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東方白妖狐  作者: 火之迦具土
神々の時代
27/41

弐拾伍話 荒神と鬼 狐と神

長らく空いてしまいました、申し訳ありません

ー白詠saidー

     

「幻の太刀・襲 菖蒲」

構えた刀を斜めに振り、途中で切り返す、それを次々に繰り出す


刀の軌跡から幾つもの透明な斬撃の弾幕が飛び交う、斬撃同士はぶつかると弾き合って複雑な軌道を描く


(これならいけるかな?)

今までの攻撃は互いに相殺しあって、互いのダメージはあまりない


天照大神が空に円を描くように、指で空をなぞる

「炎塵!」

天照大神を囲むような爆発が幾つも起こり、私の弾幕を消しながら迫ってくる


その爆発を、地面を蹴るように空を蹴って、高度を上げてかわす


「掛かりましたね、炎之線!」

高度を上げている私に向かって、最初に見た炎柱が迫ってくる


「三重結界」

申し訳程度に結界を貼るが、直ぐに砕けてしまう


私は避ける事もできず炎にの呑まれる

視界を光が覆い、のどが燃えるようにあつくなる


攻撃が止んだ時には、私はかなりのダメージをくらい、着物は所々焼けて、肌が見えている場所もあった


それでも、負ける事は微塵も考えなかった


「もう、良いでしょう、あなたと私は攻撃の相性が悪い・・・この攻防で理解出来たでしょう?」


だから、天照大神のこの言葉にも強気で返せた


「・・・分かりませんね、この戦い方が通じないなら、戦法を変えるだけです」


「狐火・一火葬」

十本の尻尾を広げ、その先端に現れた炎を頭上で一つの大きな炎にする


その時、天照大神が空で腕を振り下ろした、それに伴って、頭上の火が私にぶつかり爆発をおこした・・・・・・






ー鬼乱saidー


相手の顔面を狙った腕を紙一重でかわす

「らあぁ!」

反撃に胴体を狙った蹴りを放つ

相手は、膝を上げて防御する


放てば防がれ、打たれれば避ける


戦闘が始まってからずっとこの調子だった



互いに少し距離をとる

「・・・まさか、貴様がここまでやるとは思わなかったぞ」

素戔嗚尊が笑いながら言う


「ふんっ、まだまだ本気じゃないよ」

拳をぶつけて分かった、目の前のこいつも、そしてわたしも、戦闘に狂う程酔っている。『より強い相手と戦いたい』

そう考えて、生きている


だから・・・私もわらう


「おらぁぁ!!」

素戔嗚尊が踏み込んで拳を繰り出してくる

「らぁあ!!」

その拳に此方の拳をぶつける


『らあぁぁああ!!!!!』


お互いにフェイントも何もなく、ただ拳を繰り出し続ける


ぶつけ合う度に眼下の地面が衝撃でめくれている


「お前との勝負を終わらせるのは辛いが、これは戦争だからな」


素戔嗚尊の神力の質がかわる

まるで突き刺すかのような一点集中だった


そんな中、拳を打つために素戔嗚尊が左足を前に出した

そして、そのまま拳を繰り出した


「・・・荒神之誓約!!!!」


『ドゴォッッッッッツツ!!!』

目視出来ないような速度で放たれた拳は、そのまま腹を突き破らんとするばかりの威力で直撃した


 体が浮き、吹き飛ぶ、そこいらの白黒の木をぶち抜き、背後の大岩にぶつかり肺の中の空気が全て出てしまった感じがした


しかし、耐える


今のが、恐らく素戔嗚尊の最高の一撃だったのだろう、少しでも気を抜けばすぐに膝をつきそうだ


「・・・お前は、本当に妖怪か?」


素戔嗚尊の呆然とした呟きが漏れる

「私は、鬼の頭領、黒姫鬼乱 よく覚えておきな!」


「今度はこちらの一撃だよ」

「のぞむところだ、こい!!!」


わたし達に笑みが浮かぶ


「三 歩 滅 却」


渾身の技を相手にぶち込む、それだけを考えた


拳を打つために踏み込む、いままで幾度どとなく繰り返したことを、最高の形で繰り出す

「・・・壱!」


相手の目には、一瞬で目の前に現れたように見えただろう


驚いた一瞬の隙をついて、片足を高くあげるそして、そのまま地面に叩き落とす


「弐!!!」


『ズドンッッッ!!!』


地面に揺れが走り、空にも揺れが走る


そんな振動を間近で喰らった素戔嗚尊は体制を崩し、片膝を地面につけてしまう


「・・・参!!!!!!!!!!!!」


そして、最も力の込めやすい、上から下へ妖力を握り込めた拳を叩き込んだ


素戔嗚尊の身体が吹き飛び、岩や木々をぶち抜きながらようやく止まる





「・・・あんたとの勝負、面白かったよ」


白目を剥いて倒れている素戔嗚尊に背を向け、鬼乱はいった


「・・・二人共、私は勝ったよ」


ー天照大御神saidー


煙に包まれて見えないが、白い妖狐の妖力が小さくなっていく


死なないまでも、戦闘不能だろう


