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我、獣耳を愛す

タイトル長くてすいませんでした

この世界がファンタジーだとしても、結局現実世界とはあまり大差が無い様で、携帯電話やテレビ、はたや自動車やネットだって普及している。

だけどやはりこの世界はファンタジー故に、獣耳も魔法獣耳も剣も獣耳もある訳で、もう獣耳が可愛すぎてこの世界に生まれて本当に良かったと思っている。

しかし、獣耳はやはり希少な存在らしく、俺の住む村には獣耳は誰一人としていない。

俺はその事を五歳のときにはすでに理解し、都会へ行くために凄く勉強した。剣道、魔術、獣耳が触って嬉しい所、獣耳を上手に撫でる方法、獣耳の条件反射を高確率で出す方法。俺は十年を費やして、全ての能力を最大限にまで高めた。

しかし現実はやはり甘くなく、国から届いた職業診断には、絶対永住券とも呼べる「村人」に俺はなってしまった。


まあ、理由は意外と単純で、職業である村人達が結婚して、生まれた子供は例外が無い限り職業は村人となる。

まあ、しょうがない、オカンも父ちゃんも職業村人だったし、運命って残酷だね!!


そうして俺はこの事実を受け取り、見事なまでに引きこもりとなってしまった。

そりゃグレるさ、だって俺の十年は無駄になったんだ。獣耳にあんな事やこんな事やそんな事も出来なくなっちまったんだから。


まあ、そうして親に迷惑を掛けて五年、そろそろ自らの職業が決まる職業診断が送られる。

この職業診断でどのような事が起ころうと、この用紙の内容は絶対である。


まあ、見なくても俺は『村人』なんだけどね。さっきも言った通り、村人同士で出来た子供は何があろうと『村人』なんだ。だから淡い期待はしな―――


「静馬!!アンタ職業勇者だよ!!」


「んなアホな」


届いた職業診断を持って二階に上がるオカンを嘘だろうという気持ちと驚きがごっちゃ混ぜしなり、思考回路が選択した言葉がそれだった。

俺が職業診断を確認すると、確かにそこには「南部静馬様、貴方の職業は『勇者』に決定しました」と、書かれていた。


それを見るが否や、台所の冷蔵庫付近に白色の光が収束する。初めて見るが、あの色からして転移魔法と推測する。

予想通り、包まれた光から国のエンブレムが描かれた青銅の鎧を装備した二人の兵士と、黒いマントを着飾る魔術師らしき人が、現れる。

!!あの魔術師、まさか!!


「ほらぁ、さっさと正式通りやって連れて行くわよ、まったく………なんで私がこんな田舎くさい所に来なきゃならないのよ」


「え、えー!!この度、南部静馬様、貴方を勇者として正式に認定されたので、これより私達と共に大都市へと同行してもらいます」


「因みに、これは命令である。職業診断の結果は絶対なので、もし断った場合、反逆罪とみなし直ちに処分します」


片方は新人の兵士なのか、緊張により声が震えている。片や一方はベテランの雰囲気を醸し出しながら、自らの任務を全うする。

魔術師らしき女性は、苛立ちを隠せないまま、立ちながら貧乏ゆすりをしている。


「オカン、何かそう言う訳だから、行って来るわ。あ、パソコンの『性人の拠り所』っつーフォルダ開くなよ」


経験上(またはパソコンのコピペ)外出している際は親がパソコンを見ている事が多いらしい。

そして高確率でエロ画像、またはエロ動画の入ったフォルダにぶち当たるのだ。

家に帰ってきて、「た、ただいま」「お、おう」見たいな感じになるのだけはどうしても避けたい。


それ故に俺はある方法を考えた。まずはいかにもそれっぽいタイトルのフォルダを用意する。

次に、そのフォルダの中にちょっとだけエロい(例えばパンチラ、透けブラ等)画像をそのフォルダに保存をする。


そしてわざと口をすべらる、または堂々という事で、親の注目はそのフォルダに向く。

撒き餌にヒットするが如く開いたフォルダの中はあまりエロくない微エロのみ、親は「この程度か」と思ってパソコンに興味を失う!!


因みに本当にエロい画像はまったくエロの雰囲気を出さないフォルダに収納する!!例えば『猫耳画像集』、『犬の尻尾動画』等。

まさしく最強のガード、名づけて『エロと微エロすり替え作戦』だ!!



「あー、あの『猫耳画像集』に入っていたエロ画像?それとも『犬の尻尾動画』のエロ動画?どちらにしてももう見たから関係ないわよ」




―――――――――――――。

――――――――――――――。

―――――――――――――――パキン(心の折れた音)。


トボトボと兵士達と共に王国へ行く俺に向かって言ったオカンの言葉は、「エロは世界を救うから」だった。


その言葉で、新兵は笑いを堪え切れず噴出し、ベテラン兵士は哀れみの顔で俺を見たり、魔術師は「最低」と言って俺を蔑んで来た。ご褒美です本当にありがとうございました。


「転移魔法、『現地戻り』」


魔術師は乾いた声で転移魔法を発動した。

足元が白い光が収束していく、何やら足元がくすぐったくなるが、堪える。

そう言えば魔術の勉強の際、魔力は耐性がなければ物凄くくすぐったいらしい、転移魔法は魔力そのものを体に押し付けているため、もしかしたらそれのせいなのかも知れなかった。


そうこう考えている内に、光が首元まで迫っていた。背の低いベテラン兵士はもう目元まで来ていた。

そしてベテラン兵士が消えると、俺も目元にまで迫り、そのまま視界が暗くなった。

別に目を瞑っているわけでは無いらしい、瞬きをしてみるが、大して変わらなかった。三秒程時間が過ぎると、急に光が閃光の如く俺の目に貫く。

眩しさを堪えながら、恐る恐る目を開けると、そこは既に王宮の中、国王の間であった。


「国王、アウェイン国王、勇者をお連れしました!!」

新兵が敬礼をした後、ゆっくりと顔を上げ、報告をする。国王は目を瞑りながら、ゆっくりと顔を縦に振った。



若くして世界の覇権を握り、世界の頂点に君臨する、グーベルト=アウェイン国王である。

清純の如く白に染め上げられた髪を肩にまで伸ばした彼は、ゆっくりと目を開ける。




「……………貴殿、貴殿が、………え、ちょっと、誰?」


「え?」


「え?」


「「え?」」


国王と俺の声が共に重なった。いや、それだけじゃない。国王の隣に居る側近も、魔術師も新兵ベテラン兵士も扉の番人も一斉に「え?」と疑問を口にした。


……まさかの手違い?

タイトルだけでも覚えて行って下さいな

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