今だから、君に愛を伝えよう!
僕は、いきなり無職になりホームレス生活をする事になった。
僕の仕事は、“シェフ”で5年も働いていた高級レストランの
お店がコロナの為、売り上げが下がり店が潰れた。
僕は、行き場がなくなり職安に通うようになる。
それでも、みんな僕と同じような人達が殺到して。
なかなか? 僕が思っているような仕事に就けないでいた。
ひたすら、料理の道だけを極めて行こうと自分を信じてきたのに。
まさか!? こんな事になるなんて!
僕の貯金も底をつき、通帳の残高が1153円しかなくなった。
一人暮らしのワンルームマンションも、引き払う事になり。
3年付き合っている彼女の所に少しだけ居候させてもらう事にした。
でも? なかなか僕が仕事が見つからないと?
彼女との喧嘩が絶えなくなっていく。
僕も、このままだと大好きな彼女と別れる事になるんじゃないかと
思い、彼女の家を出る事にした。
彼女には、見栄を張ってこう言ったんだ。
『もう直ぐ、仕事が決まりそうなんだ! でも? そこの仕事が
住み込みらしく、1年は会えないと思う! それでもいいか?』
『・・・ううん、拳と会えないのは寂しいけど、仕事頑張って!』
『あぁ!』
『じゃあー毎日、連絡してきて、約束だからね!』
『うん!』
・・・僕は、彼女に嘘をついて今はホームレス生活を送っている。
彼女との約束であった、“毎日、連絡する!”は?
最初の1週間だけは、彼女に毎日、連絡していたがお金がなくなり。
また、彼女に嘘をついて“会社の規定で家族や彼女に連絡できなくなった”
と噓をついた。
彼女も、少しおかしいと思ったみたいだが、会社の規定なら仕方がないと
諦めてくれる。
それに、たった1年! 僕の住み込みの仕事が終わればまた僕と会えると
彼女は、ほんの少しの間だけだからと我慢してくれたんだと思う。
『ご、ごめんな、1年経ったら直ぐに戻ってくるから。』
『・・・ううん、分かった! 仕事頑張って! 拳の事、私ちゃんと
待ってるから!』
『あぁ!』
僕はこうして、彼女にバレる事無くホームレス生活をする。
毎日の日課は? 何処で炊き出しがあるかの情報を直ぐに掴めるかだ!
平気で、2,3日何も食べていない時もある。
無駄に体力を使う訳にもいかず、ただただひたすら寝て過ごす時間も
増えていく。
でも? そんなに悪い事ばかりではない!
先輩ホームレスさんから、いろいろと教えてもらったり。
食べ物を分けてもらったり、拾ってきた酒でみんなで宴会をしたり。
なかなか、楽しくもあったホームレス生活。
・・・そんな時、悪ガキどもがホームレスが寝ている所を襲い。
殴る蹴るといった暴力を振るった事件が起きた!
襲われたホームレスは、病院に運ばれるも亡くなってしまう。
こういう話は、噂で聞いた事はあったがまさか実際に目の当たりすると?
恐怖でその日は、なかなか寝つけなかった。
世間から見るホームレスとは? そういうモノなんだと実感する。
仕事もせず、風呂も入らず、汚い格好でふらふらしているだけ。
【社会のゴミ】に、何をしてもいいと思われているのだ!
それが現実! その恐怖と闘いながら僕も含めてホームレスは生きている。
・・・彼女と約束した1年が近づいてくると?
僕は、どんな顔で彼女に会っていいのか分からない。
今の僕の事を素直に、彼女に話して。
【こんな僕だけど、君に愛を伝えたほうがいいのか?】
でも、ホームレス生活をしている、僕が彼女に愛を伝えても。
受け入れてもらえるとは到底思えない!
だからと言って、仕事も見つからない!
どちらにも行けない僕は、彼女とどんな顔で会えばいいのか?
彼女を僕は、失いたくないのにね!
最後までお読みいただきありがとうございます。




