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どうも、木⋯⋯の妖精です。  作者: 夏巻き
目覚めは中盤のエリアで
13/112

βテスター side武春 part.4

やっと10話目、されど10話目。できる限り更新頑張ります。

あと、良ければコメント・評価・感想をもらえるとモチベーションが上がります。

よろしくお願いします。


では引き続き【どうも、木⋯⋯の妖精です。】をお楽しみくださいませ。

心優しいホルマリンさんにチュートリアルの内容を聞いたところ色々と判明。

まずあの女性をヒステリックにさせたダイスについて。

〈可能性を示すもの〉と言っていたが、これはステータスに割り振ることが出来るポイントをダイスで出た目の分貰えるということらしい。

本来はレベルアップ時に貰えるものらしいので、貴重なポイントなのだそうだ。

うん、出た目見てない。ヒステリックがヒステリックしてたから。

一体どのくらい貰えたんだろうか。鑑定の魔法を覚えたら確認しよっと。


次に称号⋯はいいか。ただのフレーバーですと。

ただし、称号欄に装備しておくといい効果をくれるやつもあるんだとか。

獲得した称号、なんてウィンドウに書いてあったっけな⋯。思い出せん。


その次、お金。

このゲームにはいくつかの国があるらしいんだけど、ほとんどの国で同じお金を使えるらしい。

なぜかは答えてくれなかったらしいけど、共通なのはいい事だ。

ちなみにお金の単位はマニー。⋯⋯正直なんて安直なとは思った。覚えやすいのはその通り。


そしてこれが一番重要。メニュー画面。

メニュー画面を出したいと思いながら、一言「メニュー」と発言すれば出るらしい。

出たメニュー画面には、フレンド関連の項目やメッセージ機能、掲示板機能、通報、ログアウトの項目が記されている。

またまたクソ野郎。一番大事な事じゃねーか。

長時間プレイで強制ログアウトさせるつもりだったんかヒステリックめ。


「ホルマリンさん、本当にありがとうございます」


「え、そんなそんな。こちらこそたけまるさんに出会えて、貴重な話が聞けてよかったです。初心者講習キャンセルとか、きっとレアイベントですよ」


メニュー画面については本当にありがたかったので真摯にお礼を伝えたのだが、あちらはあちらで貴重な時間だといやいやと手を振り笑っていた。

もちろんメニュー画面以外の情報にも感謝します。


「っと、見えてきましたよ」


会話しながら歩いていると時間が経つのが早く感じるもので、気づけばプレイヤー達がいる拠点へとあともう少しと言うところまで来ていた。

ホルマリンさんが指し示す先には遠目にも立派に見える門が。


「あれがプレイヤーが最初に辿りつく事になる最初の町、マラトスです」


「おお、あれが⋯」


ログインしてからだいぶ時間が経っているので辺りはもう暗くなっている。その中に浮かぶあの町の光は少し幻想的にも見えた⋯⋯。

うん、気のせいだな。ただの町の光だ。


その町の近くまで行くと、何だか町と言うには大きい。

町と言うのでもっと小さいのかと思っていたのだが、実際はこれ街じゃない?と聞きたくなるような大きさをしていた。


「結構でかいな⋯」


「ですよね。これで町なので、街は一体どれほどなのやらですよ。さ、並びましょ」


町の門の前にはそこそこの列。その列の最後尾に並ぶ。

門の所には兵士らしき人が数人いて、町へと入る人の何かを確認して、もしくは何かを貰っている。

それが終わった後そのチェック?を受けた人は町に入っていった。

ん?これって身分証か何か必要なパターンでは?

そんなの持ってないぞ?


「これ町に入るのに何か必要ですか?」


「ああ、えっとね⋯」


そう話し出したホルマリンさんによると、ギルド加入者は加入時に渡されるギルドカードを。ない者はお金をとの事。その額100マニー。

魔法の袋(マジックサック)に入っていたのが300マニーなので充分足りる。

転移した時に頑張って一枚一枚数えましたよ、はい。

鑑定の魔法を覚えてたら、魔法の袋(マジックサック)の中に何が何個入ってるみたいなのもサッと調べられたのかもね。

しかしあれだな、町でこの額だし街に入る時はもっと取られるんかな。


ところで()()()()()、リスポーンってどうなるの?