「自身の妖力を膂力に」


何か呟きが聞こえた


『・・・スパッッッ!!』


私の腕から血が出る

「・・・ッッ!!!」

咄嗟に腕をもう片方の手で抑える、浅いが長い刀傷が出来ていた


「・・・戦法を変えるって言った」


煙の中から刀を構えた妖狐が出てきた



ー白詠saidー


能力を使い妖力で攻める遠距離をやめて、膂力を上げた接近戦に持ち込むことにした


「これで・・・落ちなさい!」


天照大神が頭上に大きな炎球をつくると、その炎球から分岐して、多くの炎球が迫ってくる


その炎球を、斬る


刀を振るい、そこにできた真空を使い炎を斬る、炎を斬られたことがはじめてだったのだろう、天照大神が驚いている


先程までとは違い、此方が終始優勢だった


「くっ! 大地之怒り」


地面に降りた天照大神が足で地面を叩く


地面から火柱が、否、炎が形を変えて追いかけてくる


視界が赤で染まるが、全て斬る


しかし、開けた視界の中に天照大神がいない・・・


 不意に、熱気を感じる


上空をみると、身の五倍も大きそうな炎球を作りためていた・・・


(・・・なる程)


次の一撃で決めるために、刀を鞘におさめる

しばし、静寂ができた・・・





『炎帝・神之焔』

そして、炎が放たれた・・・


「・・・幻の太刀・襲 桜」

私はそれを、居合いの形で迎え撃った・・・・・・・




ー諏訪子saidー


今の状況は劣勢だった

元々の戦闘技術は八坂神の方が上で、下級神とミシャクジでも下級神の方が上だろう


時間が経つにつれてミシャクジも減り、下級神の弾幕も飛んでくる


早いとこ決めないとマズい


私は地面に急降下する

目の前にいた八坂神は、突然の事に驚いた様だが、すぐに追いかけてくる


地面につくと同時に両腕をじめんにつける

「だいだらぼっちの参拝!!」

私は能力を使い土で巨大な手を二つ作り出し、八坂神に向かって挟み込むように使う


土の手に隠れて、地面に潜り八坂神の後ろに回り込む


『守矢の鉄の輪!!!』 

両腕に鉄の輪をもち攻撃する、単純だが私の最高の攻撃


先程の土の手に気をとられている八坂神は此方に気が付いていない・・・と思っていた


「・・・甘いね、オンバシラ!!!!」


八坂神は自身の周りに大量のオンバシラを創造して、一本を手に持ち、それ以外を射出する


土の手は粉々に砕け散ってしまう


八坂神は私の鉄の輪を避けるとオンバシラを振りかぶる


それを両腕の鉄の輪を交差させて防ごうとする、しかし、八坂神の背負った注連縄から風が吹き出したかと思うと、手の鉄の輪が錆び始める


『パキッ!!』


錆びた鉄では、防げる筈もなくオンバシラを腹部に思い切り食らう

「がはっ・・・」



意識が飛んだ



ー神奈子saidー


守矢神を倒したと同時に、二つの空間が歪み片方から、熱気がでてくる


其処には・・・・・天照大神様の創り出した炎球を太刀で、細々に切り裂いている妖狐がいた


妖狐の太刀筋は、目では捉えられず、高速にぶれる刀に反射した光が桜の散る様に見えた

そして、天照大神様と妖狐が同時に止まる


「・・・おわり」


妖狐が呟くと天照大神様が、

「えぇ、戦争が終わりました」

言いながら、降りてくる

「皆さん、戦争は我々の勝ちです!!」


天照大神様の宣言と共に他の神が騒ぎ出す

その傍らで


「惜しかったね、白詠」

妖狐に鬼が話しかけていた・・・その鬼の後ろには素戔嗚尊様がボロボロになって立っていた


「・・・おい、妖怪少しついてこい」

素戔嗚尊様が妖怪をつれてどこかへ行った


素戔嗚尊様も気になるが、それよりも目の前の勝利を喜ぶため他の神の方いった



ー白詠saidー


素戔嗚尊について行くと周りに木が生い茂っている場所にきた

「・・・・・・・すまなかった」

素戔嗚尊は驚くことに私達に頭を下げた


「・・・咲耶姫のことはあなた方にも、理由があった・・・それだけで十分でした」

私の心はとても晴れやかだった


「さぁ、他の神の方へいってあげて下さい、私達ももう行きます・・・諏訪子によろしくとだけいっといてください」


「・・・そうか、分かった」

素戔嗚尊は少し安心したように呟くと歩いていった




「鬼乱、そろそろ咲耶姫にあいに行こう」

「・・・場所の希望はあるかい?」


「・・・・・・綺麗なとこ、どこか知ってる?」

「・・・よし!なら良い所がある、ついてきな!!」



私は鬼乱と神々の戦場を後にした

今回、更新が遅れてしまったのですが、これから三週間ぐ らいは、テスト期間なので更新できません。 本当に申し訳ございません ・・・

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