4.ラケットケースの中
俺らは目の前の現実を理解できなかった。
いや、理解はできたが理解したくなかったのだ。人が死んでる、それではない、死んだはずの人間が立ち上がる。誰もがこんな現実からは逃れようとするだろう。俺達を除いて、
「たくっ、バイオかよ、タク、ダイキ、鞄は大丈夫か?」ダイキは少し背中を向け背中に背負ってるバックとバドのラケットケースをチラッと俺に向ける。「ここにあるよ」そう言ったダイキは担いでいたもう一つのラケットケースを、俺に投げた、そう、これの中にあるのはラケットではない、布製のケースをとり、ダイキに投げ返す、タクも自分のバックから黒い物体を取り出しながら言う。
「キタマ、これ、役に立つのか?」
「ないよりマシだろww」そうニカッと笑いながらコッキングレバーを引く。
そう、ラケットケースの中はエアガンだ!
キタマはアメリカ軍が使用しているM4A1
エアガンのため装弾数は300発、マガジンも2つ持っている。性能は1秒間に10発という能力を持っている。タクはバックの中からマシンピストルを取り出してていた、タクが取り出したマシンピストルは装弾数100発とマシンピストルとしては少ない、が、連射スピードはトップクラス、1秒間に15発、俺の使用するM4より上回るダイキもハンドガンのデザートイーグルを取り出した。装弾数は20発装弾数も少なく、フルオート、連射も不可能だ、だが1発の威力はM4やタクのマシンピストルを上回る、まあ、スタンダードで扱いやすい銃だ、
俺はM4を構え、フルオートからセミオートにかえた、そして頭に一発撃ちこむ。
すると撃たれたゾンビは倒れこみ蒸発するみたいに煙をあげ、その場に何も残さず消えていった。
「この世に無理ゲーってもんはねぇよ、絶対に方法はある」
そうキタマはゲーマーでもある、ケータイゲームのFPSで3時間で全国2位になったほどだった、周りにはまだ数体ゾンビがいる、ダイキが銃を構え撃とうとするとキタマがダイキの前に手を出した。「撃つな」タクとダイキは二人で、なんで?という表情を俺に向けた。「弾は無駄にできないだろw弾は限られてるんだからな、無駄な戦闘は避けるしかないだろ?」ダイキは銃を腰のケースにしまった。「行くぞ!生存者を探す!」そう言い俺らは走り始めた。