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敵紹介場

作者: 藤乃花

日曜日の朝、トーストをかじりつつ特撮番組でヒーローが活躍するシーンを、同じヒーロー(ベンチ入り)の皆之博みなのひろは、羨ましい面持ちで眺めていた。格好いいヒーローが悪の手先を相手に闘う姿は、そりゃあもう心が痺れまくる。博もポーズを決めてヒーローの合言葉を唱えれば、『レインボーマスク』に変化出来るのだ。技もアイテムも決定しているが、まず相手の敵がいない。平和ボケしてはヒーローとして生まれてきた意味がない……との考えが頂点に上り、数日前『敵紹介場』に自身を登録して相性が合う敵の相談をしたばかりだ。ヒットする敵が何名か居た場合、『敵紹介場』から連絡が入る事になっている。(活躍して、僕も早く特撮番組の主役になりたい……連絡来ないかな)口をあんぐり開けて、テレビ画面を観る姿は、ヒーローとは遠い気がする。その時、レインボーマスクのセブンインカム(ネーミングダッサ)が発動した。『【敵紹介場】の【レターナ】です。博さんと相性が合う敵の方が見付かりました!』「えっ⁉やった……!ありがとうございます!今から会えますか?」『はい……一つですね、問題が御座いまして……』奥歯に物が挟まったような言い回しで『レターナ』さんは云う。嫌な予感がしたが、博は進展を望むので会う事を希望した。「問題があろうが、敵の方が見つかったんですよね?今からそちらに向かいます」『かしこまりました。詳細は到着してからご説明致します』

『敵紹介場』に着いた博は、敵となる相手を見て、納得した。敵は今人気放送中『雷雨姫』のヒロイン、稲褄光いなづまひかりだった。「ヒーローとヒロインが宿命のライバルとなりますが、いかがなされますか?」博も光も困惑した表情で互いを見合うが、両者考えが一致したようで同じ言葉を重ねた。「「OKです!」」良い響きだ。「お決まりですね。それでは来月より御二人は闘う事になります。新たに番組がスタートします。番組名『レインボーマスクVS雷雨姫』(これまたネーミングダッサ)でございます」「ヒーロー兼敵の皆之博です!」「ヒロイン兼敵の稲褄光です!」両者ガッチリ握手した。「「来月からヨロシク!」」新しい特撮番組が始まる。









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