ロウの報告
ロウは自分に強化魔法と回復魔法をかけ続け、三日三晩休まず走り近くの闇の勢力が支配する街についた。
そのまま教会へ急ぐ。
「ロウ司祭様、予定よりお早いお帰りで何かありましたか?」。
すっかり疲れ果てているロウは端的に用件を伝える
「使徒様の件で戻った私はコレより身を清め休む明日アビス枢機卿と面会がしたい私の名前をフルに使って問題ない準備を頼む」。
声をかけてかた信徒は目を見開いて驚いていたが恭しくお辞儀したのを見てロウは言った通り行動を開始する。
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「アビス枢機卿、お時間いただきましてありがとうございます」。
洞窟暮らしで薄汚れた格好から、綺麗な面会ような衣装に着替えたロウは頭を下げ挨拶した。
「気にするな、今回の任務は重要な物だそれの報告があると言えば時間も空けるさ」。
時間を空けたとチクリと嫌味を言われたが重大な報告で気持ちがせいているロウ気づかない。
「早速本題無のですが使徒様の降臨は無事成功しました、嬉しい誤算なのですがかなり高位の使徒様が降臨されたようで今回は報告に戻りました」。
アビスは身を乗り出し続きを促す。
「使徒様は召喚された当日にダンジョンから出ることが可能性な程のお力をお持ちだったのです。
さらに私が自分に補助魔法をかけて随時回復魔法を使っていたのに追いつく事が出来ずに。
追いついた時は息も切れて居ませんでした」
「ロウ司祭は魔法だけでなく体術も出来たはず……流石使徒様だな」
ロウ司祭で駄目なら体術面だけを見れば最低限オークと単身で戦えるな、上限はまだ見えないが初日でダンジョンを出れるほどの力を持ってるのは驚きだが、体術面は使徒様ならオーク殴り飛ばせても驚かない、奴ごときに、筋力以外でかい豚だ。
ロウはアビスの思考に気づかず言葉を続ける
「ここからが重要なのですが、何と使徒様はご自身でも次使えるのがいつになるか不明とおっしゃいつつ、秘術を持ってダンジョンコアを3回強化したのです、この報告のために戻ってきました」。
アビスは立ち上がり驚く。
「まさか何ということだ、ダンジョンコアは主神様が我らに与えて下さる神器、1000年以上研究しても手がかりすら掴めないそれに干渉したのか」。
それほど高位の使徒様とは戦闘力だけじゃないもしも不快な思いをされて報告され闇の祝福を失えば背筋が寒くなる。
「使徒様にどれ程の格をお持ちか確認したのか?」
声が震えないように抑えて質問する
「いえ、使徒様方へその質問はタブーになっていますので名前も同じく聞いていません」。
「それでいい、この件は緊急で教主様を交えて御前会議をする」
一息置いて宣言する。
「ロウ司祭、この度の使徒様召喚、ご苦労であった、その功績を称え大司祭になれるように教主様にかけあおう、まず断られる事は無いとは思うが正式に決まるまでは、この教会に居てくれ」。
こうして京夜の小さな嘘が教団を混乱させて時間を作った。