001 『リ・スタート』
実は誤投稿してノリと勢いで始まったって話します?(アホ
既に暗くなり始めた住宅街に、一人の少女がいた。
「ほっほっほっ……」
冷たい空気が、私から出た息で白く染まる。
首に巻かれたマフラーが風で靡き、少しばかりイラつくが今は些事だ。
「ひぃ!さむさむ……冬も終わるってのに寒すぎでしょ」
前言撤回。全然些事じゃない寒すぎるし風強すぎ!!
私の通学路って割と短いはずなのに歩くのが億劫になるくらい寒いんだけど?え、いじめですかそうですか地球君なんて知らないんだ~!
と、寒さでおかしくなったテンションでそんなことを考えていると。
「雪?」
ワァオ今二月の終わりだぞ……?本格的におかしくなってやがるな……
「今更か?まあいいか」
難しいこと、私ワカラナイ。日常生活する上で思考はぶん投げて脳死で動くのが一番楽だから皆も習得をオススメする。思考放棄大事、というか受験でこっちは疲れてんだ無駄なこと考えてられるか!
おっと、雪が降ってきたとあらば、さすればするべきことは一つ。はい、まずここでクラウチングスタートの構えします。
次に目標を定めて――――ッ!!
「ダッシュッ!!!!」
周りのことを気にせず、全力で走るのみィ!!
恥?外聞?ヤツなら数年前の夏祭りで死んださハハッ。おっと、目の前から二人組のカップルが。はい1!2!3ッ!!
「オホホホお幸せにじゃねえ末永く爆ぜてろバカップルが――――ッ!!」
「え何?」
「壁蹴ってるぅ!?」
秘儀、壁ジャンプ!意外と使えるから皆も習得しよう。因みに練習中に私は足首を五回捻った。スカートを着てるときのコツは天地逆様の状態で勢いよく回転しながら飛ぶことです。
それはそうと家が見えてきたラストスパ――――ット!!
「はいだたいまァッ!!」
勢いよく扉を開け、おそらくこの時間帯は洗濯物を畳んでいるであろう母に帰ってきたことを知らせる。普段ならゆっくりと返事を聞くところなのだけど……
「お帰りなさ――」
「お母さんちょっとゲームするから夕飯になったら呼んでェ――――ッ!!」
靴を素早く靴箱へとダイレクトシュートし、二階にある自分の部屋とかけ上がる。
「あー着替えるのめんどくさい!!」
あとで着替えるし別にいいかーと、もろもろを皺にならない程度に畳んでから、散らかっている部屋の隅に追いやり、残った私はベットにダイブする。
こっちは受験で半年は待たされたんだ。服とかぶっちゃけ飾りだしどうでもいい!寒いから全裸にはならないけどね!
「えーっと、メッセを送りまして……」
「今から行くよ」と送ると、相手(複数)から返信が返ってくる。ヤバい、トマトをミキサーにかけるスタンプからレスバが始まった!!どうせ乱闘になってるだろうから早く見に行かないと!!
っと。そろそろ始めるとしようかッ!!
ベットの端に追いやられていたVR機器をサクッと頭に装着し、起動の合図を口にする。
「ドライブ・オン。リベリオン・オンラインを起動して」
――――検索中……ヒットしました。
――――現在、このゲームはサービス終了しております。
「あ、違う違う。リベリオン・オンラインツーだ」
完全に三年の月日の癖が出ててたな……次から間違えないようにしないと。
――――検索中……ヒットしました
――――『Rebellion Online Ⅱ 』を起動しますか?
「勿論イェス!!」
心の準備はバッチリできてる。
――――生体情報を照合中……ヒットしました。
――――アカウント『カンナ』で始めますか?
「はい!!」
さあ、行こうかッ!
――――……起動しました。
――――貴方の帰還を、歓迎します。
一年ぶりの、仮想世界にッ!!
春から女子高生で帰宅部なのに高笑いしながら壁を蹴って頭上を通過しながらカップルを派手に祝う主人公がいるらしい。
あとカンナさん裸族というかすぐ脱ぐじゃんえぇ……?
今日はまだ更新するヨ