湖にダイブ
咳が止まらない。目も鼻も痛い。
「大丈夫ですか?」
「い~」
痛い、と言いたいのに言葉が上手く出てこないし痛い。
ん?というかなんで女の子の声が聞こえるんだ?状況が理解出来ない。痛いけど目を開ける。
「胸…?」
「え?なんで鼻血が?」
「ん…」
「大丈夫ですか?」
あ、このまま目を開けてはいけない気がする。このままでは豊かな胸が見えてしまうはず。肌色が見えた訳ではないけど、目の前にあのボリュームがあったのは刺激が強い。
まだ少しだるい身体を目を閉じたままゆっくり起こそう。
「危ないっ」
手を滑らせ、再び水にダイブ。
「大丈夫ですか?」
「い、意識はある」
まさか湖のすぐ横で仰向けになっていたとは。
「ごめんなさい。私が陸に上がれればこんなことには」
女の子が申し訳なさそうに謝る。
「いや、良いんだよ…って、え?陸に上がれない?どういうこと?」
女の子は、胸より下は水から出さないでいる。
「え?だって私、マーメイドですよ?」
きょとんとされてしまった。
「…え?」
こんな可愛らしい女の子の姿をしているのが、マーメイド?え?マーメイドって人を助けるの?モンスターはみんな倒さなきゃなんだと思ってたんだけど。
「えーっ…と?」
わけがわからなすぎて言葉が出ない。
「どうされました?」
「わけがワカラナイ」
「…それは…困りましたね」
お互いに困ってしまった。
「ん?」
俺の右手を、マーメイドが両手で包む。
「この指輪をご存知ですか?」
「それは…」
この指輪を装備した途端、なぜか魔力がなくなった。魔力は回復しないし、外せない。回復魔法が使えないせいで、みんなが倒れてしまった。
「そうだ!俺の仲間は!?」