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東方白妖狐  作者: 火之迦具土
山と都
34/41

参拾壱話 鬼と鬼神

ー勇儀siedー


目を覚ましたとき目の前には、幼くして整った顔立ち、純白の髪、はだけた着物・・・白詠の寝顔が間近にあった


昨夜のことを思い出すが、確かに白詠は隣の萃香の布団の中に入っていったはずだった


『・・・んっ』

白詠が小さく吐息を吐き出す、その小さな唇に目を引かれ、無意識の内に顔を近づけていく


あとほんの少し、あと少しで白詠に届く


そう思った瞬間、頭を思いっきり叩かれた


「なにするんだい!?」

叩いた犯人を見ようと振り返るとそこには、やっぱりというべきか萃香がいた


「なにするんだ、はこっちの台詞だよ! なに起きていきなり白詠の寝込み襲おうとしてるんだよ!」


心外だと思ったので萃香に一つ訂正を言う


「襲おうとしてるんじゃない・・・・・愛でようとーーー!!」


してる、と言い切る前にもう一発もらった



「よくもやってくれたねぇ」

さすがに寝起きで許すほど優しくはない


「表に出ようか、久々に切れたよ」

「おう、上等だ!」


いざ、萃香と勝負しようとしたとき声が割り込む


「・・・何処か行くの?」


先程まで寝ていた白詠が布団の上にちょこんと座って、小首を傾げていた


「あぁ、こいつとは決着をつけなきゃいけないからな」

萃香を親指で指しながらいう


「・・・見に行っても良い?」


「「もちろんさ」」

「・・・うん」

白詠は頷いて乱れた着物を直して立ち上がる




  外に出て萃香と向き合う

「いくよ萃香!」

思いっきり足を踏み鳴らすと、地面に亀裂がはしる


「こい、勇儀!」

萃香も瓢箪を腰にかけて足をならす


「おらぁッ!!!!」

思いっきり足を横凪に振るうと、萃香も鏡に写したように蹴りをはなってくる


しかし、体格差で私の蹴りが先に届き萃香が吹き飛び、砂塵を巻き上げて後ろにあった岩にぶつかる


「ほらほら!どうした萃香、かかってきな!」

砂塵の中から、頭を掻きつつ萃香が出てくる

「いてて・・・、今度はこっちが拳をぶつけるよ!」






ー白詠siedー


勇儀と萃香が戦い初めてから少し経った

辺りの状況は二人の攻撃の余波によって荒れてしまっていた


そんな二人の戦いを座って眺めていると、不意に後ろから声がかかる


「おぉ、此処にいたのか白詠」

後ろを振り向くと鬼乱がこちらに走ってきた

「昨日は萃香や勇儀に何もされなかったかい?」

そう言いつつ鬼乱は体のあちらこちらをさわってきてくすぐったい


「うん、二人とも優しかった」

そう答えると鬼乱は戦ってる二人の方へ目を向ける


「何だか混ざりたくなってくるねぇ!・・・よし! 少しまざってくるよ!」

そう言うと鬼乱は萃香達の方へ歩き出す


そして、二人が戦っている場所の少し前で歩みを止める


「そこの二人! 同時で良いからかかってきな!!」

言葉と共に放たれた妖力が地面をめくる

「「っ!!」」


二人は一瞬固まってから目を合わせると、互いに頷き鬼乱に向き合う


「元頭領と戦えるなんてありがたいねぇ! 全力でいかせてもらうよ!!」

勇儀も妖力を大きく発する


「そうだ! かかってきな!!」



「おぉぉぉおらぁ!!!」

勇儀は能力である『怪力乱神になる程度の能力』にものを言わせて、思いっきり拳を振るう


しかし

『パシンッ!!!』

乾いた音と共に鬼乱の片腕に止められる


「どうした勇儀・・・こんなものかい?」

止めていた拳を掴んで、そのまま勇儀を投げ飛ばす


「今度はこっちだよ!」

鬼乱の後ろから萃香が拳を振りかぶる


「私の能力を知らないのかい?」

鬼乱は振り向くことなく萃香に後ろ蹴りを放つ


「くそっ!」

萃香は蹴りをしゃがんで避けるとそのまま前進して、拳を振るう


しゃがんでは拳を振るい、跳ねては蹴りを繰り出した


しかし、鬼の一撃であっても鬼乱にはたいして有効打にはならなかった


「おらぁ!」

それに対して萃香は鬼乱の一撃で吹き飛ぶ












強大な力を持った三人の鬼が笑いながら殴り合っている光景は、見ていてとても気持ちが良かった


結果は鬼乱の勝利だったが、勇儀も萃香もとても楽しそうだった


その後は鬼の大好きな酒盛りでその日の幕を下ろした



ついに、部活動が終わってしまいとても寂しいです。それと同時に受験に向けて本格的に勉強し始めなければいけません・・・。


しかし、更新を止めるつもりは無いので、これからもよろしくお願いします。


感想や誤字脱字の報告をよろしくお願いします。

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