表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

実話怪談 霧の模様

作者: きすちぇ

看護師になって2年目に体験した実話です

あまり怖くはないのですが


 ナースになって20年以上過ぎ、私が新卒だった頃に生まれた子達が今や同僚として働いている。

それが一番怖いかもw

 ナースになって良く訊かれるのが、「病院で幽霊見た?」なんて話し…

まぁ、大好きな人にはたまらない話しですよね。

幽霊はいるのか、いないのか。結論は解らないと言うのが自分の意見ではあるのです。

ホラーは大好きだけど、いまいち信じきれない自分、それには理由もあるのですが…

ただ、20年以上働いていると、「これって、もしかしたら」て体験はいくつかあります。

職場以外でも体験した不思議なものなど、綴ってみたいと思います。


 これは私がナースとして働き始めて2年目の頃の話。その当時はまだナースはワンピースの白衣とナースサンダル、ナースキャップが主流の時代でした。

今でこそ15階建のヘリポート付きの病院になりましたが、その頃は増築を繰り返し、迷路のような造りでした。

 私はその中でも新しい病棟の4階に配属されたのですが、古い棟は木造だっったり、煤けた感じで、なんだか暗いんですよね。

3交代勤務で、深夜帯に終わる勤務の時は、相方を待って帰るのが普通。急変があったり、イレギュラーな事態で記録がまだまだ終わらない時にだけ、相方を置いて先に帰ると言う具合でした。

まぁ、新人に毛が生えたぐらいの経験では要領良くは終わらないんですよね。それでも先輩が待っってくれたりするから、恐縮してました。

先輩にはまだかかりそう、待たせるのも申し訳ないので、先に帰って下さいと話したところ

私を心配して待っててくれれてるんだと思ってたのですが、どうやら違うらしいw

「だって、一人で帰るの怖いじゃない」と先輩の発言

更衣室は私達の働く病棟と同じ4階にあるのですが、古い棟にあるんです。しかも幽霊が頻繁に目撃されると噂の病棟を経由して帰るんですよ。

特に階段付近で目撃されることが多く、見たって先輩の話を夜勤のお供に聴かされましたっけ。

「あなた怖くないの?」ってよく言われました。

だって、幽霊いるなら宇宙人の方がいそうだし、ちゃんと見たことないしねw

平気ですよ〜って言うと「そう言うところ凄いわ」と半ば呆れた様子でしたけど、見えないものはしょうがないです。

 そんなある日、入院する羽目になりました。その当時は飲み薬がまだ開発されていない病気で、高熱の出る注射での治療しかなかったんですよね。

 入院したのは、例の古い病棟で、しかも階段の隣の病室。私の入院した病室から先は個室が2部屋あって、ベッド周囲の隙間は人が一人ギリギリ通れるぐらいの小さな個室なんです。

無料の個室で、大部屋で急変したり、旅立ちまもない人が入る部屋なんですよね。昔はそう言う個室が結構ありました。

 入院してから1週間過ぎ、注射のたびに40度近い熱が出て、体もだるい。

私の病室はちょっと作りが変っていて、普通は四角い部屋が普通だと思うのですが、水回りの関係で

部屋の形が鉤形なんです。3人は奥のひらけたスペースにベッドがあるのですが、一人は廊下っぽい位置にベッドがあるんですよね、私のベッドの位置がちょうど廊下みたいな所の場所。

ベッドの脇を人が通るけど、カーテン開けても直に顔が合わない位置でラッキーと思ってました。

先輩ナースは「よりによって間の部屋に入れるなんて酷いね」なんて言ってたんですが、てっきり同じ病室の、常連ぽい気の強そうなおばちゃんが部屋仕切ってたんで、そのことかと思ってました。

陰気な雰囲気のその部屋は確かに居心地悪くて、熱が落ち着いてる時は、抜け出して自分の配属先に遊びに行ってました。

壁に密接したベッドは圧迫感があったけれど、熱がある時はトイレも近いし、長い距離あるくのしんどいから、許容範囲と言えます。。

壁の隣は個室でしたが、面会の方も来ないようでいつも静かでした。

 ある夜、高熱にも徐々に慣れつつあり、氷枕がひんやりと気持ち良い。疲労感があるから熱が出ててもうとうとしてました。

壁に背を向けて寝てたんですが、深夜帯0時ごろでしょうか。

背中をドン!と突き飛ばされた衝撃で目が覚めました。夢を見ていたわけでもなく、背中には両手で強く押された余韻のような感覚があるのです。

もしかしたら、地震だろうか…

でも部屋の人は誰も起きてないんです。その時思ったのが、夜ってこんなに明るいんだっけ?

