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言わないけど  作者: 桜桃
1/3

イチ

告白した



最初は友達の友達


ただちょっと良い子だとしか

思ってなかった



それからいつの間にか仲良くなって

いろんな話をした


恋愛相談をしたこともあった

一方的に話して答えなんて求めてなかった

あいつらの様に

薄っぺらい同情をするんだろうと思っていた



でも違った

誤魔化した後ろめたさを指摘されるなんて

思っていなかった




ただ一言慰められるだけだと思ってた


なんか少し苛ついた


でも嫌いにはならなかった



恋人のことは本当はもう

とっくに好きじゃなくなっていた

ただ別れの言葉が切り出せず

ズルズルと付き合っていただけだった


恋人の自由奔放なところが好きだった

いつの間にか我儘なところが嫌いになっていた

恋人の話上手なところが好きだった

いつの間にか言い訳が多いところが嫌いになっていた


結局別れることになった

終わり方は最悪だった


いつの間にか一人になっていた


何が起こったか分からなかった

ただひとつわかったのは

みんなあいつの味方だった


楽しかったことが全て

嫌いになった




こんな思いをするならと

本気の恋愛はしないと決めた



恋愛はしないと決めたと言うと

何を言うでもなくただ

そっかと一言だけだった


それがなんだかホッとした

今思えば何を言えばいいのか

わからなかっただけなのかもしれないけれど

すごく安心した





それは

ほんの軽い気持ちだった

毎日の何気ない会話の中突然

ぼんやりと好きかもなんて

言ってみたりした


慌てたのか誤字を直すことなく

いきなりの発言に

理由を聞いてきた



最近良く話すから

もし最近よく話したのが共通の友達

だったらそいつだったかも。


そんなふざけた話をすごく悩んでたようだった


日常に戻ってしばらくしてもう一度

かも、の付いた告白をした


あくまでかもだから。と

保険ばかりかけた


今度はあまり態度が変わらなかった



毎日遅くまで続くLINEの

ちょっとした言葉に一喜一憂する様になるのに

そう時間はかからなかった




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