そもそもリスポーン地点は?

ホルマリンさんから答えを得られたので発表。

答えその1。お金を払うことになるが、払うのは再度の入町金(にゅうちょうきん)ではない。払う先が違うため。

答えその2。リスポーン地点は教会。

正確には、最後に入った町等の拠点となりうる場所の教会。

まだ1回も町などに入ったことがなければ、リスポーン地点は死んだ場所近くにある教会。

リスポーンで戻ってきた場合は、入町金(にゅうちょうきん)の代わりにお布施を払うことになる。

このお布施を身分証パワーでどうにかすることは出来ない。

あくまでお布施なので払うも払わないも自由だが、払わないとリスポーンする度に嫌な顔をされる。

ということらしい。

嫌な顔をされたプレイヤーを見たのか、はたまたホルマリンさんの体験談か。


「たけまるさん、私達の番ですよ」


「あ、はい」


などと考えていると自分たちの番。

意外と早く回ってきたな。怪しい人がいなくてスムーズに進んだってことか。


「はい次。そちらの方、身分証かなければ入町金(にゅうちょうきん)を」


「はい身分証です」


「ふむ。はい通っていいですよ。次の方、身分証かなければ入町金(にゅうちょうきん)を」


スムーズな検問。傍から見れば流れ作業に見えなくもない。

いや、こうして町を守っているんだ、失礼か。


「えっと、お金を。どこに出せばいいですか?」


「では数えますので別室へ。ケリー、入町金(にゅうちょうきん)だ頼む」


「はいよ。では、こちらへどうぞ」


うん、そうだよね。ここで立ちながら1枚1枚数えるなんてそんなことしないよね。

しゃがんで地面に置きながら数えるとかしなきゃならなくなるし。

それに100枚分手には持てんだろう。

先に町に入ったホルマリンさんと目が合う。

何かよく目が合うな。


「ここでじゃあはちょっとあれなんで、待ってますよ」


そのホルマリンさんの言葉に申し訳なくなりつつ、ケリーと呼ばれた兵士の後について別室へ行く。

着いた別室の室内は簡素で、大きめの机といくつかの椅子があるのみ。

座るよう勧められたので、その椅子へ向かい合って座る。


「じゃあここへ出していってください。私も数えていくので」


机の上に出されたのは木でできたトレー。

そこへ魔法の袋(マジックサック)から取りだしたお金(マニー)を乗せていく。

それと同時にケリーさんは乗せられたお金(マニー)を手に取って数えていく。

え、ここ魔法の出番じゃないの?手っ取り早く何枚って分かるやつないん?

ないなら仕方ないけど、数え間違えないでくれよ?

そんな心配をしながら、出しては数えられを繰り返し。


「⋯⋯はい。丁度ですね。入町金(にゅうちょうきん)確かに頂きました。では、街へ入っていただいて構いませんよ」


ケリーさんお疲れ様でした。100枚も。

これ何人も入町金(にゅうちょうきん)払う人出てきたら大変じゃない?

正式リリースされた時やばそう。


「はい。あ、数えるのお疲れ様でした」


「ははは、仕事ですからね。では、マラトスを楽しんで」


別室でケリーさんに送り出され、無事入町。

待っていてくれたホルマリンさんと合流して、色々見ながら町の中を歩き出す。

夜の町にはプレイヤーやNPCが入り乱れ、なかなかに賑やか。

いくつもの店が立ち並び、客が来るのを待っている。

別の通りには住宅が立ち並ぶエリアがあるのだろう。

本当になかなかに広い。

周りを見ると、酒場らしき場所ではプレイヤー同士の喧嘩が起きていた。兵士がその対応に追われている。

物騒だな。お酒って飲むと状態異常とかになるのかな?

