3:旅ってか、水着の準備①
水曜日の定休日、ウィルとフォン・ダン・ショコラたちと一緒に買い物に出ることにした。
「とにもかくにも、水着よ水着!」
「わーい! みずぎぃ!」
「ん」
まずは、洋服屋さんから。水着を売ってるかは、定食屋によく食べに来てくれている、洋服屋のアニタさんに事前に確認しておいた。男性や子ども用はもちろん、エロエロから貞淑系までいろいろとあるらしい。
「こんにちは」
「「こんにちはー!」」
「いらっしゃーい! チビたちも来たか!」
アニタさんは鬼人のせいなのか、何かと豪快だ。ただかわいいものがものすごく好き。なので、フォン・ダン・ショコラを見るといつも頬を綻ばせてている。
そんなアニタさんに頭をわしわしと撫でられて、フォン・ダン・ショコラたちは尻尾を振って大喜びだった。
「ミネルヴァちゃんのはここらへんで、チビたちはここらへんにあるからね」
水着コーナーに案内してもらった。言っていた通りに、エロエロ系から貞淑系までよりどりみどりだった。
フォン・ダン・ショコラたちは、子供用のでいいだろうということで、先に見ることにした。
「フォン・ダン・ショコラ、どれ気に入ったのあった?」
「うーん……わかんなぁい」
「ボクはこれかこれ? あ、おそろいがいいな」
「オレ、ちがういろがいいぞ」
ショコラは、迷って決められないようだった。
フォンは、わりと好みがハッキリしていて、ラッシュガードみたいな上着とボクサーパンツタイプのセットか、白黒ストライプで半袖半ズボンのツナギタイプがいいらしい。
ダンは、お揃いでいいけど、色違いがいいらしい。
「白黒ストライプ……めちゃくちゃ可愛いわね……」
ボソリと呟いたら、アニタさんがブンブンと頭を縦に振っていた。
「色違いはスカーフとサンダルとかの小物にしたらどお?」
「いいっ! それ、いいっ!」
「オッケー。在庫見てくるわね」
「あ、色は――――」
「黄緑、水色、ピンクでしょ? 推しの色くらい把握してるわよ!」
――――推し。
アニタさんがドヤ顔でサムズアップしてバックヤードに消えて行った。なんか輝いてる。推し活ってやったことなかったけど、なんか毎日が充実してそうだなぁ。
もし推すなら誰を推そうかなぁ? おじいちゃんとか? 毎日来てくれるし…………いや、ないか。
碌でもないことをポヤポヤと考えていたら、アニタさんがものすごいスピードで走って戻ってきた。
「ゴルルルルラァ! アニタ! 店内を走るな!」
「ごめーんとぉちゃん」
「店長と呼べ!」
「へいへい」
アニタさんのお父さんというか店長さんがめちゃくちゃ怒ってるのに、アニタさんの返事が軽いこと。そして、両腕に抱えて来たものをドサッと他の商品が並べられている棚の上に置いてしまった。
――――あ。
案の定、また店長さんに怒られていた。





