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「では演劇部、軽音部お願いします。」
そういった瞬間バッと明かりが消える。
窓もカーテンがしまったのですごく暗いです。
部活2つ続けてお送りします、みたいな感じなのかな。
ざわざわ、と次第に五月蝿くなっていく館内。
………あれか!演劇するんか!
ふう、なっとくなっとく。
別に隣の子の「演劇部だし演劇かなー?」で気づいたわけじゃないんだからね!!
パッと舞台にスポットライトが光る。
え、可愛いとかえ、あれってとかそんな声が飛び交う。
あ、攻略キャラの小鳥遊 愁だ。
すごい可愛いっていうかなんていうか英国っぽい服を着て
違和感がない高校2年生ってこいつぐらいなんじゃないだろうか…。
手に持ってるステッキ的なのでコツン、と地面を鳴らすと
他の部員がバッと登場した。なんだこのクオリティ。
確か演劇部は部長の小鳥遊が厳選して部員が決まってるから人数が少ないんだよね。
入りたい人だけでいえばすごい数らしいけど。
そして演劇部の皆さんがポーズをとっていく。
わあ、なんか厨二病っぽいのにかっこよく見える不思議。
「試験、受けにきてみる?」
ニッコリと可愛らしく微笑む小鳥遊。
試験に受かると入れてもらえるんですね…。
そして1言しか発してないのにこのクオリティ…。
皆がその余韻にひたっていると急にギター?ベース?の音がする。
楽器には詳しくないので分かんないけど、軽音部だよね?
そして急に歌いだす圷煌心。
あーこれやばいわ、まじでやばい。
圷はもう、ものすっごく声のいいっていうかえろいっていうか
そっち系の声優さんがやられてたんだけど色気がぱない…。
対象外っていったけどこの声は対象内です…。
ふと、周りを見渡すと女の子は顔が赤い子ばっかだし
男子も照れてるし、やっぱこの声は反則なんだね!!
「軽音部に来いよ。退屈はさせねぇぜ?」
そういって不適にニヤリと笑って見せる圷。
でも、私は知っているのですよ…!こいつ後輩のめんどうほとんどみないんだよなー…。
確か可愛い子だけ気にかけるというタラシだった気がする。
まあ、他の先輩方は優しい方ばっかだけど。(たぶん
「では、次に美術部お願いします」
「…美術部です。絵をかいてます。」
それだけ…?美術部部長は双門と同じ1年の百目鬼志乃。
こいつはクールっていうより冷めてて無気力系なキャラだったと思う。
他の部員達がそれぞれの絵を持って出てきた。
…百目鬼の絵って実際見るとあんなすごかったんだなあ…。
やばいなんか感動してきた、ゲーム内でも主人公も
すごい綺麗な絵とか周りが数十年に1度の天才とかいわれてたけど
これはまじで半端ないレベルですごい。
素人でもそう感じるんだしまじですごいんだな…。
周りもそう思ったようですごい…とか思わず口から言葉が漏れている。
はー…今回のことで分かったけどやっぱ攻略キャラはスペック高いわ。
顔も中身も。まあ中身はめんどくさいやつらばっかだけど。
そもそも乙ゲー、TLDはありきたりな学園物で
キャラの悩みを一緒に解決!して親しくなっていくゲームだったから
中身はめんどくさいのばっかなのだ。
でも、今はこれが現実なわけであって。
攻略キャラとかいうのやめたほうがいいかなぁ…。
この世界で生きているわけであって、私のほうが変なんだよね。
彼たちもきっと自分の意思で生きてるんだと思いたい。
さっきもキャラ達に違和感を覚えたけど今まで見てきたほうが
偽者で、こっちが本物なんだし!!
あ、でも無差別殺人ルートだけは回避させてもらう。
前世の記憶を使ってでも留めなきゃいけないことだと思うんだよね。
ヤンデレルートも少しは気にかけたほうがいいよな…。
そんなことを考えているうちに紹介はほとんど終っていて
私まじで詰んだかもしれない。
ほとんど部活どんな雰囲気だったか覚えてない…後でお友達に聞こうっと…
この時はまだ、紹介を真面目に聞いてない自分の馬鹿なんて思いもしてなかったのである。
※誤字修正しました
やっぱりまだ1続きます…すみません(・ω・`)
次は部活選びな予定です。