別の所では、男性プレイヤーと女性NPCが防具売り場らしき店の外で意見交換中。

このゲーム、NPCと一緒に冒険したり結婚したりもできるらしいから、ボッチプレイヤーにも優しい。

と、見るもの全てが新しい。初めての町だしな。


「夜のこういう雰囲気っていいですよねぇ」


隣で夜風に吹かれながらホルマリンさんがそう呟く。

確かにな。こういう雰囲気も悪くない。

朝とか昼の様子も気になるが、平日は学校があるし休みの日までお預けだ。

どうせしばらくここを拠点に、レベ上げすることになるんだろうしな。


「またかっ!喰らえオラァッ!近づくんじゃねぇッ!」


「ん⋯?なんだ?」


町を見て回っていると突然の怒声。

道の端で誰かが誰かを殴っているのが見える。

NPCだな。一桁台と思われる(年端のいかない)女の子のNPCを後ろに庇う感じで立つ筋肉隆々の男性NPCが、男性プレイヤーを殴りつけている。

何やらかしたんだあのプレイヤー。


「ああ、あれは気にしなくて大丈夫ですよ。もうすぐ兵士が来ると⋯来ましたね。あれはあのプレイヤーが悪いんで」


まるでいつもの事だと言わんばかりのホルマリンさんの発言。

β版リリース今日でしたよね?

たった1日でこう言われるなんて、そんなにやばいプレイヤーなのかあの人。


「何であのプレイヤー殴られてるんですか?」


「あー、職業にテイマー系のものがあってですね、メインジョブかサブにセットすると使えるようになるスキルの中に調教スキルがあってですね⋯⋯あの人、女の子を見つけるとそのスキル使うんですよ」


えぇ⋯⋯ドン引きよ。え、通報されないの?

てかそのスキル人に使われたらやばない?


「でもそのスキル、モンスターだけにしか効かないんで⋯毎度あの感じに」


騒ぎを聞き付けた兵士がその調教スキルを使ったプレイヤーを取り囲んで拘束し始めた。

あれは牢獄行きだな。


「クソォォっ!また失敗だァァっ!俺は幼女を愛してるだけなのにぃぃぃ⋯⋯」


兵士に引きづられながら連行されていく犯罪者。プレイヤーネーム(アバターネーム)、あいすくりぃむたべるぅ?。

おいロリコンじゃねぇか。


「毎回やってるなら、NPC相手とはいえあの変態行為通報されないんですかね」


「どうでしょう。でも、ちょっとずつアバター変わってるって噂で聞きましたから、たくさんの通報受けてキャラ消去食らってるんじゃないですかね」


「そうなんですね⋯」


拠点内にあんなやばい奴いるとか、NPC可哀想に。

そんな変態プレイヤー逮捕イベントを見届けた後は、ホルマリンさんに施設の案内までしてもらった。

もう足を向けて寝られない。中身の人がどんな人なのかは知らないけど。

アバターの性別両方使える上に声もそれなりに変えられるしね。さすがに元の声が高音すぎたり低音すぎると変換しきれなくて元の性別が分かるだろうけど。


そんなこんなで施設の説明が終わったら結構な時間が経っていた。

そろそろログアウトしないとな。

魔法師ギルドの壁時計を見ると20時を回っていた。

こんな時間になるまで遊んでたなんてやばい。これ、夕食食べにリビングに行ったら両親に怒られるな⋯⋯。


「ホルマリンさん、今日は色々ありがとうございました。もうログアウトしなきゃいけないので、また今度何かお礼をさせてください」


「いえ別にそんな、何かを貰うために案内したわけじゃないので、気にしないでください」


聖人かな?何だこの人。厄介事とか引き受けちゃったりしません?大丈夫ですか?

