米が食いたい
俺は転生者だ、前世の記憶どころか神を名乗るクソ爺にあの世らしい所で会って、異世界に飛ばされる理由も聞いた。
もっとも理由の方は忘れちまったがな。
でも理由を聞かされた時に色々特典を付けて貰える。
鑑定やマジックボックスに地図作成などを含めて色々と十数個の特典を貰えた。
だから転生した事に文句は無い。
文句は無いんだけど、生粋の日本人で毎日3食とも米を食っていた俺にとって米が無い食生活は耐えられない。
だから冒険者となって転生した国だけで無く、行ける限りの国々を巡り米を探した。
米を見つける事は出来なかったが、耳寄りな情報を聞き込む。
ある南方の国の沿岸部で、米のような白ぽい黄色の粒粒を食っていると言う情報だった。
俺は喜び勇んでその地に走る。
南方の国の沿岸部で出会った漁師に米は何処で手に入るか聞く。
すると漁師は「あれが食いたいなら家に泊まって行け、用意してやるから」と返事を返された。
漁師の家に泊まり米が出てくるのを待っていたら、漁師の連れの女が白が混じった黄色い粒々が入った丼を俺の前に置く。
此れは何だ? 米に似てはいるが米じゃ無い、だから女に尋ねる。
「此れは?」
「クラーケンの卵でここらでタコまんまって言われてる食い物だ。
なんでそう言うのか知らんけど、最初に此れを食った奴がそう言ったからそのままタコまんまって呼ばれてるんだよ」と返事が返って来た。