綺麗な水と新鮮な魚、生食は⋯え?
おはようございます。同族達よ。
あ、トレント君今日も元気だねー。腕をブンブン振り回して何かの予行練習?
ああ、元気なだけか。
「今日も日差しが強いなぁ」
最近あまり雨が降りません。明日くらいには降って欲しいものです。
あの戦闘から3日経ちました。その間はもちろん狩りずくし。それしかしておりません。
基本はスライム、たまにグラスウルフって感じで同じやつばかりです。
新しい敵を相手にするのは、もうちょっと経験を積んでからと思っていたので。
あ、そうそう。帰って来てから気になって、本体に鑑定をかけてみたんでした。あの日含めて4日分の成果が、はいこちら。
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名前︰ヴェステル
年齢︰0歳3ヶ月
種族︰腐血樹
メイン職業︰見習い魔法師
サブ職業︰なし
レベル︰11
HP︰61/61
MP︰61/61
STR︰30
VIT︰31
AGI︰37
DEX︰34
LUK︰33
〈魔法〉
・鑑定
〈種属特性スキル〉
・分体作成
・腐血樹粉Lv.1
〈装備欄〉
称号︰なし
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なんと、本体でもあの粉使えるみたいなんですよねぇ。
大前提として、魔法とかを使用する際、必ずしもその名前を口にする必要は無いんですよね。
どんな魔法をどのくらいの魔力を使って、どのように発現させるのかをイメージ出来ればいいので。要は慣れです。
逆にそうではなく、あえて口に出して発動させるのは、その方がイメージも何もしなくても勝手に発動してくれるから。
イメージして使うために、使い方に自由が生まれるのが無詠唱。
自由性は無いものの、安定して魔法等を繰り出せるのが口に出して発動させる方法。というわけだ。
とりあえず本体も鑑定含め、攻撃手段を得ることが出来ましたよと。
あと、レベルやHP表記はこちらにありました。やはりこちらが本体だからでしょうね。
それで分かったことが1つ。
分体が得た経験値で本体のレベルが上がると、次に作成される分体も同じくステータスが上がるようです。
ステータスは、表記項目の増減こそあるものの本体と同じもの。レベルが10を超えて、そこそこ強くなったと言った所でしょうか。
1レベル上がるごとに、各項目2ずつアップしてましたね。
私がこうもレベル上げを急いだのには訳があります。
単純に、何があっても戦えるくらいには強くなる。というのと、水関連の魔法を覚えるためです。
魔法・魔術・スキルというのは、何でもかんでも教えを乞えば覚えられるというものでもありません。適正レベルに達していないと、教えて貰えないんですよ。危ないからって言う理由で。他にもゴニョゴニョと理由をつけられます。
そなたにはまだ早い。とかも言われますね。
もしもの時、そう、本体に火を放たれた時に役立つ水関連の一番簡単な魔法は、適正レベルが8。
身の安全のために早めに覚えておきたかったので、急いでレベルを上げました。
急いでなかったら、何か生産でもしてのんびりレベ上げ出来たんですけどね。
まあ、この魔法覚えたらしばらくは物作りをしてのんびりしたいです。望んで生き急いでいる訳では無いので。
「ということで、第3エリアに行ってきますね。同族達」
同族達とトレント君に手を振って空を飛ぶ。
「キヲツケテ」
え?何か今聞こえたような⋯⋯気のせい?
振り返るがどこから聞こえてきたのか⋯。まさか他の妖精?
思い返せば、同族達も私と同じくらい大きく育っているのに、妖精体を見た事がない。違う進化をしたのか、はたまた入れ違いになっているだけなのか。
「誰が⋯?」
トレント君の方も見ましたが、あの方はいつも通り不気味な笑顔で、腕である枝をウネウネとさせています。喋りそうな雰囲気があるのは確かですが、今まで聞いたことありませんし、違うのかも?
