漆話 『人』との邂逅
山の中にいくつかの白と一つの黒が動いていた。
黒が腕を振るうと地面が風圧で抉れる
それに対し白は六つの尻尾に白い炎を灯しそれを黒に放つそんな光景が何時からか山でみれるようになった
ー白詠sideー
最近の訓練で自分の出した幻影に妖力と引き換えに実体を与える事が出来るようになり実力がついてきたが・・・
鬼乱が強すぎた。
『鬼』という種族は元々力が強いそれなのに鬼乱は能力のおかげで死角がなく鬼の腕力を存分に使って攻撃してくる。
それに対し私は攻撃方法が『狐火』という妖術と妖力を使った肉体強化の肉弾戦ぐらいしかない
・・・正直相性が悪い
あ~~なにか武器とか決め手が欲しいな
ー鬼乱sideー
白詠と会ってから数十年たって、白詠の実力もかなりついてきた。
まだ私には届かないがこの近くの妖怪では五つの指には入るだろう
そろそろ、私は『里』 に一度帰るかな・・・
~修行終了後~
ー白詠sideー
鬼乱からなにか話しがあるらしい
「私は少しの間•••まぁ、数十年位ここを離れるんだよ・・・その間白詠はどうする?」
突然の話しに驚いたが少し見て見たいところなどもあったので
「私はここにいるよ」
とこたえた
「そうかい、分かった・・・それじゃあこれをやるよ」
鬼乱が出したのは刀身から柄、鍔、鞘まで真っ黒の私の身長と同じ位大きい太刀だった
「・・・これは?」
「白詠は決め手に欠けているからね、この刀があればそこを補う事が出来ると思ってね」
鬼乱から刀を受けとる
「ありがとう鬼乱」
自分でも自身が笑ってるのがわかる
「じゃあ、私は行くよ」
「もう行くの?」
そう聞くと
「また、戻ってくるから此処で待ってな」
そう言うと私の頭を撫でる
「またね」
言って去っていく背中を見送る
ー数十年後ー
森を進む人間の集団がいた
服装は銀髪の女性一人を除き軍服に銃を担いでいたそして女性は大きな弓矢を背負っていた
ー女性sideー
私達は多くの妖怪が住む山に資源を求めてきた。
隣についてきた男がいう
「妖怪め、早く出てこい」
など、昔とは違い今の人間にとって動物狩りのように妖怪狩りを行うぐらい人間は力をつけた。
足元などを見るとみたことのない草などが多く生えていた
(この草はなんだろう?)
そう思ってしゃがむと同時に
「ぎゃぁぁあぁ!!」
採ろうとしていた草の上に男の首が血を滴らしながらおちてきた
『グチャッ』
気色悪い音がしたほうをみると
熊のようなかたちの大きな妖怪が男の胴体に喰らいついていた
「はっ!」
隣の男が妖怪の首をおとすがその奥に見えた光景に私達は絶望した・・・
ー白詠sideー
最近私の住んでいる山の下に未来風の人間の都が出来てきた。他の所はまだ集落程度なのにそこの都だけ異様に発達していた
『ギャアァァァ!』
人間の叫び声のしたほうへむかうと
赤と青の服に星座をあしらった変な服装をした女性が一人熊のような妖怪と戦っていた
その足元には人間の死体が何個かある
私は気づいた太刀を抜いてその妖怪の首を飛ばしていた。
「・・・大丈夫?」
群がってくる妖怪を狩りながらきく
「・・・・・・・・・」
返事はなく疲労からか気絶したようだ
(早くここを切り抜けないと)
ー女性sideー
目が覚めると洞窟の天井が視界一杯にうつった。
(此処は?)
確か私は妖怪の群れに襲われて・・・
ゆっくりと体を起こす
「・・・おきた?」
後ろから声がかり反射的に飛び退き距離をとる
「・・・?」
目の前には七つの尻尾をもつ人化したであろう妖獣・・・おそらくは狐が首を傾げている
「あなたは、どうして私を此処に連れてきたの?」
「・・・妖怪に襲われてた」
とこちらを指さし
「・・・知りたい事があったから助けた」
「その知りたい事は何?」
そう聞くと
「・・・あなたは、あの都の人でしょ?・・・私は都に興味があるの」
(何を考えてるのこの狐は・・・)
私が都を発展させたといってもいいぐらいだと思うぐらい発明をしてきた、それにともない頭もそれなりのものだと自負しているが、この狐の考えている事は全く分からない
「・・・出来れば・・・私を都に連れて行って欲しい」
感情のない紅いめが私の方へ向く
「あなたの目的はなに?」
「・・・目的は無いけど・・・好奇心?」
「もし都に連れて行ったら少しあなたの事をしらべさせてくれな?」
この提案には理由があった
仮にこの妖怪が都で人を殺そうとしても都の戦力があれば簡単に倒せるだろうし、先ほど気絶したときの妖怪を倒したとしたら都まで安全に着けるだろう
そして、研究者としての好奇心がこの七尾の妖獣を調べたいと言っている
「・・・うん、いいよ」
妖獣がこたえる
「あなたの名前は?」
妖獣がきいてくる
私は不思議とその質問にこたえてしまう
「八意×××よ、それか八意永淋」
「・・・八意永淋?」
「そう、あなたは?」
「・・・桜雫白詠」
私はこの小さい妖獣と都に向かうことになった、勿論警戒は解かない
しかし心は喜んでいるようだった
(これで、また研究が出来る)
それに・・・かわいいし
やっと原作キャラが出せました。
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