です。「わたくし」ではありません。


 しかしながら、小説を書くときは違います。


 特に、早く寝たくて急いで書くとき。


 主人公の性別に特別こだわりがないとき。


 そんな時には、一人称が「僕」になりがちです。


 なぜでしょうか。理由を考えてみました。



 一つ目は、女性の書きにくさです。


 自分が女性だからこそ、書くのが難しいです。


 そもそも、他の女性の気持ちが分かったら苦労しないのですから……


 その点、男性の場合は一歩引いた視点から見ることができます。


 まぁ、性別に限らず他人の気持ちは想像するしかないのですが……



 二つ目は、打ちやすさです。


 主人公の一人称は作中になんども出てきます。打ちやすさによって無意識に一人称を選んでいる可能性だってあるでしょう。


 考えてみたところ、「わたし」と打つよりも、「ぼく」と打つ方が楽かどうかは、微妙です。


 なぜなら、フリック入力の場合はどちらも3タップだからです。


 しかし、キーボードで打つ場合には「watasi」と「boku」で圧倒的な差があります。


 私はほとんどの執筆活動をキーボードで行うため、その点では、「僕」の方が楽だと言えるでしょう。ちなみにちなみになんですが、今この文章はスマホで打っております。フリック入力難しいです。


 ちなみに、「俺」や「うち」の場合はフリック入力、キーボード入力においてどちらも「僕」より少ない動作で打つことができます。


 しかし、この2つの一人称には圧倒的な欠点があります。


 それについてお話ししましょう。



 三つ目は、一人称への固定概念です。


 私は、一人称が「俺」の人物をほとんど書くことがありません。ーーいや、あるかもしれません。


 そして、「うち」に至っては書いたことがありません。


 なぜか。


 一人称への固定概念があるからです。


 例えば、悪役令嬢の一人称が「うち」だったらどう思うでしょうか?


 心優しい純粋な青年の一人称が「わし」だったら?


 そういう世界観、テーマ、ストーリーなら問題ありません。


 でも、違う場所に焦点を当てている作品で、一人称に違和感があるのは、もったいないと感じます。


 読者は、一人称に固定概念を持っています。


「俺」だったら気が強そう、「うち」だったら小さい女の子かな?「わたくし」なら、貴族か、育ちがいいんだろう……


 開幕から一人称で違和感を持たせる必要がない。それが、私の考えです。



 私の作品たちには、キャラクターに焦点を当てているのものもあれば、ストーリーからなる「伝えたいテーマ」に重きを置いているものもあります。


 そのような作品たちの主人公には、フラットな視点で接してほしいのです。


 いつも通り、現実にもいそうな子たちが、何を伝えるのかーー


 それを大切に思っています。


 だからこそ、主人公にはなんの固定概念もない状態で触れて欲しい。


 それが、私の作品中の一人称への思いなのかもしれません。

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― 新着の感想 ―
おおむねその通り、なんだけど連載とかでキャラが増えてくると中々そうも言っていられなくなるぞよ。 口調だけではなく一人称でもキャラ分けしていかなくちゃいけないから、大変なの。
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