75:食べたい。
なんやかんやと、言い合いしつつ、歓談もしつつ、ヒロイン(妹)とはまた遊ぼうねと約束しつつ、夜会をお暇することになった。
「じゃ、またね!」
「はい! お姉様、またお手紙下さい!」
王太子がなんでそんなに仲良しになっているんだ……とか嘆いていたけど無視無視。私も分からん!
魔王城の私が借りている部屋にヒュンと瞬間移動。
いやぁ、魔王って便利だわぁ。
「……ふぅ」
珍しく魔王が溜め息を吐いてるけど、どうしたんだろうか?
「腹減った。この数日で魔力使いすぎた」
どうやら瞬間移動を繰り返していたので、魔力がごっそり減ったままなのだとか。人間界には魔力の元となるマナ(って何なのよ?)が少なめだから、人間界にいるとあまり魔力が回復しないのだとか。
つまりは、前世でいう高い山のとこに行くと、酸素が薄くて、普通の平地にいる人は息がすぐに上がるとか、疲れやすくなるとか、そういうのと同じっぽい。
へぇ、大変ねぇと同調しつつ、侍女さんたちに着替えの手伝いをお願いしていたら、魔王がジッとこちらを見つめて来ていた。
「着替えるんだけど?」
「それ以上の姿も見ている」
「……しばくぞ?」
「スミマセンデシタ」
魔王がとぼとぼと歩いて、隣の部屋に繋がっているらしいドアから消えてった。
「ねぇねぇ、そういえば隣の部屋って何なの?」
侍女さんたちにコルセットを外してもらいつつ聞くと、全員がキョトンとした顔になった。
「隣は、主寝室になります」
「………………あ。理解」
ここの部屋にベッドがあるのに、隣の部屋が主寝室。
多分、その更に隣の部屋が魔王の私室。
つまりは、ここは魔王の妻になる人用の部屋。
魔王って本当に馬鹿ね。
あんな関係になっていたのに、部屋はこんなところを使わせたり、変に怖がって距離を取ろうとしたり。
そんなところが、可愛いと思ってしまうんだからどうしょうもない。
着替えを終えて、魔王に魔界の家に返してとお願いした。
ちょっとしょんぼりした顔なんてしないでよ。
「家で何か軽く食べましょうよ」
「っ、ん。タコス? 作ったと言っていたヤツを食べてみたい」
「えー? 夜中なのにぃ?」
夜会が終わって着替えたりなんたりで、既に夜中の一時なのよね。
タコスとなると結構な高カロリーな気が。
「駄目か?」
「うーうん。いいよ、食べよ」
食べたいオーラ全開の魔王が可愛いから、カロリーは無視して一緒に食べてしまおう。
ご飯は、誰かと一緒に食べたほうが美味しいもの。
では夕方にー。
あ、新連載始めました。脳みそが、プスプスしてます(泣)





