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【2巻 10/10発売☆】魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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61:馬鹿!

 



「おまっ…………」

「やほー。お城に入れて?」

「はぁぁぁ。ついて来い」


 目を見開いて固まるひょろモヤシなヒヨルドに右手を上げて挨拶すると、どデカい溜め息を吐かれた。

 お城の中には入れてくれるらしい。


「戻ってきて良かったのか?」

「なんで?」


 お城の中を歩きながら、ヒヨルドが少し心配そうな声で聞いてきた。


「いや、普通に人間界で過ごせるんなら、それに越したことはないんじゃねぇの?」

「そう、かなぁ? 私はこっちの方が好きよ?」

「…………ふぅん」


 ヒヨルドは素っ気ない返事しかしなかったけど、耳がピルピル動いてるから、ちょっと嬉しいのかも?

 なんでそんな格好なんだと聞かれたので、歩いて魔界入りしたと伝えると、ドン引きされた。


「いやほんと、ミネルヴァの行動力はすげぇわ」

「褒めてる?」

「褒めてる褒めてる。ほら、執務室に着いたぞ。オイ、魔王! 客が来てんぞ」


 ヒヨルドが何のモーションもなく、執務室のドアを開けた。ノックとかしないんだ? しかも呼び掛けが雑。


「――――面会の予定はなかったはずだ。今は忙しい。待たせておけ」


 顔をこちらに向けることなく書類に何かを記入しながら、魔王が低い声でボソリと言い放った。

 ほぉん? そういう態度なんだ?


「だとよ?」


 ヒヨルドがニヤリと笑いながら私を見る。

 ヒヨルドが無言でぺぺッと手を払って、魔王の執務室内にいた使用人ぽい人を追い払うと、ヒヨルド自身も執務室から出ていった。二人きりにしてくれるらしい。

 二人きりになったのに、魔王はまだ書類を書き続けている。

 これ…………私って気付いてないパターンだよね?


 コソッとポケットを漁り、ガーリックペーストボムを手に取る。

 

 ――――ていやっ!


 レッドペッパーボムにしなかったのは優しさだと思えこんちくしょう。


「――――ぐあっ!? 臭っ。は!? え……は?」


 きょとんとした顔の魔王。

 部屋がめちゃくちゃニンニク臭いのは置いといて、取り敢えず魔王の度肝を抜くことには成功した。

 

「ルヴィ……………………?」

「バーカ! 魔王のバーカ!」


 オニオン汁ボムを投げつける。臭っ。


「魔王のバカ!」

「…………ルヴィ?」

「バーカ! ヘタレ! すかぽんたん! おたんこなす!」

「どうやって…………なんで、ここにいる?」


 魔王はニンニクと玉ねぎまみれになってたけど、ただポカンとしていて、私がここにいるのが理解できていないようだった。




ふぁぃ、では明日。

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◇◆◇ 10/10発売! ◇◆◇


魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~ 2
書籍表紙


表紙&挿絵は『犬月煙』先生っ!
2巻の表紙もきゃーわゆいのっ!そして、フォン・ダン・ショコラたちのあのシーンやあのシーンががががが!めちゃくちゃヨダレ出るからね!!!

※書籍化に伴い、タイトル・内容・キャラクターなど、大きく変更しております。

♣ ネトコン12受賞 ♣
双葉社Mノベルスf様より、2巻は電子のみでの発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ 双葉社

▷▶▷ amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ シーモア

― 新着の感想 ―
[一言] 違う意味で、涙涙の再会っすなw
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