表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
東方白妖狐  作者: 火之迦具土
神々の時代
21/41

拾玖話 『いつも』と『家族』

ー咲耶姫sideー


約束の日まで残り三日、否深夜のため今日を入れて二日となった・・・

二日後は用事があると白詠にはいっている

もちろん、自身の社に戻ったこども達にもただの用事といっている


そして、私は社の外を歩いていた

「鬼乱はこの事についてどう思ってるの?」

後ろに振り返りながらきくと暗がりから鬼乱が出てくる

「・・・私はあんたが決めたなら止めないし責めもしない、でも本当に良いのかい?」


おそらく、頼めば鬼乱も白詠も手伝ってくれるだろう・・・でも、巻き込みたくなかった私が勝つことはないだろが、だからといって消滅するつもりもない


「えぇ、大丈夫です」

「そうかい、なら良いよ」

一拍おいて

「でも、死ぬなよ白詠達が悲しむからね」

「あら、白詠達だけ?」

そうきくと

「私も、だよ」



そのまま、恐らく最後になる『いつも』の夜を迎えた


「よし!三人だけど呑もう!」

鬼乱は社の襖を開けるとどこから持ってきたのか酒樽を抱えて現れた

「なんで?」

鬼乱はおそらく私のために言ってくれたが事情を知らない白詠からしてみれば不思議だったらしく小首を傾げている

「鬼の宴会に理由は無いよ!」

鬼乱はそう言うと酒樽を自身のよく使う杯に注ぎ込んで、一気飲みする

「さぁ、二人も飲みな!」

私達二人にも酒の入った杯を渡してくる


「乾杯!!」

鬼乱が杯を掲げていうとそれに合わせて

「「乾杯!」」

私達二人も杯を掲げてのむ



しばらくは何事もなく談笑して飲んでいたが不意に白詠の様子が変わった


こちらに近づいて

「お酒、頂戴?」

いつもと違う緩みきった顔でいう

いつもと違う笑い顔に思わずドキッとしてしまう


「・・・鬼乱、あなた白詠が甘え上戸だと知ってましたよね?」

半眼で隣りにいる鬼乱を睨むが

「さてね・・・」

しらを切られる

「ねえぇ、おしゃ、お酒ちょうだい」

白詠の姿は小さな女児ぐらいの姿だが、お酒のせいなのかとても妖艶にみえる


「ダメよ、酔ってきたならもう寝なきゃ・・・明日が辛いよ」

「うん・・・分かった~」

白詠は笑顔のまま私に抱きついた

「しゃくやひめ暖かい」

そう言って私に抱きついたまま寝てしまった

抱きついた白詠を一旦はがして膝枕をしてあげる

「・・・ふふっ、可愛い顔」

白詠の髪を指を梳くように撫でる

しばらくそうしていると

「咲耶姫、あんたも寝ないと、明日が辛いだろう?」

「そうね、そうするわ」

「この社は私が守っておくから心配しなさんな」


「ありがとう」

私はそう言うと白詠を横炊きにして社に入って、白詠の隣に添い寝するようにねた


ー鬼乱sideー


白詠と咲耶姫は社の中に入っていった・・・

『ピチョッ』


持っていた杯に涙が入る

「・・・ははっ、私も白詠みたいに人間くさくなったね」

自嘲気味に笑う


今日までのような『いつも』はもうこないことを私は理解していた、明日の内に咲耶姫はここをでて戦いに行くだろう・・・


そして、私達の『いつも』は変わってしまう

その事を理解しているからこそ今日の酒飲みを開いた、最後に笑って過ごしたい・・・そう思ったらこんなことをしていた


しかし、二人が寝てしまうと、この『いつも』がとてつもなく大切に思えてしまう

たったの数ヶ月だが、心を許せる相手の見つかった白詠は勿論、私にとってもこの数ヶ月は白詠と出会う前の数百年にまさる大切な時間だった


何がそう思わせるのかは自分でも分からない、それでも今社の中に居る二人は私の『家族』・・・私の心がそう感じていた

だから、その内の一人が消えることがとても悲しかった・・・


「ふぅ・・・寂しいねぇ」


また、一粒涙が零れた・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