前日譚 『仮想世界』
毎日投稿の練習用に書くことに決めたぜ!
あと短編版から割と変わりました。
時は21XX年。技術が発展し、電脳世界にフルダイブができるようになった時代。
VRMMOというラノベでよく見た設定が現実になった世界で、ひとつのゲームが終わりを迎えようとしていた。
『Rebellion Online』
広大なファンタジー世界で旅をするというありふれたコンセプトのVRMMOだった。同じようなゲームが乱立し、混沌としていたVR黎明期の中では、特段話題になることもなかった。
そして話題になることもなかったこのゲームに、悲報が流れる。そう、サ終である。
サ終とは、サービス終了の略であり。オンラインゲームでいうゲーム終了を指す言葉だ。
二度とこのゲームを遊ぶことができなくなると聞いた廃人達は、涙した。俺達はまだこの世界に居たいと。
だが現実は無情だ。ついにサ終の時は来てしまった。
残り数時間でこのゲームは終わる、なら最後くらいは集まろうと、昔からのプレイヤーたちは始まりの街に赴き思い出に花を咲かせ、談笑していた。
そんな彼らに、突如爆弾は落とされた。
――どうせなら、最後に本気出さね?
一人の男が放った言葉、それがこのゲームの命運を分けた。
「その心は?」
一人の少女……所詮なんちゃって「忍者」な恰好をした金髪紅瞳の少女が男に問いかける。
「言葉の通りだぜ?今まで温存してきた切り札とか諸々をパーっと全部使い切っちまおうって話」
「クラ君、ボク分かった!つまり爆発オチだね!!!」
男の解答に理解を示した少女。全身が赤か緑の装備で揃えられており、まるでトマトのような衣装だった。
「トメト……お前ホントに爆発好きだな……いやなんでもねえ。あー話を戻すが、ぶっちゃけ試しに一回だけ使って封印した技とかあるだろ?因みに俺はあるぞ」
「同じく」
「ワイもやなあ」
「オレもスキルの半分くらいそれで埋まってるゾ」
聖騎士風の鎧を纏った偉丈夫。どこかの流浪人のような衣装纏った黒髪の青年。そして鎧のように見える甲殻を纏った男が、リーダーである男の言葉に次々と同意する。
このゲームが過疎ゲーたる所以、それは圧倒的な過剰出力のステータス&スキルの扱いずらさだ。
身体強化系のスキルならば、過剰出力すぎて全く制御できず爆散する。
必殺系のスキルならば、威力の強過ぎで自分諸共爆散する技がゴロゴロと転がっている。
この時点でかなりクソだが、このゲームには更なら欠陥がある。
「このゲームアシスト機能皆無なのやっぱゴミだよね?一歩踏み出した瞬間ジェット機並みの加速とかどうやって制御しろと?」
そう。このゲーム。所謂システムアシストと呼ばれる、モーションの補助をしてくれる機能の一切が存在していないのだ。
この手のゲームにはDEX。器用というパラーメーターがある。
このステータスは文字通りの器用さ、身体を動かすときの感覚の鋭敏化や魔法の発動に必要な集中力などの軽減など、『何かをする』する場合必ず助けになってくれるステータスなのだが。
このゲームには、存在していなかった。
つまり、過剰な出力がデフォルトの世界で、己の技術と反射神経のみで音速に到達しうるバケモノステータスを乗りこなしながら戦わないといけないという鬼畜ゲーが爆誕したということだ。
このバカみたいな仕様にライト層は一瞬で撤退し、物好きな廃人のみがこのゲームに残ったというわけである。
「そこが自由ってことで売り出してんだ。文句を言っても変わらんだろうな」
その通りである。
「まあそのせいでサ終だけどナ」
本当にその通りである!
「おのれ運営!!全裸で土下座するからまだ遊ばせて!!」
「アンタがやったら事案よそれ!?」
事実を受け入れられなかったなんちゃって忍者な少女がトチ狂ったことを言い始めたため、慌てて宥めにかかる悪の組織の幹部のようなドレスを纏った女性。
「カワイイお願いに見せかけた闇討ちじゃん」
「天誅だよ」
「天に失礼だろ」
「爆殺!!爆殺!!」
「あー話戻すぞー」
ボソリと呟いた冒険者モブのような恰好をした少年の言葉に真顔で答えるなんちゃって忍者。そして何故か爆殺と叫ぶトメトさん。
ワイワイガヤガヤと別の話題に突っ走って行こうとする愉快な仲間達を落ち着かせ、自分の意見を通すために男は視線を集める。
「一番派手な花火あげられる奴――――ってまあ全員か。よし、じゃあ始めようぜ」
当たり前のように上がった手を見ると、男は満足げに笑う。
「誰からやるん?ワイは中盤くらいがええなぁ」
「……入った、順、で、いいと、思う、よ」
「「「「「賛成~」」」」」
流浪人がのんびりと言い。自信無さげな少年がボソボソと意見を出し、待ってましたと言わんばかりに乗っかる他の面々。
かくして、約3年という期間をこのゲーム捧げた廃人達による。最後のショーが始まった。
名前は意図的に出してないのだ_(┐「ε:)_




