第2話 たくさんの星
今日は新しいクラスでの自己紹介の日。だが、事前に清廉度の高そうな女子は調べている。
今年のクラスでの有力候補は…。
まず、1人目。出席番号35番の二森 雀だ。黒髪で長髪。典型的な清廉ガールの見た目である。さらに、彼女はとにかく声が綺麗だ。加えて、読書をさせれば、心を持って行かれない男子はいないほどの美しさ。非の打ち所がないほどの清廉ガールだ。このクラス内トップの清廉さと言っても過言ではないだろう。
次に、2人目。出席番号22番の尾屋城 梨香。彼女は、とにかく元気で笑顔が絶えない。純粋無垢で、彼女の言うことに裏なんて存在しない。どんな、相手でも気軽に話しかけてくれる。そこも彼女の良いところだ。あとポニテである。あと胸が大きい。世間一般には需要があるのだろうが、残念ながら、僕は大きさより美しさなんだ。すまない、尾屋城さん。
そして、3人目。出席番号23番の小早川 瑠奈。彼女は正直よくわからない。素行が良いとは言えず、言葉遣いも荒い。ただ、去年の秋に父と買い物に出かけた時、たまたま彼女と出会い、そこで父が
「あの子は、お前の相手に良いかもしれない」
と言ったのだ。その時はまさか同じクラスになるとは思わなかった。まあ、清廉かどうかはパンツさえ見れば全て分かるだろう。どうせ白じゃないだろうけど。
と、色々考えていた間に、どうやら僕の番が回ってたらしい。適当に済ますか
「出席番号7番 瀬戸 翔太。音楽鑑賞が好きです。一年間よろしくお願いします。」
そこには、よろしくされる気など毛頭ない。僕は自己紹介の典型文を言っただけだ。自己紹介に意味などない。誰かに見てもらおうだなんて思ってない。不必要な関係はできる限り作りたくない主義である。
できればひっそりと一人で静かに過ごしたい。ただ、彼女は欲しいのである。我ながら、かなりのわがままボーイだ。
おっと、そろそろ女子の自己紹介か。これは聞いておこう。白かどうかの判別が楽になるからな。僕は唇をぎゅっと固く結んだ。
しかし、最初の人の自己紹介はどうでもよかった。なーにが、歌い手が好きだ。ガソリンでも飲んどけ。
続く、尾屋城の自己紹介も至って普通だった。まあ、さっきのやつよりは好感がもてるけどな。
最初の2人があまりにも面白くない自己紹介だったので、思わずため息が出てしまった。身体全身の力が抜ける
だが、その後すぐに、僕は聞く姿勢を戻した。次は、小早川の自己紹介だった。
第2話 たくさんの星 完