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東方白妖狐  作者: 火之迦具土
山と都
39/41

参拾陸話 藤原と蓬莱山

今回の話は余り良い出来ではないので近日中に書き直すかもしれません

ー妹紅siedー


「ーーってことがあってね!父上はあいつのに夢中でちっとも家の事も気にしないで、最近では御付きの者も父上に愛想をつかして裏で陰口を言ったりするの!」


私が住んでいる、父上の屋敷の縁側に白詠と二人で座りこんでいた


一方的に私が話して、白詠が話を聞いてくれる、そんなやりとりが茶屋を出てから続いている


私の愚痴ばかりを話しているが、白詠は表情一つ変えないで聞いていてくれる、動きが無いのかというとそうではなくて、時折頷いたり反応をしてくれる


私は妾の子であるが故に本妻などから疎まれて育ったため、貴族の子供であっても家では肩身の狭い思いをしていた


本来ならば、同じ屋敷に住むことも出来なかったのかもしれないが、父上が私と母上も住まわせてくれていた


しかし、そんな優しい父上が最近では、かぐや姫とやらに夢中で、つい先日のことだが無理難題をこなせたら婚約すると言って張り切っていた


かぐや姫から出された難題は『蓬莱の玉の枝』という、東方海上にあり、根が 銀、茎が金、実が真珠の木の枝を持って来いというものであった


父上はここ数日は外には出ず、屋敷の中で職人にそれらしき物を作らせている


 土台無理な話だ


そういった愚痴を話していると不意に白詠が声を出した


「……でも、父がいて愛されてると感じるならそれは幸せなことだよ」


どこか遠くを見ているかのように言う白詠の横顔に何も言えなくなってしまう


「……そろそろ帰るね」

白詠は立ち上がると縁側から降りて出口に向かう


「白詠!また明日ね!」

約束はしてないが、明日も会いたいという意味を込めて白詠に声をかける


「……またね」


後ろ手で手を振るう白詠の声が聞こえて、私も手を振るう




ー白詠siedー


藤原さんの話を聞いている内に、何となく人間であった頃なが脳裏をよぎった


私が父から受けて、与えられた感情は痛みや恐怖、そして僅かな侮蔑の感情だった


その点、藤原さんは御家の者には疎ましく扱われてきたのかもしれないが、父からはある程度の愛情を持って接せられていたのだろう

でなければ言葉の端々から嫉妬の気配はしないはずだ


このまま時が過ぎて、かぐや姫が都を離れて少しすれば元の家に戻るかもしれない


話を聞きながら考えているとかぐや姫の屋敷に行く時間が近づいてきた


でも、その前に藤原さんには言っておきたいことがあったため、話に割り込む


「……でも、父がいて愛されてると感じるならそれは幸せなことだよ」


藤原さんは考えるように俯いた


「……またね」

そう声を掛けて立ち上がり出口へと向かう


その後ろから声がかかる


「白詠!また明日!」


私は聞こえてきた言葉に応えるつもりで手を振るう


手を振り返してくれている気配を感じてながら蓬莱山さんの屋敷にむかう












しばらく都を歩いて屋敷にむかうと日が傾いてきていた


屋敷の塀を他の人に気が付かれないように越える


「あら、待ってたよわよ」

飛び越えた先の縁側の奥に蓬莱山さんが座っていた


「後数日で満月になるわね、その時はよろしくお願い」

その言葉に無言で頷く


「ほら、こっちへ来てよ、お茶菓子でも食べましょう」


屋敷の中に入り対面に座る


「ねぇ、白詠…私に何か話でもしてくれない?」

お菓子を食べていると蓬莱山さんが話を頼んできた


「ここ最近はおじさんたちの相手で退屈なのよ、適当に流してるけどしつこいし……」


「……なら、月の民が地上にいた頃の話でもしようか?」

そう聞くと目を輝かして身を乗りだす


「なにそれ、凄く興味あるんだけど…お願い」


話が進む度にコロコロと変わる蓬莱山さんの顔が印象的で心に残るようだった





この日、日が暮れるまで二人で話し込んでいた


本日の更新が遅れてしまいすいません、受験の準備が忙しくなってきまして・・・もしかしたら来月の更新は遅れてしまうかもしれません、しかしやめるつもりは無いので出来れば見ていてください

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