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雪の女王~世界をかける少女  作者: TAK
ともをすくうしめいをおびて
12/19

うさぎのおんがえし

緑の世界に来たゲルダたちを待っていたのはうっそうとおいしげった森でした。


「うわ~、木がいっぱ~い!何より鳥もいっぱ~い!」

「うん、色んな命にあふれてるね。!…あそこ…!」


ゲルダたちは多くの生き物がいる森に見とれている中、ブリジットが何かを見つけました。そこには足をけがしたうさぎがいました。


「助けましょう。」

「そうだね。」


二人は手当てするため、けがをしたうさぎを抱えました。


「ゲルダ、うちは薬草をとってくる。あんたは水筒の水できずぐちを洗ってやりな。」

「うん。」


ブリジットはゲルダにけがをしたうさぎのきずぐちを洗うよう伝えて薬草をとりに行きました。ゲルダは水筒の水でうさぎのきずぐちを洗いました。


「もうしばらくのしんぼうよ。」


ゲルダはうさぎにしんぼうするようつたえ、きずぐちを洗い、水筒の水は空っぽになりました。しかし、ゲルダはまんぞくでした。水筒の水で他の命を救うことができるからです。間もなくブリジットが薬草を持って戻ってきました。ブリジットはつぶした薬草をうさぎのきずぐちにつけて、布でしばりました。うさぎは手当てしてもらったおかげではねることができるようになりました。しかし、うさぎはいがいにも、ゲルダたちのもとをはなれません。それどころか、どこかに案内するようなそぶりを見せました。


「このうさぎさん…、わたしたちをどこかに連れようとしているのでは…。」

「そうだね…。うちらが手当てしたためのおんがえしかな…。」


二人はうさぎについていきました。



うさぎに連れられたところは、大きな木のほこらでした。二人が中に入ると、羽衣をまとい、緑色の肌をした巨大な天女がいました。


「心ある者たちよ、わたくしは『風の女神インドラ』と申します。森の者の命をおすくいいただきかんしゃいたします。お礼に『四つ葉の紋章』をさずけましょう。これで、あなたたちは風のかごを受けられます。」


インドラは緑色の四つ葉の紋章をゲルダとブリジットにさずけました。


「ありがとうございます。」


二人はインドラにかんしゃしました。


「あの…、インドラ様…、わたし、ゲルダといいます…。一つ気になることがあるんです…。わたしのおさななじみのカイは邪のかけらが目に刺さってから…、心ない人になってしまいました…。どうして心ない人になってしまうのか…、わからないでしょうか…?」


ゲルダは邪のかけらでなぜ心ない者になってしまうのかインドラにたずねました。


「邪の力は…、心ある者を心なき者に変えてしまいます…。それにより生じた負のかんじょうをぞうふくさせていくのです…。」

「さいごにはどうなってしまうんですか?」

「良くて記憶を失います…。悪くて邪なる者と化してしまいます…。」

「まさか…、カイは邪なる者と化して…?」


ゲルダはカイにふりかかる最悪のじたいを案じました。


「いえ…、大丈夫です…。クレアの話によれば、イナバウアーのおかげで記憶を失っているじょうたいですんだとのことです…。」

「じゃあ、カイはぶじだということですね?」

「たしかに命においてはぶじですが…、あなたのことは忘れているでしょう…。」

「それでも…、わたしはカイに会いたい!カイに会えないままではわたしは死んでも死にきれないんです!」


ゲルダはカイが自分のことを忘れていようが会いたいとうったえました。


「…どうしてもカイに会いたいというならば…、今まで集めた紋章を持って青の世界の女神のもとをたずねなさい…。」


インドラはゲルダに青の世界の女神のもとをたずねるようすすめました。ゲルダたちはうなずきました。間もなく、さっきのうさぎがゲルダに寄ってきました。


「このうさぎは…、『あなたたちの力になりたい。だから連れて行ってほしい』と言っています…。」


インドラはうさぎの意思をゲルダに伝えました。


「ええ、いいわよ。これからのあなたの名前は『バニット』ね。じゃあ、よろしくね。」


新しい名前を付けられてバニットは喜びました。


「連れていくからには紋章も必要ですね。さあ、バニット。あなたにも紋章をさずけます。」


インドラはバニットに緑色の四つ葉の首輪をつける形で四つ葉の紋章をさずけました。バニットはさらに喜びました。


「インドラ様…、色々とありがとうございました。」

「あなたにも火のかごがありますように…。」

「それでは、あなたたちに風のかごがありますように…。」


ゲルダたちはバニットを連れてほこらを後にし、青の世界に向かいました。

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