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【2巻 10/10発売☆】魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

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76:ドッグフードとタコス。

 



 魔王と瞬間移動で家に帰ってきた瞬間だった。

 ドッタドタ走る足音とビュンと飛んでくる毛むくじゃらの物体。


「「わふぅぅぅぅぅ!」」

「グエッ」


 なぜかフォン・ダン・ショコラに体当りされた。何でだ、酷いな。一週間ドッグフードにするぞ。

 

「「わっふわっふぅぅ!」」

「ん、ああ。ただいま。ん、仲直りした」


 ちょい待ちフォン・ダン・ショコラくん?

 チミたちは、魔王と私がどうなったかを気にしていたのかね。そして魔王が家に来たのが嬉しいのかね。尻尾がもげそうなくらい振られてるけども。

 ほんで、飼い主に体当たりカマしたのかね? ほほお。ほほほん?


「……一週間、ドッグフードね」


 フォン・ダン・ショコラを飼い始めた当初、食べるかなと思って買ったドッグフードが貯蔵庫に置かれたままだからね。アレ食え。


「「クキュュュン」」

「……普通に鬼畜だな」

「なにか言ったかな? うぃるふれっどくぅん?」

「何も言ってない。フォン・ダン・ショコラの通訳しただけだ」


 魔王がそういった瞬間のフォン・ダン・ショコラの顔は、犬(?)なのにめちゃめちゃ絶望感にあふれていた。


「ブッ! あははははは!」


 お腹を抱えて、涙目になるほど笑ってしまった。面白かったから許してあげよう。


 貯蔵庫に行って、タコスの具材たちを持ってダイニングテーブルに並べていたら、フォン・ダン・ショコラがキューンと鳴くので何だと思ったら、炒めた牛ミンチを見てドッグフードと勘違いしたらしい。


「いや違うからね!?」


 何故か魔王もホッとしていた。お肉のいい匂いがするのに、何で見た目だけでドッグフード扱いなのよ!




「「いただきます」」


 二人で向かい合って言う、いただきます。凄く凄く久しぶり。


「先ずはね、タコス生地の真ん中にレタス置いて――――」 


 二十センチほどのタコス生地の上に、ふわっと掴むくらいのレタスを置き、ミンチ肉をスプーン三杯ほど、そこにサルサを同じくスプーン三杯ほど乗せて、半分に折りたたんで、ガブリ!


 サルサの汁でちょっと手が汚れるくらいは気にしない! ちゃんと大きめの濡れ布巾をそれぞれに用意してるからね。


 一口目、サルサの酸味とほのかな甘み、そして唐辛子の辛味がガツンと来て、肉の旨味がぶわりと広がる。

 咀嚼して飲み込むと、フワッとコーンの甘い残り香が鼻の奥をくすぐってくる。

 複雑でいてまとまっているこの不思議な食べ物。もう一口、もう一口と食べてしまい、気づいたらタコス四個とかぺろりと食べてしまっている、恐ろしい食べ物なのだ。


「色んなトッピングも楽しくてね、子供向けのケチャップやマヨネーズ、チーズとかも美味しいよ」

「んむむ、ふむ、ん!」

「……飲み込んでから喋りなよ」

 

 魔王が物凄い速さで食べ進めながら、何かを言っているけど、全くわからない。ずっとモゴモゴ言いながらタコスを食べていた。




ではでは、またあしたーっ!

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◇◆◇ 10/10発売! ◇◆◇


魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~ 2
書籍表紙


表紙&挿絵は『犬月煙』先生っ!
2巻の表紙もきゃーわゆいのっ!そして、フォン・ダン・ショコラたちのあのシーンやあのシーンががががが!めちゃくちゃヨダレ出るからね!!!

※書籍化に伴い、タイトル・内容・キャラクターなど、大きく変更しております。

♣ ネトコン12受賞 ♣
双葉社Mノベルスf様より、2巻は電子のみでの発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ 双葉社

▷▶▷ amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ シーモア

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