第5話 白への道
テスト週間に入った。
5月の終わり頃、クラスの中ではグループがだいぶできてきた。僕が目をつけている女子達のグループを見てみよう。
尾屋城さんのグループは、笑顔が絶えなくて、本当に高校生活をエンジョイしてるようだった。
小早川さんのグループは、ちょっと荒い。みんな大声出して、正直ちょっとうるさい。ちょいワルって言えば分かりやすいだろうか、先生も少し注意を払っているグループだ。
ちなみに男子のグループは、3つほどに分かれて、休み時間はそれぞれ固まって、ゲームの話やら、ドラマの話をしている。
そして、二森さんは……なぜか僕と一緒に勉強している。
最初に勉強をしようって誘ったのは彼女から僕にである。
その理由を問うと、
「瀬戸くんって頭良いって友達が言ってたから。勉強教えてもらいたかったんだ。」
彼女はにっこり笑った。一体誰から僕の学力を知ったのかは謎だけど、僕の中の野獣が目覚めそうである。やはり、彼女は素敵だ。
「それじゃ、1教科につき1パンツね。」
そんなことはもちろん言ってない。
まあ、勉強を教えることには不満などない。相手が、男だったらまず断ってたけど。
「この数式は、こう整理しておくと、答えへ持っていくルートが見えやすくなるよ。」
「ほんとだ!ありがとう!」
僕と二森さんは、テスト週間に入ってから毎日図書館で勉強していた。
「ほんとに翔太が勉強教えてんじゃん。なんか笑える。」
…カルマ付きである。
「ってかなんでカルマ付いてきてんだよ!お前勉強しないだろ!」
「まあまあ、いいじゃん、瀬戸くん。赤山くんも邪魔はしてないんだし。」
「そーゆーこと。」
二森さんと2人きりで勉強したかったのに…。こういうときのカルマは、全く空気が読めてない。
それにしても、僕のカルマへの軽い怒りをなだめようとする、二森さんの優しさ。
…決めた。二森雀。君のパンツを必ず見てやるよ。白であってくれよな
第5話 白への道 完