あとがき
最後まで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
ここからは、少しだけ作品についてお話させてください。
『白と青のよう』は、当初はBL作品として構想していました。
生徒と教師という関係性、歪な感情、そして背徳感のある題材です。
しかし書き進めるうちに、雪の狂気はそれだけでは収まらないと感じました。
最終的にクラスメイト三人を殺害する物語となりましたが、ただのサイコパスにはせず、感情のある存在として描きたかったんです。嫉妬もするし、苦しめば泣く。等身大の高校生としての雪を意識しました。
この作品では、世界観も大切にしています。
ひとつは「白と青」です。
空、海、水族館――この二つの色を意識して散りばめました。
そしてタイトル回収として、冒頭とラストでそれぞれ意味を持たせています。
もうひとつは「くらげ」です。
雪とクラゲを重ねたかったんです。
透明で、形が定まらず、自分で動いているようで、実は蒼に引き寄せられている。つまり、「自分で進んでいるつもりのくらげ」なんです。
美しくもあり、同時に危うい存在でもあります。
蒼の気持ちについては、あえて明確には描きませんでした。
読者の皆様に考えていただきたかったからです。
あの迷いは何だったのか、あの表情は何を意味していたのか。
そうした余白も含めて、この作品を楽しんでいただけたら嬉しいです。
また、サスペンスとしてのリアリティにもこだわりました。
雪の犯行や灰原の捜査が破綻しないよう、構成や伏線にはかなり気を配っています。
灰原は、読者の視点に近い存在として配置しました。違和感を拾い、言葉にする役目です。
作中で使用した楽曲について、少しだけご紹介します。
ピアノ曲として登場するのは、ドビュッシー《アラベスク第1番》、ショパン《雨だれの前奏曲》。
どちらも、雪をイメージして選びました。繊細で、どこか儚さを感じさせる楽曲です。
合唱曲には、坂本九の《心の瞳》を選びました。
こちらも、『白と青のよう』の世界観に寄り添う一曲です。歌詞のひとつひとつが、静かに心に残ります。
どれも素敵な曲なので、もしよろしければ、ぜひ聴いてみてください。
そして、この作品にはテーマソングがあります。
作品タイトルと同名の『白と青のよう』という楽曲で、「Suno」という音楽生成AIを用いて制作しました。作詞とリリックビデオも自作しています。
もしよろしければ、X(旧Twitter)の自己紹介に、youtubeのリンクを貼っておりますので、そこから飛んでいただくか、直接、YouTubeの検索欄に『逆見ゆり 白と青のよう』と打ち込んでいただいても、出てくると思います。ぜひ、お暇な時にでも聴いていただけたら幸いです。
長くなりましたが、ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
この作品が、皆様の中に何かひとつでも残ってくれたなら幸いです。
また次の作品でお会いできることを願っています。
逆見ゆり




