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突然ですが、婚約破棄されました

初めまして。人生初の小説なので誤字脱字にまずは気をつけます。

ざわつく広いダンスホール。綺麗なブランドの髪を綺麗にカールさせて煌びやかなドレスに身を包む少女と、その少女を睨みつける身分が高い事を誰が見てもわかる風貌の青年が背中で黒髪の少女を庇うように立っていた。


「リリアナ・グランデュール、貴様との婚約を今この瞬間を持って白紙とする!!!」

「お、おまちください殿下!私は…」

「良い、レイラ。何も言うな。そなたは私の横で堂々としていろ」


はい?いやいや、何言ってるの?まわりをみてみなさいよ。このダンスホールにいる皆んなが呆れたように肩をすぼめたり青ざめたりしている。それもそのはず、私リリアナ・グランデュールはダイアン国の筆頭貴族の頂点とも言えるグランデュール公爵家の令嬢だ。

ダイアン国国王陛下とその右腕の宰相である私の父が結んだ婚約なのだから簡単に王子殿下であっても婚約破棄などできないのよ。

でも…このアホ殿下が嫌いで仕方なかった私からしたらとってもラッキーな事だわ!

(これで地獄のような妃になるための授業からもさよならできるなら…自分のやりたい事ができる!)


「殿下、お話はわかりました…」

顔を上げて殿下のすぐ近くまで歩いていく。

そしてコソコソっと殿下の耳元で囁くように話し始める。

「私たちだけできめていいお話ではありません。しかしお父様に私からもお話しを致します。殿下が私の要求を受けていただけるなら…ですが。」

「なっ!!貴様、私を揺すると言うのか?」

「いいえ、違いますわ。今このダンスホールに殿下の味方はどのくらいいますか?皆様のお顔をよくご覧になることですね」


勢いで自分勝手に事を荒げていた殿下が周りを見渡し、群衆が味方してくれてると思っていたのか焦り始める。そりゃそうだ。だってまだ殿下ですものね。


「殿下?私の要望うけいれていただけますか?」

こそっとまた殿下へ問いかけた。

「ぐ……わかった!要求を飲もう!」


あー、もう!顔がにやけるのを止められない。

「ありがとうございます!では後ほど婚約破棄の文書をお届けしますので、明日までに揃えてくださいませ」

この一連の話は周りの群衆には聞こえていないので最後くらいはとおもいしょんぼりしたようにメソメソしながらダンスホールを出た。



――――――――


「あーーーー!!すっきりした!」

自室に帰るなり服を脱ぎ捨てベッドへダイブ。



「しかしお嬢様、婚約破棄なんてしてしまったら次の結婚相手が見つかるかわからないですよ」


 中身はアレですけど見た目、所作、作法全てにおいてこんな完璧な方はこの国にはいないんですよ。とテティがブツブツ言っている。


「そんな事地獄のような特訓を強いられていた私が一番わかってるわよ」


そう、朝起きてから始まる妃教育という名の地獄の一日…

起きてから朝食までに三時間かけて身支度を整えてもらう。

 朝食は肋骨折れるギリギリまでコルセットをしているので惜しみつつ数口程度。そこから四時間勉強をして昼食。その後また四時間のマナーやダンスの練習と勉強。たまに婚約者の殿下に会いに登城したり、王妃様のサロンや令嬢たちのお茶会に参加。夜ご飯を食べたら一時間の予習をして就寝。


 こんな毎日を十年続けてきた。よくこれで発狂したり髪が抜け落ちたりしなかったと自分で自分を褒めてあげたい!!

 こっちがこんな地獄のような生活してる中のうのうと他の女と遊んでるアホを見て、そりゃああのアホ王子の事を好きでいられるわけないわよね。ほぼ自分の時間などないくらいのハードスケジュールだからストレスなんてとっくの昔に私と一体化している。


でも、なんでこんな生活にも耐えられたかというと私にはストレス耐性がついている…


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― 新着の感想 ―
[気になる点] あー、もう!顔がにやけるのを止められない。 にやける(若気る) 男性が女性のようになよなよとして色っぽい様子。 鎌倉・室町時代に男色を売る若衆を呼んだ言葉で、「男色を売る」の意味か…
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