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【2巻 10/10発売☆】魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/171

80:のんびりおしゃべり。

 



 ペペロンチーノを食べて大満足の魔王だけど、口が臭い。


「……流石にちょっと傷つくぞ?」

「いや、どうあがいても臭いもん」

「…………ふん」


 魔王がふいふいっと指を動かしたら、ニンニク臭がさっぱりと消え去ってしまった。

 また魔法か! ほんと便利だねぇ。


「…………ふんっ」


 魔王の俺いじけてますアピールが凄い!

 リビングに移動するよと声をかけると、そそくさとついてくるんだからちょっと可愛いけど。

 ストックで置いていたクッキーをテーブル出し、紅茶を二人分淹れて、置きっぱなしにしていた本と一緒にソファにゴロン。

 うつ伏せでペラペラとページを捲って前回読んでいた場所を探す。

 魔王はストレージから何かを取り出して、書き物を始めた。


「なにしてんの?」

「ん? 書類にサイン」

「ほへぇ。仕事?」

「ん。早めにサインほしがるからな。執務室の転送箱に置かれたら、ストレージに来るよう設定した。ヨルゲンが」


 ――――ヨルゲン?


「お前は……人の名前をちょいちょい忘れるよな」

「なぜバレた」


 明らかにキョトーンとした顔をしていたらしい。令嬢とかやってたのに、感情がバレバレって拙くない?

 で、ヨルゲンって誰なのよと聞いたら、ナマズのおじいちゃんだった。そいや、そんなカッコイイ名前だったね。


 しかし、おじいちゃんって本当に凄い人だったんだよね。

 ん? そういえば、魔王が初めてウチのお店に来たときって、ヒヨルドの格好だったよね? おじいちゃんと顔見知りじゃなさそうだったけど、ヒヨルドはおじいちゃんに仕事を頼もうとしてたんだよね?

 なんで初対面みたいな感じだったのかな?


「あー。ヒヨルドが門前払い受けてたからだな」


 ――――門前払い?


 おじいちゃん、受注しないタイプの頑固発明家?らしく、心底気に入ったものじゃないと裏から顔も出さないらしい。

 そういや私のときもそんな感じ……で、直ぐ出てきたね。かき氷ウマウマしてたね。


「ん? でも、魔王は知ってた?」

「名前と顔くらいはな。二〇〇年前くらいは、あのジジイまだもうちょっとアクティブだった」

「……アクティブ」


 おじいちゃん、ほぼ毎日のようにウチに来てるけど?

 酷いと、って言い方もどうかと思うけど、日三回とかの日もあるけど?


「…………あいつそんなに入り浸ってたのか。暇なのか?」


 まぁ……暇なのと、私から前世の調理具ネタを盗もうとしてる感、かな?

 『なーなー、面白い道具思いつかんかのぉ!?』とかカウンターのど真ん中で素面でくだを巻いてるし。


「暇そうだな……」

「……まあね」


 自由なおじいちゃんを思い出して、クスクスと笑って、クッキー食べて、また読書。

 ペラリペラリと捲れるページの音と、魔王がペンを走らせる音。

 とても静かで落ち着く。

 



ではお昼に!

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◇◆◇ 10/10発売! ◇◆◇


魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~ 2
書籍表紙


表紙&挿絵は『犬月煙』先生っ!
2巻の表紙もきゃーわゆいのっ!そして、フォン・ダン・ショコラたちのあのシーンやあのシーンががががが!めちゃくちゃヨダレ出るからね!!!

※書籍化に伴い、タイトル・内容・キャラクターなど、大きく変更しております。

♣ ネトコン12受賞 ♣
双葉社Mノベルスf様より、2巻は電子のみでの発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ 双葉社

▷▶▷ amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[一言] ジイサマ………w 和むわw こっちを後に読んで癒されてます(*゜д゜*)
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