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異世界に引っ越しから上司?に初対面

あれ(説明会)から一週間が過ぎ、アパートを解約し両親への説明を終え、この機会にいらないものを捨て、どうしても残しておきたい物は実家に送る事にした。

絶対に持っていきたかった、パソコンと携帯、ちょっとした家電をあちら(異世界)でも使えるとわかった時、良かった~と叫びそうになった。

お城に荷物を送ってもらい、後は私が向かうだけとなったが、異世界への行き方いつも思うが不思議な感覚になる。

異世界を繋ぐ場を魔方陣で固定する事になった時、一番適任の場所となったのが空港と駅だった、旅行で行くものは旅券を買い、仕事に向かうものは定期券の様なものを使う。

私の場合は空港の方が近いからと言う理由だったが・・・違和感を感じたまま、用意されたカードをかざし、魔方陣(ゲート)をくぐった。


「うわ~凄い」


一変した周りの状況にゆかは足を止め、周りをみまわした。

異世界人と呼ばれる人たちがひしめきあう姿に自分は本当に異界に来ていると実感できるものだった。

自分とは異なる人の姿にきょろきょろと眺めていたが、集合時間が迫っているのに気づき慌ててその場から離れ、待ち合わせしている北の入り口へと小走りでかけだした。


「はあはあ・・・遅くなって申し訳ありません・・・今日からよろしくお願いします・・・はあはあ」


入口で待っていた、シブメン(ソルテ)さんの姿に慌てて走り寄りながら、頭を下げた。


「いいえ、まだ時間に余裕もありますので、大丈夫ですよ」


久しぶりに走ったせいで、少し息を荒げ軽く手で自分を仰ぎながら、そのまま王宮に繋がる、魔方陣(ゲート)のある場所に向かった。

通常の魔方陣(ゲート)と違う、王宮専用の魔方陣(ゲート)に向かい、不思議な模様の真ん中に立った瞬間、模様が光輝き、眩しさに目をつぶり身構えてしまったが、何も起こる事なくおそるおそる目をあけた瞬間、そこは豪華な装飾の施された部屋だった。


(うわ~これがお城の中?高そうな物がいっぱいある、美術館みたい・・・・壊さなようにしないと、弁償できない)


そう心に誓っているゆかの様子を、楽しげな様子で眺めていたソルテさんが声をかけ、ゆかは慌ててその場を離れ、長い廊下を進んでいた。


魔国って聞いていたけど、想像より普通のお城なんだ、でも広いな~この廊下だけで何メートルもあるみたいだし、改めて思うけど、よく受かったよね、仕事・・

でも考えても仕方がないか、せっかく採用してくれたんだから、頑張らないと。


「今から、殿下に会いに行きます、これから殿下の補佐をして頂く予定ですが、先に注意して頂きたいことがいくつかあります。

一つ目は殿下はこの国の次期王ですが、仕事の時は一切気にしないでください、二つ目もし王子がサボっていたら注意してください、もう容赦なくても問題はありません、三つ目仕事以外の事は大目に見てほしいとこの三つになります。」


あれ、王子様って偉いはずと思ったのは言うまでもなく、さすがにそれはと躊躇したらソルテさんは凄まじい形相で握り拳を作りながら言い放った。


「問題ありません、王子は・・・王子は国一のサボり魔でして仕事はできるのですが、めんどくさがりで逃げ出すことが多く、今回は王陛下からお墨付きも貰っていますので、縛り付けてでも仕事をしていただけたら、そしてゆかさんにはそんな王子の子守・・・・いえ補佐をして頂きたいのです。」


今、子守ってしっかり言ってたな、言い直していたけど思いっきり聞こえた・・・

やっぱり呪われてた~~~~~~


叫んでも始まらないと、諦めたような表情を浮かべながらソルテの後ろを歩き続け、王子の執務室にたどり着き

めちゃくちゃドキドキしながら中に入ると、そこには本棚と机と部屋を飾る装飾品に散らばる書類しかなかった。

その状況を見た瞬間、ソルテさんは柔和な笑みが一瞬にして般若の表情に変わり、どこ行きやがった~~~と叫びながら部屋を探し始めた。

一心不乱に王子を探すソルテさんをしり目に散らばっている書類を拾っていき、椅子の下に飛んでしまっていた書類を取ろうとした時、椅子の下で見た目7歳位の男の子が寝ていた。


「君、こんな所で寝てたらダメだよ、起きて」


さすがに執務室で寝るのは不味いと思い、軽く肩を揺らしながら起こそうとするも、一向に起きる様子もなく少し強めにゆすってみるとゴソゴソと動きだし寝ぼけた表情でゆかを見つめ。


「チッ、ガキに興味はないんだよ、俺を起こしたかったら綺麗なお姉さんのキスじゃないと起きれないな~せっかくソルテにバレないように寝てるんだから邪魔するな」


舌打ちをしながら言い放つとまたゴソゴソと毛布を掛け直しまた寝始めた子供の様子にゆかはすっと静かに立ち上がり、依然般若の表情で探しているソルテさんに耳打ちした。


「お探しの人が机の下で寝ています、起きてほしかったら、熱い目覚めのキスをしろとおっしゃっています」


言った瞬間、凄いいい笑顔で頷いたソルテさんがこっそり机の下に潜り込み


ぶちゅ~~~~~


と言う効果音と一緒に暴れる音を聞きながら、私は静かに書類を集めいていた。

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