表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サ終したVRMMO、廃人達の本気で復活した件  作者: Kamkam
序章 『微睡みにて謳う白龍の名は』
11/21

009 『爆音×斬撃×時々嵐』

悲報、戦闘が音速で終わる件。


 凧で減速したはいいが、所詮凧は凧。そのままフワフワと突撃すればは普通に叩き落とされるのは目に見えている。


 故に。


「持っててよかった糸着きクナイィ!!!」


 目算全長十メートルはありそうなキリン型の魔獣の間合いに入る直前に、インベントリへと凧をボッシュート。代わりに取り出したクナイをヤツへと向ける。


 オシ、大体あそこらへんだろッ!


「ッラァシャ!!!」

 

 突き刺されたクナイを確認した瞬間、糸をなけなしのSTRで握りしめ、身体を捻り己を振り子のような機動を描き、推力を横へと書き換える。


 用済みになった糸は素早く手放し、しれっと凧を呼び出すときにインベントリへとしまっていた刀を取り出す。


 あっついでに引っ搔いときますね~


「《旋風(ツムジカゼ)》ェ!!」」


 推力によって押し上げられた居合の一閃が、ヤツの胴体へと一文字の斬撃痕を残していく。


「モォォォォォォオオオオオオ!?!?!?!!?!」


「牛かよ」


 ッと。そんなこと言ってる場合じゃない!


 先ほどの斬撃がよほど頭に来たらしいキリンが背中を隆起させ、その特異な器官を露出させた。

 

 確か遠距離系の魔法を使う予兆だったか?なら……


 チンタラしていたらロスになると、元が平原とは思えない程草木が溢れる大地へと、流れるように着地。


 そして、すぐさま頭上へと躊躇なく刀を放り投げ、取り出したのは背に背負われた一メートルはある巨大手裏剣。


 本来のステータスならば、竜人の補正込みとは言えこんなデガブツは持ち上げるのが精々。だが遠心力を加えれば……


「お見舞い品の手裏剣だ。有難く受けッ―――――――取ッ……れッ!」


 その場でドリルのように高速回転し、基本黄色の体表には見合わぬ隆起した紫色の謎器官へ、ハンマー投げのような形でぶん投げる。


 トメトによって生やされたであろう草木を悠々と断ち切り、弧を描くようにして飛んでいく。


 最後まで見守っていたいが、生憎とここは未だ戦場のど真ん中。


「ガァァアアアアアア!!!」



 ――そんな隙を晒している暇は、ない。



 咆哮が聞こえたほうへ視線を移せば、すぐそこまで迫ろうとしている魔獣たちの姿が。


 数は三。熊と狼と猪。一番速いのは―――狼!!


「ガァア!!」


「躾がなってないッぞッ!!」


 爪撃一閃。咄嗟に仰け反り回避し、すれ違いざまにクナイをねじ込む。


 だが奴等の猛攻は終わらない。


 流石に慣性ブーストもスキルバフ入っていないクナイでは多少のかすり傷を残すのみ、狼型の魔獣は軽やかに旋回し、再びその爪で引き裂こうと迫ってくる。


 見つめながら、後ろから迫ってくる猪型と熊型の魔獣の気配も感じとる。


 多少頑強(VIT)に振っているとは言え、流石に何発も喰らう可能性がある近接格闘は避けたい。


 ならば!


「《分身の術》……からのぉ!!!」


 結ぶ印は一つのみ。初期段階ゆえ、出せる指示は精々二つが限界。


 だがそれで充分。元より分身に求める役割は決めている。


 背中を合わせ、同時に目一杯を息を吸い、発動させるのは―――《竜人族》が持つ固有(ユニーク)の名を冠する能力。


「「《エレキブレス》!!」」


 吐き出すは稲妻を宿した息吹。その効力は未だ発展途上。だが、敵を数瞬止めるのには充分。


 分身が止めを終え、煙と化し消え去る。同時に私は勢いよく―――跳躍。


 掴むは先ほど放り投げた”不月”。そして放つは、()()()()()()()()()()()()()()


 スキルは一定の条件を達した時に効力を発揮する。


 ならば、その条件を()()()()()()()()()()


 刀の負荷を気負う必要はない。この刃は”不壊”。決して折れることのない絶対の刃。


 集中しろ。息を吸え。脳を回せ。最適な太刀筋を描き出―――ドカァン!


「カンナ!お届けものだよぉ!!!」


「まとめてぶっとばせー」


「うぎゃぁああ!!!!」


「ぶはっ!」



 爆音と共にバカみたいな速度でカッ飛んできた残りのボスたち。


 何故か巻き込まれて一緒にカッ飛んできたアル。

 

 そしてそれらをフル無視し、追い立てるようにして爆弾を放り投げるトメィトゥ。


 更に戦車で砲撃しまくっているヴェリィ。


 まさに混沌。あまりにも蛮族。集中させる気を一切感じない。というか笑い転げたい。


「あーもういいめんどくさい!」


 一切合切の張り詰めた何かがプツリと切れ、若干鈍ってきていたテンションに再び炎が宿る。


「さっさと決めるぞ烏合共ぉ!!!」


 飛んできた魔獣共が体勢を立てようと起き上がる中、私は堂々とその中央部へ―――着地。


 すぐさま反応する十数体の魔獣達。だが遅い。


 お久しぶりの合体技だ。とくと味わってくれ。


「―――《豪鳴旋風(ボウセンカ)》」


 抜刀五閃。


 奴等の身体に、嵐に巻き込まれたような傷が刻まれると同時に。


 ピコン。


 ◇《大熊・キリングベア》を討伐しました◇


 ◇《黒狼・ボイドウルフ》を討伐しました◇


 ◇《猪頭・フールズボア》と討伐――――



 ◇スキルを獲得・習得・解放しました◇


 ・韋駄天

 ・投擲

 ・空転走破

 ・不屈の肉体

 ・見切りの心得


 ・旋風豪鳴


 ・参の太刀・昇滝

 ・肆の太刀・蓮華


 ◇称号を獲得しました◇


 『命の収穫者(ハーヴェスター)

 『殲滅者(オールドバスター)

 『平原の狩人』




 終わりを告げる通知音が、鳴り響いた。


「カンナちゃん」


「?」


「ハイタッチ」


「にひっ!」


「いえぇええい!!」


「うおっ!?」


 呼ばれて振り返れば、謎の提案と共に手を上げられ―――酷く軽快な音が、鳴り響いた。


 一瞬気がふれて技名を「台風」(タイフーン)にするところだった。一派通過英傑ぅ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