夜の神
夜は好きだ昼間の騒がしさも熱気もセミもうるさくない。
夏の終わり俺、一橋京夜は羽音がしたので夜空を見上げた。
そこには夜を集めたような美しい鳥が飛んでいた。
【見つけた】
その声とともに世界が暗転した。
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気づくと、満天の星空の中にいる。
何も無いのに立ってる安心感のある不思議なものだ。
「やあ、適格者の一橋君、急に呼び出して済まない」。
そこには黒髪黒目の男性がいた。
「あなたは?、俺をなぜここに?」。
「私は夜の神、君には私の使徒として闇が強すぎる世界に行ってほしい、光の者たちも頑張っているが少し頼りなくてな」
その言葉は力強く、ちょっとした頼まれ事なら二つ返事で承諾しそうだが、今回はそんな内容じゃない
「待ってくれ、いきなりそんな事言われても、出来る事と出来ない事が」。
言葉途中で遮られる
「これは神の決定だ、人間に断ることはできない、たとえアルマゲドンが起きようよ受け入れるのが人の宿命だ」
神の言葉に俺は膝をつく。
これは変えられない、俺には逆らえない。
神はさらに言葉を続ける。
「だが私は闇の神でも混乱の神でもない夜の神だ、夜は必ず明けるものだ、我の使徒となれ、それが人の宿命を超える方法だ」。
これは酷い皮肉。
人間では抗えず、抗うためには言われた通り使徒になるしかない。
俺に選択肢など無い。
俺は膝をついた所から立ち上がり真っ直ぐ神を見つめて言った。
「わかりました、貴方の使徒となります」
神は満足そうに頷き優しく微笑む
その微笑みには先ほど私が感じた圧など無いような優さがある。
人間の範疇を超える神の思考に俺は恐怖すら覚える。
「怯えるな、そのうちわかる、それに悪いようにはしない、まず力を与えよう、それから肉体の強化、それからしばらく生き残るために必要な諸々を入れたマジックバック、これでいいだろう、ステータスと言って確認してみてくれ」
流石神思考を読まれたそれにそんなに悪い神でも無い雰囲気だ神が言葉を発した瞬間全てが起きた、力は分からなかったが、肉体の強化と言ったら体が軽くなり、マジックバックと言ったら俺手にバックが握られていた。
そして俺は言われた通りステータスを確認する
「ステータス」