こちらが引き下がらないと見ると、ホルマリンさんは頬を掻きながら口を開く。


「あー、じゃあフレンド登録だけいいですか?友達少ないんで。時間が合えば一緒に出来たらなと」


「了解です。こっちから申請送りますね。⋯⋯はい、送りました」


ええいいですとも。聖人さん。

これからどうぞよろしくお願いします。

ホルマリンさんがこちらからの申請を承認したようで、フレンドリストに名前が追加された。


「登録完了ですね。時間が合う時に都合がついたら一緒にやりましょう」


「はい。ではまた」


「ええ、じゃあまたそのうち。いい(ゲーム)を」


「はい、いい(ゲーム)を」


ちょっとクサイけどいい言葉。お互い手を挙げてその場で別れる。

最初変な人かと思ったけど、普通にいい人だったなホルマリンさん。いや、相手も同じこと思ってたのかな。


「さてと、やることたくさんでわくわくだな。明日は何から始めようかな」


期待に胸を膨らませながらログアウト。

そして両親に怒られるのであった。

〘魔法:鑑定〙

生活魔法に分類される、職業関係なく覚えられる魔法の1つ。

知らないものを知るための魔法であり、知っているものを知るための魔法でもある。

許可なく個人を鑑定するとカルマ値が上がり、基準値を超えるとそのプレイヤーから犯罪臭みたいないやなエフェクトが常時固定で発生する。

無断で鑑定している所を兵士に見られると、罰金の支払いを求められる。逃げれば当然犯罪者として指名手配。

なお、無断でした鑑定の事後承諾は認められない。

モンスターを鑑定すると、名前の横に色つき逆三角マークが表示される。(所謂マーカー)

青:友好モンスター。殴る蹴る等を一定以上繰り返すと信頼度が下がり、マーカーが赤へと変わって攻撃してくる。

黄:仮友好モンスター。クエストなどで一時的に友好になるモンスター。

クエスト中の行動次第では、クエスト達成後マーカーが青になったりする。

赤:非友好モンスター。プレイヤーやNPC、他のモンスターに分け隔てなく敵対する。

どうにかこうにか頑張ると、マーカーが青に変わるとか。


〘スキル:調教〙

テイマー系統の職業に就いていると最初に使えるようになるスキル。

低確率で敵対モンスターを仲間にすることが出来る。

ただしあくまでも調教した結果に過ぎないので、何かのきっかけで調教したプレイヤーに襲いかかることがある。

真にモンスターと仲良くなりたいのならば、使用は控えるべし。

使わずに仲良くなれば、心通じ合える相棒となる。


〘レベルアップシステム〙

モンスター討伐完了時や何かものを完成させた時等に貰える経験値が、ある一定数溜まると1レベル上がる。

1レベル上がる事に1ポイントもらえ、そのポイントをステータスに割り振ることが出来る。

割り振ったパラメータの基礎値が上がる。


〘メニュー画面システム〙

メニュー画面を出したいと思いながら、一言「メニュー」と発言すると出てくる。

選択できる項目は、フレンド一覧・フレンド申請・メッセージ作成・メッセージボックス・掲示板・通報・ログアウトの7つである。

ちなみに長時間ログインを続けていると、健康を害する恐れがあるとログアウトを勧める警告が時間を置いて2度出る。それを無視すると強制ログアウトさせられる。


〘リスポーンシステム〙

プレイヤーが死んだ際に、その肉体を再生させ生き返らせる教会の秘術。

ゆえにリスポーン地点は教会。

正確には、最後に入った町等の拠点となりうる場所の教会。

まだ1回も町などに入ったことがなければ、リスポーン地点は死んだ場所近くにある教会。

リスポーンした場合は、お布施を払うことになる。

このお布施を身分証パワーでどうにかすることは出来ない。

とはいえあくまでお布施なので、払うも払わないも自由。ただ払わないとリスポーンする度に嫌な顔をされる。

好感度が最低値になったからといって、リスポーンさせて貰えずキャラデータが消滅したなんてことにはならないのでご安心を。

教会に務める方は心が広いので。


〘ジョブシステム〙

メインとサブに別れており、ステータス画面で職業をセットすると、その職業に応じたステータス補正・武器防具補正等が受けられる。

また、セット時のみその職業の専用魔法・スキルが使用可能となる。


〘お金〙

一部を除く、ほとんどの国で使える共通の通貨・貨幣。

皆が信じることでそれに価値が生まれる。

単位はマニー。

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