月明かり?まるで部屋全体が青く発光しているよう。

確かにレースのカーテン越しに、月明かりが入ってくるけれど、今の位置から月は見えないし、超巨大工場前の実家だって、電気ついててもこんなに明るかった試しがないのです。

ねぼけたのかな?でも地震で揺れたのかもしれないし、そんな事を考えながら仰臥位、いわゆる仰向けの姿勢になり、天井をみたんですよね。

天井はトラバーチン模様で、病院や学校でよく見かける石材のような模様。

月明かりではっきり模様も見える。でも違和感があるんです。

じっと天井をみつめていると、霧のようなものがさらさらと流れている。それは薄い薄い霧。天井の模様が透けて見えてる。それが視野いっぱいに流れてるのが見えてるんです。

流れによっては濃い部分や薄い部分があり、まるで何か模様に見えます。

その不規則な模様はゆっくり流れていく…でも気がついてしまったのです。

それは何かに似てる。

数秒後に見えたもの、それは人間の口だ!それが視界いっぱいに見えるのです。

今まで流れて見えていた模様のパーツが頭の中で組み合わさり、きつい印象の女性の顔が思い浮かびました。

大きな顔が窓から病棟に入り込んで来た!

そう思った瞬間、バタバタ、ガタガタ

大きな音を立ててスタッフが隣の個室に入って行くのです。

地震が来て見回りに回ってるのかと思ったけれど、その部屋から出てくる様子はない。

ちょっと考えてトイレに行くことにしたのですが、やはり真夜中なのに隣の個室は電気をつけて処置してるっぽい。

救急カートを運んでいるナースを見て、急変したのだと気がつきました。

トイレを済ませ、また眠りについたところ、頭がふわりと動かされて覚醒、看護学校時代からの親友が今日の深夜帯勤務だったようで、氷枕が溶けてないかと確認した様子

親友のkちゃん名前を呼ぶと「ごめんおこしちゃった。」とすまなさそうにしてました。大丈夫と告げ、またねむりにつきました。

朝の検温の担当のkちゃんに地震があったか確認してみると「地震?無かったよ」とのこと

 病室から出ると救急カートは廊下に出ていて、葬儀社のお迎えがきてました。

それから病室が変わり、しばらくして退院できました。

 kちゃんと退院後食事の約束をして、仕事復帰後近くのファミレスで入院の時の話をふってみました。

部屋が変わったのは、病室の雰囲気が悪いと先輩が婦長(今は師長って言いますね)さんに交渉してたみたいで、kちゃんも援護射撃したんだからと笑って教えてくれました。

本題の隣の部屋の人の話を振ると、「あの時にね亡くなったよ、今だからはなすけど、気がついてたんだ。」と「でも氷枕がの件はごめんね、氷溶けてたら辛いだろうなと思って確認したんだけど、かえって起こしちゃうのも良くないよね」なんて話してました。

実はと…

自分の見たものについて話すと、しばらく考え込んで「やっぱりね、でもあの部屋は出るって噂だったんだけど、トイレ近くの個室は水道管がずっとうめくような音がしたりしてうるさいから、まだましな方だよ〜」と苦笑い

うめく水道管の部屋は患者さんからの話だと、夜中におばあさんが食器とかを洗ってるみたいだと話してたようです。患者さん曰く「近くの部屋のおばあさんだと思うありゃ、ボケてんだな」と笑っていたらしい。まぁ、でもそんなおばあさんいなかったみたいですけどね。

知らないって幸せなのかもしれないです。

いまだ見たものについては、熱が見せた幻なのか、夢なのかと考えますが、しっかり覚醒していたし、その流れでトイレにも行ってるので、夢ではないと思うんですよ。

なくなった方は男性だったようで、見た女性はなんだったのか。病院の中に入り込んでくるわけですし…お迎えだったのでしょうか?


でも幽霊だよ絶対なんて言えないですしね。











書いてみるとなんだか文章にまとまりないですね^^;

いまだなんだったのかはわからないけど、見たものはしょうがないんだ!

と思い書いてみました。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