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東方白妖狐  作者: 火之迦具土
山と都
33/41

参拾話 お泊まり

ー萃香siedー


私は後悔していた、何をというと白詠という妖狐との賭に負けたことだ・・・いや、負けたことは仕方がない、私の実力が足りてなかっただけで、私はまだ成長期、可能性はまだまだある


後悔の原因はその内容だった、『負けたら勝った方の言うことを何でもきく』確かに何でもとは言ったけど、まさか元頭領の説得とは・・・




そして今、私の前には元頭領、横には白詠がいる


「鬼乱、どうしても一人じゃだめ?」

白詠が先程からずっと説得を試みているが元頭領の答えは変わらない


正直私はいるだけで、居心地が悪い


「白詠は確かに強いが、まだまだ一人旅は早い」

・・・薄々気がついてきたけど、元頭領が白詠を離したくないだけではないのだろうか?

「じゃあ、どうしたら許してくれるの」

「そもそも、どうして山を出たいんだい?」

二人の話合いはどんどん激しくなっていく

しばらくして






「白詠どうしてもというならもう少し経ってからでいいだろう?」

「分かった、あと数年は此処にとどまるよ」


「白詠、終わったのかい?」

殆ど聞いてなかったためきくと、僅かに頷いた

「じゃあ、私は帰るよ」

白詠に背を向けて帰ろうとすると不意に服の裾が引かれる


「・・・泊めてくれませんか」

いきなりのことで直ぐには動けなかった

「白詠もう一度言ってくれないか、少し呆けていたらしい」


「・・・今晩伊吹さんのとこに泊めてくれませんか?」

下からこちらの目をのぞき込むように、白詠の少し暗い赤い瞳が見つめてくる


「・・でも、ほら、私は勇儀と同じ寝床だし、勇儀の許可も必要だから」

自分でもよく分からないが、あせっていた

心無しか頬が熱い


「じゃあ、星熊さんと話をさせて」

「・・・・・・分かったよ」


二人で勇儀に会いに行くことになった




勇儀は離れたところでほかの鬼達と酒を飲んでいた

「勇儀、白詠が話があるって言うから連れてきた」


「ん? どうしたんだい?」

勇儀がこちらに歩いてくる


「・・・今日、泊めて欲しいんです」

勇儀、頼む! 断ってくれ! 何だか白詠といると胸が苦しいんだ


しかし、願いは届かなかった


「いいよ、いいよ、泊まってきな! 萃香の許可はとったろう?」

白詠の質問に勇儀は笑いながら許可をだした





そして、私と勇儀が使っている鬼の住処の一室に三人できた。


この場所は、頭領の住んでいる御殿の中にある赤色の壁の部屋で、人間のように内装などはなく、ただ寝るための布団が申し訳程度に二つ乱雑においてあるだけだった


「・・・よろしくお願いします」

白詠が私達に言ったとき勇儀が思い出したかのように白詠に話し掛けた

「なぁ白詠、私のことなんて呼んでる?」


その質問に小首を傾げながら

「・・・星熊さん」

と答える


「う~ん、なんか変な感じがするし勇儀でいいよ」

「あっ、私も萃香で良いよ!」


それに対して白詠は俯いてしまう、髪の隙間から見える耳が赤くなっている


「どうしたんだい?」

勇儀が心配そうに聞くと顔を上げる


「・・・呼び捨ては・・恥ずかしい」


何この可愛いコ、私達を倒したとはとても同じだと思えない、そんなことを考えていると


「可愛いな白詠!」

勇儀が白詠に抱きつくように布団に倒れ込む

突然の事に白詠は驚いているようだった


「えっと・・・あの・・はっ、離してください」

顔を赤らめて、勇儀の腕の中から逃れようとする

「う~ん・・・そうだ! 私のことを呼び捨てで呼んだら離してあげるよ」


勇儀がそう言うと、抵抗が小さくなり何かを言おうとしては、口を閉じてを繰り返していた


そして、少しして白詠は声を出した

「ゆっ、ゆう・・・ぎ」

白詠は本当に小さな声でいうと、もう離してくれという視線を勇儀に送る


勇儀が抱擁をやめると、白詠は勇儀から素早く離れて、勇儀のいる布団とは、違う布団ーつまり、私の布団の上にぺたんと座った


「す、萃香さ・・萃香、布団に入ろ?」


この子は本当に可愛いな、そう感じた

「よし、寝るか」

私が布団の中に潜ると、少しして白詠も入ってくる


「白詠、萃香の寝相が悪かったらこっち来て良いよ」

勇儀が言った言葉を最後に部屋が一気に静かになる












隣を見ると白詠はもう寝ているようだった


その寝顔は、本当に可愛らしくて、勇儀が何かと絡んで意識させようとしているのか分かるような気がした




白詠の寝顔を見ながら寝る


今日はいつもより気持ちよく寝られそうだな、そう思い目を閉じた


今年は受験生となったため、投稿は毎月25日に指していただきたいと思います、申し訳ありません。



感想や誤字の指摘お待ちしています、お願いします。

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