結局声の主が分からなかったので、再び空へ向けて飛び立ちます。誰に返事を返されたのか分からない恐怖体験をしました。ああ、怖い。
今回の目的地はハルーラ王国が首都、水の都ネモルの街。そこで水の魔法を覚えられるので。
なぜか火と水の魔法はそこでしか覚えられないんですよね。
都会でしか暮らしたくないとかで、教える人達がそこから離れないんですよ。前半の街では彼らしか教えてくれる人がいないもんで、第3エリアまで行かないと覚えられないという。
実はプレイヤーにあって、NPCに無いものがあります。それは適性です。
プレイヤーは条件さえクリアすればどんなものでも覚えることが出来ますが、NPCはそうはいかない。魔法にしろ魔術にしろ、属性がつくものは全て適性が絡んできます。故に適性がなければ、使うことの出来ないものも出てくるというわけだ。
というわけで、前半の街で適性があって覚えている人達がいるのが首都なので、そこに行かなければ教えて貰えないということである。
始まりの町でも魔法書でなら覚えることは出来ますが、大変なので私は嫌ですね。
ちなみに第1エリアから第5エリアまでが、ハルーラ王国という国の領地です。はい。
飛んで飛んで、粒のように小さく見えるプレイヤー達を追い越し、進むはネモル。
第2エリアを抜ければ、潮風が吹いてきます。
「んー。水の都と呼ばれることはあるね」
下を見れば朝日に照らされ、キラキラと輝く一面真っ青な海。イルカも泳いでいる。似た姿のモンスターだけど。
そんな海の近くに築かれた街が、首都のネモルである。
中央にハルーラ城がそびえ立ち、内側から貴族達上流階級が住むエリア、豪商等のある程度のお金持ちが暮らすエリア、一般の人が暮らすエリアと分けられている。
それぞれのエリアには、それ相応のお店等の施設が立ち並ぶ。
暮らすエリアが違うからといって、そのエリアへ入ってはいけないという事もないので、普通に入って買い物したりできる。
門が近づいてきたので、だんだん高度を落としていきます。街へ入る順番待ちの列はなし。
良い時間帯に来ましたね。
「よしっと。あ、どうも。はいこれ身分証です」
「え、あ、はい。どうも。拝見します」
門兵の前まで行くと、提示を求められる前に身分証を提示。ギルドカードが魔法の鞄に入る大きさで本当に良かった。
「問題ないですね。通ってどうぞ」
無事検問突破。軽く会釈をして街の中へ。
第1生時代、首都は2番目に多く滞在した拠点でした。魚が美味しいんです。
え、生魚?それは無理ですね。アニサキスだか何だかの処理が万全にはできないみたいで。
お店の人に、食べるなら自己責任でって言われますよ。
まあ、プレイヤーや今の私みたいな死んでも何とかなる体を持ってる人は、好きなだけ食べたらいいんじゃないですかね。お腹痛くなるだけで済みますから。嫌なら一度死ねば回復しますし。
「せっかくここまで来たんですから、まずは腹ごしらえといきましょ」
魔力体なので、お腹空かないんですけどね。
でも食べたら味感じるし匂いも分かる。普通に人間と同じものは持ってますよこの体。
なので海に来たら美味しい魚が食べたい。というわけで、レッツゴー定食屋っ。
あ、あのくっさい腐ったスライム水は、我慢して回収しましたよ。気にしてなかった?そうですか。
〘職業︰見習い魔法師〙
一次職。魔法を覚えたばかりの見習い。
簡単な魔法であれば、覚えることも使うことも可能。
職業にセットしていると、MPとDEXへ僅かなステータス補正がかかります。
就職条件:①魔法を何か1つ習得していること。②魔法師ギルドに入ること。
〘種属特性スキル︰腐血樹粉〙
妖精族の中でも、腐った血を取り込むことで成長し進化した腐血樹の妖精のみが使えるスキルの1つ。
触れたものを腐らせる粉を生成する。
触れれば腐り、その周りにも少し影響を与える。
必要魔力︰60
〘ハルーラ王国〙
色々な種族が入り交じるとても賑やかな国。
花と魚と温泉が有名で、観光地も多い。他国の上流階級達も頻繁に訪れるほど。
第1エリアから第5エリアまでが領地。
〘第3の街︰ネモル〙
ハルーラ王国の首都で、水の都と言われるほどに綺麗で美しい街。
海で取れる海産物はとても人気で、朝どれのものが昼にはなくなっていることも。
入街金︰500マニー




