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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

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安楽死アプリ

作者: 結城 からく
掲載日:2026/07/27

 三年前、安楽死アプリが開発された。

 タップすると脳内のチップが作動し、苦痛を感じず安らかに死ねるという代物である。

 アプリのリリース当日、七十六万人の国民が安楽死を選択した。

 その後も次々と後を追う者が現れて、人口はあっという間に半分以下になってしまった。

 しかしそれでも社会は回っている。

 むしろ高齢化社会が解消され、部分的には発達している点もあるくらいだ。


 とにかくそんな社会で、私は病で寝たきりだった。

 病室には毎日のように子や孫が押しかけてくる。

 全員、口を揃えて安楽死アプリを勧めてくる。

 さっさと私が死ねば、莫大な遺産を相続できると思っているのだろう。

 ベッドを囲む欲塗れの顔を見回し、私は心底から軽蔑していた。


 だからある日の晩、私は遺書を書いた。

 そこには、すべての財産を幼い曾孫に託すと記した。

 これで煩わしい遺産争いが解決する。

 私はそう思った。


 翌日から、私に安楽死アプリを使わせようとする者はいなくなった。

 代わりに彼らは、曾孫に安楽死アプリを勧め始めた。

 笑顔の仮面で欲望と悪意を必死に隠し、無垢な命を潰そうとしていた。

 翌日、私は曾孫を除いた親戚の脳内チップを安楽死アプリに登録し、勝手に作動させた。

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