カイのゆくえ
ゲルダたちが黄の世界の女神のいるしんでんに入ると全身が金色の巨大な女性がいました。
「はじめまして、わたしはゲルダといいます。」
「ゲルダの連れのブリジットと申します。」
「わたくしは『光の女神クレア』で、またの名は『金の女王』ですわ。して、いかなるご用向きで?」
ゲルダたちはお互いに自己紹介しました。クレアは用件についてたずねました。
「わたし、カイという少年をさがしているんです。デュラ様、オンタケ様、ガイア様に聞いてみたんですが、わからずじまいで、それであなたが何か知っているのではと聞いてここに来ました。クレア様、カイについて知っていることは何かないでしょうか?」
ゲルダはクレアにカイについてたずねました。
「カイ…?たしかゲルダと名乗る少女がその人について聞いてまわっていらっしゃるということを三体の女神から聞いてわたくしは色々しらべてみましたわ。カイなる少年は…、白の世界の『フィヨルヘイム』にいますわ。」
クレアはカイがフィヨルヘイムにいると伝えました。
「フィヨルヘイムとはどんなところですか?」
ゲルダはクレアにフィヨルヘイムについてたずねました。
「フィヨルヘイムは白の世界のはるか北の冷たくもおだやかなる地ですわ。そこに氷でできた城があり、『氷の女神イナバウアー』…、またの名を『雪の女王』がまもっていらっしゃいますわ。カイを連れ去ったのも彼女ですわ。」
クレアはフィヨルヘイムのことと、カイが雪の女王に連れ去られたことをつたえました。
「わかりました。それから…、カイがどうして心ない人になってしまったかわかりますか?」
こんどはカイがなぜ心ない人になってしまったのかたずねました。
「はい…。カイが心ない人になったのは、自分の目に邪のかけらがささり、いつくしみの心をうばわれたからですわ…。」
クレアはカイが心ない人になった理由を話しました。
「では、その邪のかけらは何とかできないでしょうか?」
ゲルダは邪のかけらをどうにかできないかたずねました。
「『邪なる力』にうちかつには…、『虹の力』が必要ですわ…。」
「虹の力…?」
「まずは…、赤・橙・黄・緑・青・紫の紋章をお集めなさいまし。」
「紫、赤、橙ならあります。」
ゲルダは今まで集めた月の紋章、火の紋章、歯車の紋章をクレアに見せました。
「あと三つですわね…。うち一つはわたくしが今さずけますわ。もちろん、あなたの連れにも。さあ、おのおの方、『星の紋章』をお受け取りなさいまし。」
クレアは黄色い星の形をした紋章をゲルダとブリジットにさずけました。
「ありがとうございます。」
ゲルダとブリジットはお礼を言いました。
「この先の扉が『緑の世界』の入口ですわ。そこの女神にお会いなさい。それでは、あなた方に光のかごがありますように。」
「色々とありがとうございました。それでは、ごきげんよう。」
「あなたにも火のかごがありますように。」
ゲルダたちはクレアに別れを告げ、緑の世界に向かいました。




