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雪の女王~世界をかける少女  作者: TAK
ともをすくうしめいをおびて
14/19

にじのもんしょう

「わたし、ゲルダといいます。白の世界のフィヨルヘイムにいるカイという男の子を連れもどしたいんです。でも、カイの目には邪のかけらがささってて…、それを何とかするには虹の力が必要だとクレア様から言われたんです…。グウレイア様の力をかしてくれませんか?」


ゲルダはグウレイアに力をかしてほしいとたのみました。


「…では…、今まで集めてきた紋章をかざしなさい。」


グウレイアはゲルダに今まで集めてきた紋章をかざすよううながしました。ゲルダはかばんから全ての紋章を取り出しました。すると、紋章が円をかこむようにうかびました。


「六つの紋章よ、我が水より邪なる力をしりぞける薬を!」


グウレイアがとなえると、六つの紋章の中心から薬の入ったびんが出てきました。


「この『虹の目薬』をカイなる者の目にさしておあげなさい。邪のかけらが消え去ることでしょう。」


グウレイアはゲルダに六つの紋章をかえすとともに虹の目薬をさずけました。


「グウレイア様、ありがとうございます。」


ゲルダはグウレイアにお礼を言いました。


「ゲルダ、六つの紋章をさずかったあなたのもとに『虹の女神』がもうすぐまいります。それでは、あなたたちに水のかごがありますように…。」


グウレイアは湖にもどりました。それからまもなく虹と共に白銀の槍をたずさえた美しい女性騎士が空からまいおりてきました。


「この女の人が…、虹の女神…。」

「とってもきれいな方だね…。」


ゲルダもブリジットも女性騎士に見とれました。バニットや周りの生き物たちもみんな見とれていました。


「初めまして、わたくしは『虹の女神マチルダ』。またの名を『戦女王(クイーンヴァルキリー)』。ゲルダなる『小さな英雄』よ、あなたのことは女神たちより聞きおよんでおります。何でも、フィヨルヘイムにいるカイなる少年を連れもどすべく世界をかけているそうですね?」


マチルダはゲルダにたずねました。


「はい。カイはわたしにとってかけがえのない人なんです。カイに会えないままではわたしは死んでも死にきれません!」


ゲルダはマチルダにカイに対するおもいを伝えました。


「わかりました…。六の紋章を集めし者よ…、あなたに…、『虹の紋章(レインボーエムブレム)』をさずけましょう…。」


マチルダは槍で虹の紋章を生みだし、ゲルダにさずけました。


「マチルダ様、ありがとうございます。」


ゲルダはかんしゃしました。


「さあ、今手にした紋章を天にかかげて、自分の背につばさがあることをおもいうかべるのです!」

「わかりました、やってみます。」


ゲルダがマチルダの言うとおりにすると、虹の紋章が光りだし、ゲルダの背中に七色のつばさができました。


「あっ、わたしの背中にはねが!」


ゲルダは自分の背中のつばさにおどろきました。ブリジットもバニットもおどろきました。


「この虹を伝ってフィヨルヘイムに行けます。」

「ありがとうございます。…あっ…、その前に一ついいですか…?」

「どうぞ…。」

「ブリジット、バニットのことたのんだわよ。」


ゲルダはブリジットにバニットをたくしました。


「うん、任せてゲルダ。」

「バニット、ブリジットの言いつけを守るのよ。」


ゲルダはバニットを抱き、バニットはうなずきました。


「みなさん、わたしは行ってきます。」

「小さな英雄に虹のかごを…。」

「カイに会えることねがってるよ!じゃあ、あんたに火のかごを!」


バニットを抱っこしたブリジットとマチルダ、ジェライムをはじめ色んな生き物に見送られたゲルダは虹を伝うように空をとびました。


(待っててカイ…、今…、わたしもフィヨルヘイムへ…。)


友を救う使命をおびて、ゲルダはカイのいるフィヨルヘイムにたびだちました。

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