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61:ドライアドの森

 




 中華料理を堪能したあとは、馬車が来るまでの間に町中散策。


「あっ、ごま油!」


 ごま油があると色々作れるし、料理の幅が広がるのよね。ラー油とかも…………って、そうよ、食べるラー油! 食べるラー油が作れるんじゃん!

 もうこの時の私の脳内は『食べるラー油』一色になっていたらしく、ブツブツと呟きながら買い物をしてて怖かった、と後から言われた。

 その場で止めるなりツッコミ入れるなりしてちょうだいよ。




 馬車に乗って揺られること数十分。

 深い森に到着したときに、ウィルがここで降りるといい出した。何やらフォン・ダン・ショコラたちのことでなにか考えがあるらしい。

 

「ここってどんなところ?」

「ドライアドたちの住処だ」

「ドライアドって……木の精霊みたいなのだっけ?」


 確か前世のファンタジーな世界でよく出てきていた気がする。人型っぽいパターンと、完全に木のおばけっぽいパターンと、服着てるパターンと着てないパターンとあった気がする……どれ!?

 一人でアワアワしていたら、ウィルが笑いのツボに入ったらしくて軽く吹き出したあと、プルプルと震えていた。


「なによぉ」

「ん。お前の脳内はいつも平和だな」


 褒められてるのか貶されてるのかよく分からない。ウィルは「褒めてるんだよ」と言いつつまだ笑ってるので、信用はできない。

 思っていたよりも涼しく爽やかな匂いに包まれた森の中を、ウィルについて歩いていると、一〇代くらいの女の子たちが遊んでいる広場に到着した。


 女の子たちは白いワンピース姿で、みんな緑の髪の毛に緑の瞳、うっすら緑色の肌。そして、背中に羽のように木の枝を生やしたり、角のように木の枝を生やしたりしていた。

 他の子たちより少し年上に見える子が悠然と歩いてこちらに近付いてきた。

 木の枝は腰から生えていて、それをドレスのスカートのように編み広げられていた。


「魔王じゃないかえ。なにしに来た」

「頼み事がある」

「ふむ」


 女の子がこちらを見て笑みを深めた。そして「これはまた、魔王の魔力が気持ち悪いくらいに染み付いとるえ」と言いクスクスと笑い出した。


「チッ……そっちじゃねぇ」

「ん? あぁ、犬っころのほうかえ?」

「ああ。好きなだけ吸い取ってくれ」

「んふふふふ、何があってここまでなんだんだえ? たまには面白い話でも聞かせてくれ」

「……はぁ」


 ウィルと女の子でどんどんと話が進んでいるけれど、いったい何のことを話しているのかが分からなかった。

 とりあえず、緑の女の子たちはドライアドなんだろうなぁってことはわかる。

 魔王の魔力が染み付いてるのは私のことらしい。

 犬っころというのはフォン・ダン・ショコラだろう。で、結局は何の話なのぉ!?




再開お待たせしました。

風邪っぴきから徐々に復活しております_(꒪ཀ꒪」∠)_

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