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【2巻 10/10発売☆】魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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76:八年が経ち……




◇◇◇◇◇



 おじいちゃんとちょこちょこ進めていた冷蔵庫の開発。完成形は前世のものに近い感じで、上段が二つ扉タイプの冷蔵室、下段が引き出しタイプの冷凍室二段にしてもらっていた。

 この冷凍室のおかげで、デザートやアイスクリーム作りが格段に楽になった。確かにウィルがいたら速いんだけど、こっそり作りたい時だってあるのだ。

 あと、ちゃんとしたレシピを覚えてなくて、トライアンドエラーしたいときとか。

 ウィルって、失敗作も食べたがるのよね。嬉しいんだけど、ちょっと恥ずかしいという気持ちで複雑な気分なのよね。


「さて、そろそろ冷めたかしら?」

「ルヴィちゃん、座って作業してよ」

「はいはーい」


 妊娠して八年。なんだかやっと出産に近づいているらしい。


 フォン・ダン・ショコラたちは随分と成長して、もう私の肩くらいまで大きくなってしまった。そして、言葉も詰まることなく話せるようになっている。

 随分とお兄ちゃんになってきたものだ。

 それなのにお腹の中の娘といえば、まだまだ眠っていたい気持ちと、出て来たい気持ちで揺らいでいるとかで、随分とのんびりした子のよう。

 それでも最近は、胎動が激しくていわゆる臨月になっているのだとか。

 当初は長くて三年くらいかなとか思っていたけれど、いつの間にか倍以上の時間が経っていた。


「うーん。なんだかんだで下準備を始めたけど、終わっちゃったわね」

「ルヴィちゃん、僕たちだけでお店やってみたい」


 育児中は、営業できそうな日だけ営業するスタイルにしようかなと思い、メニューを少し絞ってストック作りをしていた。

 そのストック作りも終わって、お客さんの少ない四時にちょっと暇を持て余していたのだけど、そこでフォンからまさかの提案というか、お願いされた。


 フォン・ダン・ショコラたちは、一〇年以上も定食屋のお手伝いをしてくれている。ほぼメインの従業員だし、割と私がいなくてもちゃんと接客出来ている。


 フォンに至っては数年前から、オムライスを作ってみたいとか、唐揚げを揚げてみたいとか、お魚の焼き方を教えてとか言うようになってた。

 料理に興味があるのか、お小遣いで本を買ったり、私に聞いたレシピをノートに書いたりしている。


 ダンはどこまでも味見専門だけど。相変わらずぶっきらぼうな接客は、割と受け入れられている。

 なんだろう、たぶんみんなやんちゃしている孫を愛でているような目線。


 ショコラは、デザート系はよく作りたがっていて、一緒にあーだこーだー言いながらクッキーの型抜きしたり、チーズケーキにかけるソースを争って、じゃんけんしたりしている。


 もしかしたら、三人で協力したらお店をやれるかも?

 誰よりも真面目で、ちょっと我慢癖のあるフォンのお願いは、叶えてあげたい。


「もし、ダンとショコラもいいって言ったら、来週の月曜日、三人でやってみる?」


 比較的お客さんが少ない月曜日なら、もしかしたら回せるかもしれない。

 今日は金曜日、土日で役割決めをして実際に動いてみて、月曜日に本番にしてみようかとフォンに聞くと、ブンブンと尻尾を振って喜んでいた。




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◇◆◇ 10/10発売! ◇◆◇


魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~ 2
書籍表紙


表紙&挿絵は『犬月煙』先生っ!
2巻の表紙もきゃーわゆいのっ!そして、フォン・ダン・ショコラたちのあのシーンやあのシーンががががが!めちゃくちゃヨダレ出るからね!!!

※書籍化に伴い、タイトル・内容・キャラクターなど、大きく変更しております。

♣ ネトコン12受賞 ♣
双葉社Mノベルスf様より、2巻は電子のみでの発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ 双葉社

▷▶▷ amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ シーモア

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