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【2巻 10/10発売☆】魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~  作者: 笛路 @書籍・コミカライズ進行中


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26:ちんたらなコース料理

 



 荷物の片付けを終えて、お義父さんの待つリビングスペースに向かうと、フォン・ダン・ショコラたちが人型に戻っていた。何やらお義父さんと楽しそうに話している。


「――――だよ! すごく、おいしいの」

「そうかそうか。それはすごく楽しみだねぇ」

「うん! あっ、るゔぃちゃん!」


 ショコラがパタパタと駆け寄ってきて、腰にドーンとしがみついてきた。ゆっくりと頭を撫でてあげると、ピルピルと耳を動かし喜んでくれる。うむ、可愛い。

 

 なにを話していたのかと聞けば、唐揚げの話だった。どうやら明日のお昼は唐揚げ確定らしい。

 

「唐揚げか? 持ってるが?」

「…………ストレージに?」

「ん」


 いやまぁ、ストレージってそういう役目だけどさ、いつから持ってるんだ。いつのだ。っていう気分にはなるよね。

 仕事が立て込んでいるから魔王城に持っていく、とか言ってストレージに入れることはちょくちょくあるので、その時のものだろうけど。

 

「くっ……そそられるが、明日の楽しみにしておくよ」

「はーい」


 ウィルが小さく舌打ちしたので、お義父さんをストックで丸め込もうとしていたんだろうな。

 理由はなんだろうか? 夜にでも聞くかなぁ。




 夕食のためにダイニングルームに移動した。そこは、とても豪華な空間で、またもやお義母さんの絵が飾られていた。今度はウィルであろう赤ちゃんを抱いた姿。


「綺麗ですね」

「うん。見た目もだけれど、心もとても綺麗な人だったよ」


 お義父さんが懐かしむように緩やかに微笑んだのを見て、いつか死がウィルと私を分かつとき、こんなふうに微笑むことの出来る関係でありたいなと思った。

 まだまだ先だと思いたいし、やっぱり凄く辛いんだろうけど、後悔のないように生きたい。


「さ、席に着いて食事にしよう」


 お義父さんのその言葉とともに、給仕さんたちがテキパキと動き出した。

 まずは食前酒から。フォン・ダン・ショコラたち三人は、大人の仲間入りだとか喜んでいたけれど、それはぶどうジュースだよ。まぁ、楽しそうだからいいけど。

 そのあと、前菜やスープと続き、トマトの冷製スープに舌鼓を打っていたら、ダンがなんで一皿ずつちんたら持ってくるんだ? と首を傾げていた。


「コース料理だから、ひとつのお料理をゆっくりと堪能していくのよ」

「「へんなの」」

「へんー」

「そういえば三人ともコース料理は初めてだっけ」


 お義父さんにフォン・ダン・ショコラたちが失礼なことを言ってすみませんと謝ると、クスクスと笑って三人にいいことを教えてあげるよと言った。


「私もちんたらしててそんなに好きじゃないんだがね、我慢した末に届くんだよ?」

「「なにがとどくの!?」」

「ぶ厚くて柔らかーい、お肉! しかも食後には甘ーいお菓子まで!」


 お義父さんがニンマリしてそう言うと、フォン・ダン・ショコラたちがワウーッと遠吠えした。人型のときでも、興奮すると時々吠えている。本能からではなくて、遊び感覚でだけど。

 ケルベロス型の時に私が一緒に吠えていたので、吠えるものと思っていそうで怖い。

 だけど三人が楽しそうなので止めないし、なんなら私も吠えておく。


「わうーっ!」

「あはは! ワウーッ!」


 お義父さんも楽しそうに参戦し、ウィルはするかなと期待を込めて見たら、アイアンクローされた。チェッ。




本日、同時に更新しておりましたアイスちゃん完結しております!

美味しいアイスとヘタレで可愛いヒーロー用意してますんで、ぜひ!

https://ncode.syosetu.com/n2635ka/

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◇◆◇ 10/10発売! ◇◆◇


魔王様の餌付けに成功しました ~魔界の定食屋で悪役令嬢が魔族の胃袋を掴みます~ 2
書籍表紙


表紙&挿絵は『犬月煙』先生っ!
2巻の表紙もきゃーわゆいのっ!そして、フォン・ダン・ショコラたちのあのシーンやあのシーンががががが!めちゃくちゃヨダレ出るからね!!!

※書籍化に伴い、タイトル・内容・キャラクターなど、大きく変更しております。

♣ ネトコン12受賞 ♣
双葉社Mノベルスf様より、2巻は電子のみでの発売です。
ぜひぜひ、お手元に迎えていただけると幸いです。

販売店舗一例としてリンクボタンを置いておきます。


▷▶▷ 双葉社

▷▶▷ amazon

▷▶▷ honto

▷▶▷ シーモア

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