伍話 『家族』
これからの更新はかなりの不定期となりますがやめる気はないのでよろしくお願いします。
―白詠Side―
黒姫さんの後についていって到着した洞窟は意外ときれいで十数人ぐらいは入れそうなくらい広く、電化製品などはもちろんないが壁には動物の干し肉や果物の山などがあり食物には困ってなさそうだった。
「ほらそこら辺にある果物とかは好きに食べな」
「・・・ありがとう」
私は、山の中に林檎を見つけたので、手に取って食べてみる
『シャリッ』
みずみずしい林檎の甘さが口に広がる
「お前さんは元・人間といったね・・・今はどうなんだい」
質問の意味が分からないので首を掲げる
「あ~~、聞き方を変えると人間の味方をするのかい?・・・ってことだよ」
『・・・フルフル』
とその質問に首を振ってこたえる
「ほ~う、なんでだい?人として生きてきたならもう一度その生き方をしたいというと思っていたがなんでだい?」
食べていた林檎を飲み込むみこたえる
「・・・私が人として生きた時は、人としての生活を送れなかったからそれほど変わった感じはしてなかったから・・・この現状を悔いなく受けいれられたんだよ」
その言葉に黒姫さんは質問してくる
「人としての生活を送れなかった・・・っていたね、どんな生活だったんだい?」
「・・・・・・・え~と、家の中では何をやっても血が出るまで殴られて、家の外でも親の性格や関係のせいで周りからも疎まれて、生きた心地がしなかったし生きる場所もなかった。」
私はそう答えた・・・・・・
-鬼乱Side-
この子・・・白詠の話は妖怪の私には理解できることが少なかった。
しかし、今目の前にいる白詠の顔は今まで受けてきたつらさを物語っていた。
人化したときに『かわいくなった』と褒めた時顔を赤くしたのは今までそういった言葉をかけてもらったことがないと考えれば説明がつくし、人とのかかわりがなかったのなら感情表現が下手なのも、話なれていなさそうなのもすべて納得がいく・・・・・・・・
「・・・っえ?」
白詠が驚いたような困ったような声を出す
私が白詠の話を聞いて取った行動は白詠を抱きしめることだった
「人として生きてきたことで吐き出したいことがあるなら今全部吐き出しちゃいな・・・ここにおまえさんの敵はいないし疎む者もいない。それに、妖怪ならわたしの仲間さ」
こうしてあげるべきだと思ったし何より私がこの子の顔を見ていられなかった
「今日は、思いっきり吐き出して明日からはまた新しく生きな・・・身寄りがいないなら私がお前さん・・・白詠と一緒に生きてあげるよ」
抱きしめながら言う
「・・・これか・・ら・おねがい・・・します」
泣いているのか息継ぎをしながら言う肯定の言葉
「もう仲間・・いや家族なんだから『お願い』でいいんだよ『します』は入らない」
そういううと白詠は私の背中に手をまわしながら頷く
「明日からは妖怪の生き方を教えるから覚悟してなよ」
そういうと白詠は
「・・・お願い」といった
・・・・・・・・・この日、白詠は家族と言える大切なものを手に入れた
『東方project』の小説なのに登場キャラがいまだ0人ですが次話かその次には出せると思うのでよろしくお願いします。
更新不定期ですが見守ってください。
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