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さらばアホ王子1

 昨日の婚約破棄騒動の後お父様であるグランデュール公爵とはまだ会っていない。宰相としてではなく一父親として陛下とを詰めてるんだろうなぁ…


実はお父様は5歳の頃から陛下の話し相手としてずっと陛下を支えて来た親友であり忠誠を誓う臣下だったりする。

二人きりの時は砕けた話し方をしているのも知っている。


でも確実に今日お父様と会うことになると思う。

陛下はなんとしてでも婚約破棄を止めたいだろうけど、私はこの回って来た好機を絶対逃したくない!

アホ王子の嫁()()()ずっとなりたくなかった。

ライラ嬢には悪いけど、ヒロインとして頑張ってもらおう。



「お嬢様、朝食をお持ち致しました」


いいタイミングでテティがきた。


「テティ、お父様は帰って来た?」

「まだ帰って来ておりませんがお手紙をお預かりしていますよ」


テティから渡された手紙の内容は婚約破棄が決定したこと、お昼には帰ることが書いてあった。

これはお父様も怒ってるわね。なんだかんだ陛下はお父様に正論を言われると強く言えない節があるから今回もきっとそう。


自分の父親であまりこういう事考えたくないけど前世で私はこの二人いいカップリングだと一冊だけ同人誌を出した事がある。


「お嬢様お顔が崩れております」


テティに言われて自分が妄想してニヤついていたことに気づく。いけないいけない!


朝食を食べながら婚約破棄の書類と共に提出しようと思っていることの内容を考える。



「私ね、実はもう結婚しないて領地に帰ってやりたい事始めようかなっておもってるの。だからこの婚約破棄で慰謝料をたんまりふんだくろうと思うんだけどどう思う?」


「侍女に聞いてどうするんですか。でも幼い頃よりお嬢様の近くでお世話をさせてもらっている私からしましたら慰謝料はふんだくっていただかないと。お嬢様は我が国で3番目に高貴な身分の女性なんですから」


ダイアン国には王子様二人しか生まれず姫様がいない。さらに公爵家はグランデュール家しかいない。したがって私は公女様というものになる。

独身女性の中で1番高貴な身分の女性がこの私になってしまうのだ。

所謂乙女ゲームあるあるの悪役令嬢という立場に転生したわけ。


ゲームでは悪役令嬢のその後は平民になってしまうけどすでなか話は変わっている。という事は、私はまだ人生好きなことをして生きていけるという事。

ありがたいことに地位も資金も潤沢な家に生まれ、兄二人と妹一人の私一人が結婚しなくてもなんてことない素晴らしい環境!!


これからのことを考えてつい顔がニヤついてしまう。テティの眉間に皺が寄っているけど今はそれどころじゃないわ。


食べ終わった朝食をどけてもらい紙と羽ペンを手にスラスラ書き始める。

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