初めてのお仕事
サイドストリート的なやつです
お父様に呼ばれた。
お父様に呼ばれるなんて人生初めてだ。
私ももう7歳だ、枢機卿として忙しいことは分ってる、でも私の洗礼の時も養成学校入学の時も会ってはくれなかった。
さみしくて、世話係に当たった事もある。
でも何も変わらなかったのに今更なんの用事だろうか。
モヤモヤとまとまらない考えをしているとお父様の部屋の前についた。
「ハルです」。
ノックして扉をあける。
中には渋い顔をしたお父様が顔も上げずに書類仕事をしてる。
部屋に入ってどうしようかと、しばらく入口で待っている。
そこでやっと目をこっちに向けて。
「何をしている、座れば良いだろう」。
怒られたわけではないが少し悲しい気持ちになる。
冷たい声だ、私は心のどこかで期待してたのだ、親子の触れ合いを。
父の優しさを。
「はい、失礼します」。
教わった通りの所作に気をつけて座る。
「最低限の礼儀はわきまえてるな」。
小さな声で何かにをお父様は言ってる。
「ハルにやって欲しい仕事がある、まだお前は幼い、本当はお前の姉のほうが適任だったのだが別の仕事を任せているからな」。
私に直接お前は適任じゃないなんて伝える必要は無いんじゃないだろうか更に気分が沈む。
「内容はとあるダンジョンで使徒様の降臨に成功した、その使徒様との連絡かがりと信頼の構築に努めてもらう」。
私は驚いた、使徒様は現在闇の教団で把握してるのは2人で3人目だ。
大役だそれなら私じゃなくてお姉様の方が適任なのも分かる。
「相手は男性の使徒様で、本人の話では高位の使徒様との話だ、教団もその可能性が高いとして対応に当たる予定だ、その第一の作戦としてお前の派遣がある頼むぞ」。
先程の沈んだ気持ちが嘘のように頷く
「かしこまりました、お父様」
私は期待されてる、こんな大役を任されるなんて。
「明日には出発してほしい、準備を急げ、連れて行くのはお前の護衛騎士四人だ」。
「はい」。
私は急いで部屋を出て準備を始める。
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「うまくやる気を引き出せたようだな、アイツの護衛騎士の2人は22歳と17歳の女性で見た目も良いのを選んでる、使徒様が気に入ってくれたらいいが」。
アビス枢機卿は悪い笑みをうかべる




