79:ペペロンチーノの正式名は長い!
ベッドでダラダラとしていたら、遅めの朝ご飯を通り過ぎて、普通のお昼ご飯の時間になっていた。
めちゃめちゃお腹へった。
「昨日の残り食べる」
「タコス?」
「ん」
気に入ったことと、少し残してたから全部食べたいそうだ。それは構わないけど、タコスだけだとそんなに足りないな、って位の量しか残っていなかった。
となると、何か作りたいところ。
ササッと作れるのはパスタかなぁ。
鍋でパスタ麺を湯がきつつ、横でフライパンにオリーブオイル的な油……つまりはオリーブオイルを引く。そこにスライスしたニンニクを入れてから火にかける。
油が冷たい内にニンニクを入れるのは必ず! 温めてから入れるとすぐ焦げて油に匂いが移らないからね。
にんにくがきつね色になってきて、もう一歩ちょいで焦げるってくらいが私の好み。引き上げが遅れると本当に焦げるからなかなかにチキンレース。
ニンニクを取り出したら鷹の爪のよう…………鷹の爪!を入れる。一分ほど熱したら鷹の爪も取り出して、アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの完成。この油の名前がこの長ったらしいやつ。
麺が茹で上がったら、茹で汁をオイルに入れてガシガシとかき混ぜて乳化させる。いわゆるドレッシングとかマヨネーズとかと一緒の現象。
そこに麺と取り出していたニンニクと鷹の爪も入れてガッシガシとまた混ぜる。
お皿に盛って、パセリを散らせばスパゲッティ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノの完成。
名前が長い! なので、ペペロンチーノの完成っ!
「ニンニクのパスタだと言うからちょっと怖かった。ニンニクの匂いが思ったよりしないというか、投げつけられたやつと違って、香ばしくていい匂いだな」
「ちょ? いつも投げつけてるみたいに言わないでよ。投げつけたの一回じゃん!」
それほどまでにニンニクペーストボムは強烈だったとかなんとか言ってる。煩いよ?
「ん、いただきますうまい」
いただきますからの美味いが早いな。口に入れた瞬間言ったけど、本当に? ちゃんと味わかってるのこの人?
物凄い速さで麺が消えてくけど、噛んでる? いや、そんなに巻いて口に入るの…………入ったね。思ったより入ったね。頬がパンパンだけど入ったね。うん。子供かな!?
あ、タコスも間で食べるのね。
「ああ、ほら、濡れ布巾!」
サルサの汁で手をベタベタにした魔王に濡れ布巾を渡すと、モゴモゴ言いながら受け取って手を拭いていた。
多分『ありがとう』なんだろうね。子供かな!?
ではではまた明日ぁぁ





