就職先が決まるまで
20XX年日本に突如として後に異次元の穴と言われる物が突如として出没し以降数十年がたつが消えることなく存在し現在に至る。
それ以降異次元の世界の住人、地球側の住人との対話と共存が突如として始まり、大きな混乱もあったが
今では協定が結ばれ互いの世界を行き来するまでになった。
政治の面での必要以上の介入を禁じてはいたが、それ以外の面では一部の住人のみ双方の世界で仕事をするまでになっていた。
これ以降、異世界が身近な存在となって数十年・・・今の私には、正直どうでも良い話だったりする。
私、宮原ゆかは先日受けた会社の面接結果の書類の「不採用」の文面に無意識にグシャっと手紙を握りつぶしながらため息をついた。
(これで13社目・・・呪われてるのかな、私)
そう思いながらすっかり顔なじみになってしまった職業安定所・・ハローワークに向かった。
いつものようにパソコンを借りて就職募集のデータを閲覧していくが・・・・
「更新してないか・・・・」
パソコン貸し出しカードを返そうとすると顔なじみになった職員のお姉さんに呼び止められた。
「宮原さん気になるものはあった?」
柔和な笑みを浮かべながら問いかけるが私は貸し出しカードを返しながら首を横に振った。
「そっか、あっ良かったら座って」
言われるままに対面式の椅子に腰かけた。
パソコンで検索しながらお姉さんはどんどん険しい表情になって行った。
「う~ん、今回のもダメだったのね、いけると思ったんだけどな~」
言いながらマウスを動かしていたが、動かすのを止め画面を真剣な面持ちで見始めた。
「・・・宮原さん、異次元体質持ってたよね?」
「はい・・持ってますが、それが?」
異次元体質・・異世界の住人との対話の中で双方の住人に二つの世界で共存できる体質を持つものが居ることが判明し、その重要性から早い段階で体質を持つものは名前などの登録が行われた・・・悪用されないためにってやつだよなと一人、昔覚えた内容を思い出していたが職員のお姉さんの言葉に一気に現実に引き戻された。
「あちらの国で文官の仕事を募集しているのだけど、受けてみない?」
「えっ、図書館の司書みたいな仕事ですか?」
職員のお姉さんはその言葉に、カーソルを動かしながら業務内容を確認していき、そのままプリントした紙を目の前に差し出した。
仕事内容:文官の補佐、並びに簡単な事務職 (未経験者でも構いません)
年齢:30歳まで
募集人数:3名
詳しくは面接にて説明します。
その内容に興味を思ったので、そのままお姉さんにお願いして面接を受けることにした、受けるだけでも良いかなという軽い気持ちでそのまま、お願いして三日後に面接となった。
結局、ためしに受けてみよう以外にはよさそうな仕事は無いまま、面接当日になりめったに着ないスーツを着てきたのは、高級で有名なホテルだった、そして案内された場所には私以外にも何人にぼ女性がいた。
(うわ~、凄い美人ばっかり、眼福って言葉をつい言いそうになるけど・・あっ、やばいのが居た、気づかれていませんように)
スーツ姿でも着飾った女性たちの姿に目の保養と思って居たとき、一際目立つ女性に気づき、慌てて柱の陰に身を寄せたが、相手に気づかれたのか、こちらにやってきた。
「あら宮原さん、貴女も面接に?」
願いは叶わず、ゆかはもっとも会いたくなかった高校のクラスメイトでもあった、有宮有紗だった。
内心、やっぱり呪われている?と思うゆかに気づくことなく、有紗は話続けていた。
「まあ、精々がんばってね、でもまた落ちるのは大変よね、頑張ってね」
そう言ってその場を後にする有紗にゆかは内心げんなりしていた、毎回毎回の自慢話となぜか私を目の敵にしているのか嫌味を言うのも決して忘れない。
毎回思うけど、どうして私に絡んでくるのかな?何をしたってわけでもないと思うけど・・仕事先が同じになるだけは避けたいな、メンドイ事にしかならない。
その後すぐに面接になり、一人ひとり呼ばれていく中で、ありがたいことに有紗より先だった。
(良かった、これなら絡まれずに先に帰れる)
浮かれそうになる気持ちを押さえなが面接会場に向かった、そこには三人の男性が待っていた。
結構な美形さんに、おお~と内心思いながらも順調に面接は進んでいった。
面接自体変わったこともなく、終わりかけたとき、まったく何も話してなかった右端の男性が手を挙げた。
「最後にお聞きしたいのですが、今回の面接に希望した動機をお聞かせいただけますか?」
「はい、面白うそうだったので応募しました」
言い放った瞬間、シブメンに大爆笑されましたとも、でもそんなのどうでも良かった・・・
本当は、文官の仕事に興味があったのでとか言うつもりだったのに、だったのに・・・・何で
面白そうだからなんて、本音言っちゃたんだ、私~~~~~~
心の中で叫びながら、、二人のイケメンは笑いをかみ殺し、シブメンはいまだ爆笑する中で、終わったなと思いながら面接会場をさっさと出て行った。
(落ちた、絶対落ちた~~でも、こんな恥ずかしい事言っって受かるのも嫌だ~~)
それから三日後
採用の文字が書かれた紙が届いた瞬間、叫びそうになったのは言うまでもない。